ワフィネ・デ・日誌in花岡

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「国鉄史」

2021-04-15 11:40:44 | 日記

 寒さが和らいで陽射しも射してきたので、義弟と一緒に蔵(と呼べるほどのものではないが)の片付けをした。物があるわあるわで、箪笥や茶箱の中身をどんどんゴミ袋に詰めてもきりがない。全部片付くわけではないので、まずやれるだけといったところです。
 小屋の方へ行くとガラス扉の本箱があって、中に佐藤博信氏の詩集があって驚いた。そこに分厚い「国鉄史・国鉄を支えた人々の歴史」(地方人事調査会)というA4の立派な本がありました。あんまり重いので計ってみたら重さ3.8キロ、厚さ8センチでした。東日本編として昭和62年の発行でした。秋田県から愛知県までの人が掲載されていて、義父の木越佐与次氏も載っていました。多分非売品で掲載された人に贈呈されたのでしょう。
 大館市近郷の人達が結構載っていて、経歴が国鉄だけでなく町内会長、農業委員とかも記載されているのですが、義父も含めて殆どの人が戦争で召集されて、ビルマ、南京などの鉄道工事に従事してきた人もいます。義父は北千島に配属されて、終戦後シベリアに抑留されて帰ってきていますが、個々の経歴から日本が中国・朝鮮などへ侵攻していった動きが見えます。
満州鉄道と朝鮮鉄道、華中鉄道は路線地図が掲載されていて、華中鉄道と南満州鉄道では社歌が掲載されているくらいですから、戦争遂行のための鉄道事業がいかに大規模なものだったかと同時に、敗戦から40年過ぎていても鉄道をとおしてかつての栄光というかプライドは全く消えていないことに圧倒されます。
更に男の視点の歴史だとつくづく思うのは、個々人の紹介は夫婦で写真が掲載されていて、経歴は具体的で詳しく、末尾に家族構成が記載されているのですが、妻と息子、娘の名前は記載されていますが、嫁の名前はなく、孫一人などとなっています。男くささが満ち満ちた「国鉄史」ですが、この本を処分するにはもったいないなあ、図書館に寄贈したほうがいいのかなあと逡巡して息子にこの本の話をしたら、もう国会図書館で見ることができるんだと言われてしまい、これではこの本の価値は押し花をするのに重宝するといったところか・・・と、ちょっとさみしく思いました。

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