冬桃ブログ

本牧神社から根岸外国人墓地へ

 
 
 先日、朝日新聞「Legend of Yokohama」という
連載コラムで「本牧十二天」のことを書いた。

 記事はこちら。挿絵は安藤ニキさん
http://www.asahi.com/area/kanagawa/articles/MTW20151030150160001.html

 そのご縁で本牧神社の宮司さんにお招きをいただいた。
 何度か伺わせていただいた由緒ある神社だが、二年前、
鎌倉の鶴岡八幡宮からこちらへいらした當麻宮司さんとは
初対面。 (向かって右は、セッティングしてくださった
氏子総代の羽生田さん)



 「横浜のこと、本牧のことを、なんでも知りたいんです」
と、おっしゃる、素晴らしい宮司さんだ。
 私などがなにか話すまでもなく、すでになんでもご存知だった。
 鎌倉からこちらにいらしてまだ二年だというのに、
たいへんな勉強家。しかも地域発展のことを真剣に考えておられる。
 ご専門の神社や日本神話の話など、聴き入ってしまい、
時間を忘れそうになった。
 
 本牧神社には450年も続く「お馬流し」という
神事がある。
 体は亀、頭は馬という「お馬」を本牧の沖に流し
その年の厄を払う。
 「お馬」は茅で作られるのだが、それを作る役目の
家も、代々、引き継がれてきた。
 ただ流せばよいわけではなく、厳しいしきたりが
幾つもある。
 その「お馬流し」の資料室を、宮司さんみずから
案内してくださった。



 お昼までご馳走になり、羽生田さんに送っていただいて
山手の根岸外国人墓地へ。

 今日は墓前祭。近くの仲尾台中学校、立野小学校の
生徒達が、まず、墓地の清掃。



 そして式典。
 仲尾台中学校吹奏楽部による演奏があり、
ドイツ海軍将校と仲尾台中学校の生徒による献花。

 

 1942年、ドイツの軍艦が横浜港で爆発炎上した。
 近くに停泊していた船を巻き込み、ドイツ人、中国人、
日本人の犠牲者が102人も出るという大惨事だった。
 その慰霊碑がここに建てられており、毎年、こうして
墓前祭が行われている。 

 たまたま隣にいらしたご年配の女性に
「ドイツにゆかりがおありなのですか?」
と尋ねてみたところ、
「祖父がドイツ人なんですよ」とのこと。
 外国人居留地に住み、日本人女性と結婚なさったそうだ。

 「私は昭和2年の生まれなの。ドイツの軍艦が爆発した時、
その音も聴いたのよ。そりゃあ、ものすごい音。
 遺体が伊勢佐木町まで降ってきたそうですよ」

 参列者に白い菊の花が一本ずつ配られ、
順番に慰霊碑に備える。
 私も献花させていただいた。

 片翼の天使像にも、今日はポインセチアが。



 神社と墓地。
 どちらにも清澄な空気が漂い、
心身共に洗われたような心地よい一日だった。

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