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冬桃ブログ

再びの翡翠ロマン旅

 勾玉は皇室に伝わる三種の神器のひとつだ。
 古代の謎めいた装身具でもある。
 縄文~古墳時代にかけて、時の貴人が
身につけていたものだが、ただの飾りではない。
 魔除け、呪術、地位のシンボルなどの
意味があったようだ。
 胎児のような魚のようなその形も、
なにを意味しているのか、はっきりとは
解明されていない。

 奈良時代あたりから、勾玉だけではなく
装身具そのものが日本人の服装から消えてしまう。
 江戸時代になっても、ほとんど髪飾りだけ。
 明治になり、洋風文化が入ってきて
ようやく首飾り、指輪などを皮切りに復活した。

 勾玉はやはり、翡翠でつくられたものが美しい。
 翡翠は長いこと、日本では採れないと
思われてきたが、近年、新潟の姫川を中心にした
地域で産することがわかり、「翡翠採り」が
ちょっとしたブームになった。
 古代ロマンに触れてみたい私は、
ずっとこの地に憧れていた。

 昨年のこと、友人のまちづくりプロデューサー、
福井功さんが、翡翠探しの旅に行くと聞き及んだ。
 そこで、ぜひにとお願いして同行させていただいた。
 その日程が決まってから、不運にも足首を
骨折したが、ギブスのまま敢行。
 その旅のブログはこちら。
http://blog.goo.ne.jp/yokohamaneko/e/03b0ec55c34b15921b0a962f259461f0

 この時、買った小さな翡翠の勾玉。



 「今年も行きますか?」と、福井さんに
声をかけていただき、喜んで出発。
 北陸新幹線「はくたか」で新潟の糸魚川へ。



 崎陽軒のシウマイ弁当は日常食だが、
車中でいただく駅弁は久しぶり!



 着いた糸魚川は、けっこうな雨。
 姫川河口へ行く予定だったが、
軟弱な私はホテルにお籠もりしたい気分。
 が、長靴持参の福井さんは行く気満々。

 タクシーで河口へ。
 雨は小止みになることもあったが
空はどんより曇ったまま。
 広い河口には、私達以外、誰もいないし……。



 風は強いし、川の流れは怖ろしく速いし
増水して中州に取り残され、テレビカメラに
映されながら自衛隊のヘリに助けて貰う
……なんてことになったらどうしよう。
 福井さんは海際すれすれのところまで
行ったらしく、何度も姿が見えなくなったが
私は一段高くなった河原でぽつねんと石積みを……。



 やがて凄まじい風になったので、拝むように
福井さんを促し、ホテルへ戻る。
 タクシーの運転手さんと、感じのいい
フロントの女性が揃って勧める「すし活」で夕食。

 この日は奇しくも福井さんの誕生日。
 おめでとうございます!
 カツラ疑惑が絶えない黒々とした髪は
まぎれもない本物!



 おまかせ地元握り。
 


 私達が翡翠探しの旅だと知ると、
大将は、背が高くてイケメンの若い衆に言いつけ
サッカーボールくらいもありそうな原石を
出してきてくれた。
 じつはこの店で働く女性従業員のお父様が
翡翠加工と古代土器、土偶の複製を造る
プロフェッショナルだったという。
 お父様はもう故人だが、お元気な時に
話を聞かせていただきたかった。

 翡翠の原石



 なんと大将は、3センチくらいもある翡翠を
私達にひとつずつプレゼントしてくださった!
 美しい緑が浮かび上がっている。



 お寿司がおいしいのはもちろんのこと
とても居心地の良い「すし活」さんのサイト。
http://www.terumori.jp/sushikatsu/

 翌日はありがたいことに晴れ。
 福井さんにレンタカーを運転していただき
沼河比売ゆかりの白山神社へ。





 ヌナカワヒメを祀る神社は、
ほかに天津神社、奴奈川神社もある。
 彼女の美貌を聞きつけ、
大国主命が追い求めて妻にしたという姫。
 長野・諏訪大社の祭神、建御名方神は彼女の息子。

