冬桃ブログ

メメント・モリ

 睡眠障害というやっかいなものを抱えているので
毎晩、薬のお世話になっている。
 それでも眠りは浅く、夜中に二、三度目を覚ますし、
夢は欠かさずみる。
 その夢を覚えていられたら、それはそれで興味深い
のだが、残念なことに目を覚まして二秒とたたないうちに
脳から消えてしまう。
 その一秒間だけを振り返ると、このところ……というか
けっこう長い間、同じような光景の夢を見ている。
 なぜかいつも大勢の人の中にいるのだ。
 
 なにかのイベントがあるのか。
 それともリゾート地なのか。
 とにかく広い場所に、知らない人がたくさんいる。
 ちらほらと、知った顔が見える時もある。
 私もその中にいるらしい。
 で、具体的な物事が起きているのかどうかも
判別できないまま、目が覚める。
 記憶にあるのは、大勢の人がいた、ということだけ。
 そこにいる自分の感情が快なのか不快なのか、
それすらわからない。

 ふと思った。
 もしかするとあそこが「三途の川」というものでは?
 この世からあの世へ渡っていく人が、河原にひしめいているのでは?

 お墓があってそこへ入った人は、先に入った人が
あそこへ迎えに来ているのだろうか。
 出迎える人のいない者は、同じような人の後について
その川を渡ればよいのだろうか。
 凄まじい方向音痴の私は、この世でそうだったように、
そして夢の中でもそうであるように、どっちへ行ったらいいのかわからず
おろおろ、うろうろすることになるのだろうか。

 私は「迷子」になることがなにより怖い。
 今夜の夢の舞台があの世でもこの世でもかまわない。
 あの大勢の中の誰かが、どうか親切に話しかけてくれて、
私の行くべき場所へ案内してくれますように!



 
 
 
 
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