冬桃ブログ

どうせ、わたしなんか……

 テレビ放映されたものを録画して観た映画「川の底からこんにちは」。
 いやあ、良かった。こういう映画に出会うと、この歳でも人生が
ちょっと違って見える。
 
 脚本・監督 石井裕也。主演 満島ひかり。

 満島ひかりという女優さんは「クヒオ大佐」で、およそ可愛げのない
女を演じていた。いま思うと、その演技がうまかったせいだろう、満島
ひかりという女優さんのことを、いやな女だと思ってしまった。
 しかし「川の底から……」では、近くにいたらうっとうしいだろうなあ、
から始まり、最後は、ぜひ近くにいてほしいというキャラクターに
変わるまでを、まあじつに自然に、なんともうまく演じている。
 演技の天才と言われる大竹しのぶにはさほど感動しない私だが
満島ひかりは素直に「凄い!」と思った。

 それにしても、「どうせ、あたしなんか中の下なんだから」という
台詞、気に入ったなあ。
 そのあと、普通は「だからなにやったって駄目なのよ」とヤケになるのだが、
このヒロインの場合は「だから頑張るしかないのよ!」となる。

 考えてみれば、私もそうだったのかなあ。
 ものごころついた時、私の環境は「中の下」どころか「下の下」だった。
 三歳になるかならないかで両親に捨てられたわけだから。
 唯一の保護者だった祖母も自殺した。
 同じ町に母方の実家があったのに、みなしごになった私を引き取っては
くれなかった。
 だから私、頑張るしかなかったんだなあと、いまになって思う。
 根性ないし体力もないから、頑張るったって限度があったわけだけど。

 頑張るという言葉もたいして好きじゃないし、このあとはもう
そんなに頑張りたくないし、頑張れないだろうけど、おそらく私は
頑張ったのだ。できる限り……。
 そう思うとちょっと涙が出て、自分で自分の頭をナデナデしてやりたくなった。
 

コメント一覧

冬桃
おお!
ほんとだ! ニキさん、ありがとう。
新聞を斜め読みする私は気がつきませんでした。
なんだか昔の自分にばったり出会ったようで
懐かしい気分。
これを書いた頃は横浜に一人も知り合いがいなかったんですよ。
あれから26年くらいたつのかなあ。
ほんとにいろんな人と知り合い、いろんなこと
がありました。
人生はやっぱり出遭いですね。
デビューの時の私より遙かに若いニキさん、こ
れからどんな人と知り合い、どんなふうに人生
を築いていくのでしょう。
楽しみです。
探求者ニキ
発見
http://niki200705.blog.fc2.com/
冬桃さん、こんにちは!
本日(10月2日)の神奈川新聞に冬桃さんの小説「花園の迷宮」のことが載っていましたよ。発見しちゃいました。
「新・神奈川文学地図」です。
冬桃さんの小説にでてくる溌剌とした女性たちは、何だか冬桃さんの分身のように見えます。
冬桃
あらあ
そんなことおっしゃってたのですか。
照れなくてもいいのにねえ。
過去にも監督と女優さんのコンビは数々ありますが、
このお二人も一緒に次々といい映画を創りだしていただきたいものです。
レオン
満島ひかり
石井裕也監督に「川の底からこんにちは」の試写会に招かれた時、「満島ひかりは、好きな女優ではありません。ぴあから勧められてしかたなく起用しました」と言っていましたが、今から考えたら全くのカモフラージュでした。

石井監督のお住まいは埼玉県です。ジャック&ベティにいらした時に、「アウトサイダーズ」へ寄るようです。
冬桃
褒められること
酔華さん

 私はねえ、本来は中の中くらいいくんじゃな
いかと自分では思うのですが、なにせ褒められ
ることがなかったんです。
 けなされるばかりで。
 ですからたまに誰かが褒めてくれると、それ
を心の宝箱に大事にとっとくんですね。
 そんな中、幼稚園の時、即興童話を創って先
生にえらく褒められたこと、小学4年くらいの
時、担任の先生が作文を褒めてくれたこと。
 この二つが唯一、宝箱に入ってたんですね。
 ほかになにもなかったから、じゃあ物書きに
なろうと思ってしまいました。
 でも、間違いだったような気も……(書くのってしんどい)。
酔華
子供の頃
http://blog.goo.ne.jp/chuka-champ
私は何をやっても「下の上」、良くて「中の下」でした。
スポーツも、音楽も、英語も、数学も、その他の学科も、作文も、勉強も、芸術的創作活動も、家庭環境も、ルックスも、身長も、お金も…
何もかも人より劣っていると思っていましたが、
あるとき気がつきました。

種目別ではどれも「下の上」や「中の下」ばかりですが、
すべてを総合したら自分は「上の上」じゃないかと。
でも、よくよく考えたら人間はみな総合トップなんですね。

そう思ったら気が楽になりました。
今じゃぁ、ユルユルになり過ぎてしまった感もありますが…




冬桃
お勧めです!
濱のリリーさん

 いやあ、いい映画でしたよ。ぜひ観てください。
 そういえば、私もアウトサイダーでそんな話
を聴いたことがあるような……。
 満島ひかりさんって、この映画の監督と結婚
なさったそうですね。
 もしや横浜にお住まいなのでしょうか。
 しかもあの近辺だったりして……。
濱のリリー
映画のタイトル、どっかできいたことがあると思ったら・・・
ちょっと前に黄金町 アウトサイダーでマスターが話していた映画でした。
監督と満島ひかりさんがお店にいらしたそうです(満島さんは、現在放映中のNHKの朝ドラに出演していますネ)。
どんな映画なのか気になるので観てみます。

冬桃さんは、何事にも一所懸命な方だと思います☆
冬桃
プライド
さちこさん

 どんな境遇にあろうと、自分が自分であると
いうプライドだけは失っちゃいけないと思うのです。
 振り返ってみれば「どうせ、わたしなん
か……」とは、あまり思わなかったような気が
するのです。
 思ったら最後だ、という気がしてたのかな。
 でも、時間は人生をいろいろに変えてくれます。
 良い時間は長く続かないけど、悪い時間も
必ず終わる。生きるということは、なかなかに
スリリングです。
さちこ
なんとな~く
中の下だから頑張る。わかる気がします。
私も下の下な感じで、多分人に同情されたりしていたんだけど、気付かないふりと言うか、寧ろナニクソな感じで…

夫にも話していない事がたくさんありすぎるので(--;過去は割愛しますが、今思うと卑屈になる暇もなかった気がします…

昔、立志式の時の講演で、「頑張れば感動」が待っていると仰られたのですが、あの頃感動は待っていなかったなぁ…とふと思ったりしました。

今ならなにくそじゃない頑張り方?踏ん張り方ができるかなぁ…
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