 昨年も行った
親知らず子知らずピアパークでランチ。
 ここの浜は石が少ない。




たくさんのカモメ。




 新潟を出て富山に入り、翡翠海岸と呼ばれる宮崎海岸へ。
 昨年はここで大波をかぶった。
 今年も相変わらず波が高い。



 石の上に腰を下ろし、熊手で
こりこりと手の届く範囲を掘る。
 そのうち疲れて、ひっくり返った。
 
 この浜の石はすべて丸いから、
その上に横たわっても痛くない。
 それどころか、全身のツボが適度に
刺激され、予想外の気持ちよさ!
 とどろく波の音をBGMにして
このまま寝てしまいたいほど。
 しかし浜には人が少ないし、
福井さんは例によって、遠くで石を掻き分けている。
 誰が見てもこの姿は、打ち上げられた溺死体。
 通報されると困るので、しぶしぶ起きた。

 いつのまにか撮られてたけど。



 二泊三日の最終日は、フォッサマグナ・ミュージアムへ。
 もしかして翡翠? と希望を抱いた石を
学芸員に鑑定して貰う。

 見事に外れてましたねえ。
 「すし活」の大将の話では、
翡翠が話題になっていない昔なら
いざ知らず、いま、本気でゲットしようと
思う人は、アクアラングをつけ、
夜の海に潜って探すそうだ。
 私は翡翠・勾玉のロマンに
浸るだけで充分だからがっかりしない。
 何時間もここにいられただけで幸せ。
 
 「翡翠疑惑」だった石の名前を教えてもらう。



 薬石と呼ばれる茶色の石は、すべすべで
いろんな模様になってて、やっぱり目が行く。
 ミュージアムの学芸員に「どういう薬効で
薬石と呼ばれるのですか?」と尋ねてみた。
 けっこうなお値段で売られていたりもするのだ。


 
 「微細な穴が石の表面にいっぱいあって
そこへ汚れたものが吸収されるのです。
 だから、お風呂に入れたりするんですね」
 「洗えば、その吸収された汚れがとれて
また使えるのですか?」
 「いえ、そうはいかなくて……」

 一回こっきりの薬効であるらしい。
 
 福井さんは「二年続けて行ったから
もうここはいいかな」と、おっしゃっていたが
翡翠に興味がなくても、「浜の丸石天然マッサージ効果」
を楽しみたい方、翡翠海岸(宮崎海岸)はお勧めです!

 


 

 

 


 



 

 

 

コメント一覧(10/1 コメント投稿終了予定)

冬桃
そうなんです。
酔華さん
 すし活さんのフェイスブックは、なぜか住所が
広島になってしまいますね。
 お店でつくったものではなく、ファンの方が勝手に
設置されたもののようで、当初の設定が間違って
いたのでしょうね。
 ブログのリンクを、フェイスブックではなくサイトの方に
直しておきました。
 石の種類はフォッサマグナ・ミュージアムで教えてくれます。
 一人10個までの鑑定。ここは親切でいいですよ!
酔華
お弁当
http://blog.goo.ne.jp/chuka-champ
いいですね。
北陸新幹線らしいお弁当だと、涎を垂らしています。
シウマイ弁当と比較しちゃいけないけど、
美味しそう・・・

「すし活」のFBを見ると広島県になっていますが、
FB運営側の間違いでしょうかね。

石のラベルはミュージアムで提供しているんでしょうか。
そうだとしたら、いい施設ですね。
冬桃
だってねえ、
三原千景さん
 去年なんか、ほんとに大波をかぶり、
胸から下がずぶぬれのままだったのですよ。
 おかげさまで、今年は波がくるすれすれを
しっかり見極められるようになりました。
冬桃
私も!
おでさん
 そうですよね、私もやっぱりお寿司!
 福井さんに「日本海の魚は身が締まってて
絶対、太平洋の魚よりおいしい」という講義を受けました。
 たしかに、こりこりした歯ごたえ!
 地元の美味あってこその旅です。
三原 千景
翡翠ロマンの旅
中洲に置き去りで、ヘリで救助なんて、、笑っちゃっいます(笑)
そして、土左衛門?溺死体(笑) と思われちゃうって、言った後のちゃっかりと撮影されてたり(笑)と、面白くてついついロマンの旅に引き込まれました!! 楽しいエッセイをありがとうございます😍
おで
http://odesamaryu.exblog.jp/
駱駝さんのFBで、旅のレポートを随時拝見しておりましたが、こうしてまとめて見させて頂くと、本当に素敵な道中だったんだなーと実感できます。綺麗なお写真をたくさんありがとうございます!石の写真も興味深いけど、おではやっぱりお寿司かなー!さすが美味しそうな握りですね。北陸は仕事以外では行ったことがありませんが、富山に旅したときに見た立山連邦の美しさは忘れることができません。いつか翡翠海岸へも行ってみたいな、と思いました。
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