日々のヨギチョギ

ヨギチョギ=韓国語で「あっちこっち」。
サッカー日本代表を応援しつつ、日々いろいろ書き綴っています。

連続コラム/スペイン8日間の旅…8の続き

2004-11-12 01:23:16 | 旅行
8の続き…

サウナ室からパルタル庭園へ。

きれいに手入れされているバラ園もあったり、この庭園部分だけでもかなり楽しめる。
ナスル朝時代には宮殿や住宅、モスクなどが立ち並ぶ緑地だったらしい。
この庭園から緑に囲まれた遊歩道へと続くのだが、ここら辺がとにかく広い。
今まで通ってきた王宮部分の1.5倍くらいある。
庭というより森に近いくらい、たくさんの木や花が生い茂っている。

ヘネラリフェへと続く通路を歩いていたら、ここでも地元の社会化見学の子供達が。

やはり東洋人を見るのが珍しいのか、ここでも「どこから来たのー?」と、激しく手を振りながら叫んでいる。
「日本からだよー」と答えると、知っている日本語をわめきだした。
「サヨナラ~!」
…ガクッ。会った途端にもうサヨナラですか。(苦笑)

ここでガイドさんが面白い話をしてくれた。
「私が一人でバールに行ったときの話なんですが、地元の人しか行かないお店に一人でふらっと入ったんですよ。入った途端に東洋人が珍しいのか、店にいる人間が一斉に私のことを見るわけです。『こいつはスペイン語が話せるのか?』と心配してね。
もちろん私はスペインに住んでいますから、そんなひそひそ声も分かってしまいますよね。
で、堂々と「セルベッサ、ポルファボール」とバーテンに声をかけると『あ、こいつはスペイン語が分かるんだ』と店中の客が安心して、そこから一斉に質問攻めに合ったんです。
『おまえはどこから来たのか?中国か?韓国か?』
ここで中国と答えれば『中国は万里の長城があるよね』など、中国の観光地の話題をいろいろ言ってきます。
韓国と答えると『韓国は嫌いだ。オレは今でもあの試合を認めないぞ』と、いまだにW杯のことが忘れられないようです。(笑)
そして『日本です。』と答えるとどうなるか。
『へぇ~、日本ね。そうか、日本か。』
これでおしまい。
スペインでは驚くほど日本の事を知られていないんですよ。」

この話を聞いて意外に思ってしまった。
韓国のW杯話はともかく、日本にも万里の長城に負けないくらい、歴史的な建物はたくさんあるし、歌舞伎や舞妓などの日本文化はもっと世界的に知られているものだと思っていた。
第一、バルセロナでは、外尾悦男さんががんばっているではないか。
けど、実際は全然知られてない。
日本政府はもっともっと観光キャンペーンをしていく必要があるぞ。
なんか、自分の国を知られてないっていうのは寂しいものだなぁ。

長い通路を歩いて、やっと「フェネラリフェ」に到着。
これは、その中の「アセキアの中庭」。

「アセキア」とは水路の意味。
イスラム風庭園様式を最もよく残していると言われるこの中庭は、シェラネバダ山脈の雪解け水を引いて噴水にしているらしい。

1319年、ナスル朝5代イスマイル1世により建てられた、丘の上に立つフェネラリフェ離宮と庭園からなっている。
「フェネラリフェ」とは天国の意味。
その名の通り、庭にはバラが咲き誇り、見晴らしの塔からはアルバイシンを眼下に一望できる。
王族の夏の離宮と言われたこの庭で、遥か昔に王や王妃が憩いの時間を過ごしていたのだろう。
今私が立っているこの場所に、王様も立っていたのかもしれない。

アルハンブラ宮殿をたっぷり2時間かけてまわったけれど、まだ全然足りない感じだ。
ツアーによっては1時間しかまわれないものもあるらしい。
全部じっくり見て回ったら、軽く半日は超えてしまいそうだ。
またいつか、時間を気にせずゆったり見て過ごせたらいいなぁ…。

この後ミハスへバスで移動する。
途中で寄木細工の店でトイレ休憩。
店のすぐ前にグラナダのサッカースタジアムが!
3万人くらい入りそうなくらい、すごく大きなスタジアム。
でも、建物は大きいのだけどサッカーの試合をしている空気が感じられない。
壁には落書きがたくさんあり、スタジアム全体が物悲しい雰囲気を漂わせている。
「このスタジアムは、グラナダがかつて一部リーグで活躍していた時は本当に満員の観客で埋め尽くされて、それは活気があったのですが、今ではクラブが3部リーグに落ちてしまい、昨年の2部リーグに昇格する試合でも最終戦で昇格チャンスを逃してしまったんです。
ここのサポーターはとても熱狂的な人たちばかりですから、クラブがもっとがんばってくれれば、このスタジアムにも活気が戻ってくると思うのですが…。伝統のあるいいクラブなので、がんばって欲しいんですけどね。」
そうだったのか…。
せっかくこんなに立派なスタジアムがあるのに。
選手達も苦しい時期かもしれないけど、サポーターと一緒になって、またこのスタジアムが歓声で包まれるようになることを祈る。
なんかとっても悲しいものを見てしまったような気分だ。

アンダルシア地方をずっと一緒に周ってくれたガイドさんと、この店でお別れだ。
ずっと同じガイドさんで、とても説明が分かりやすかったし、何よりバレンシアサポ仲間として、ここでお別れするのがちょっと悲しくなってきた。
スペインと日本と場所は違っても、これからもバレンシアを応援していきましょう!と心で叫んでいた。
ガイドさんのおかげでアンダルシアの旅がとても楽しいものになった。
ありがとう、Tさん。またいつかどこかで会える日を願ってます。

グラナダを後にして、バスは白い村ミハスへ向かう。
ミハスを含めたこの地域はコスタ・デル・ソル(太陽の海岸)というスペイン一のリゾート地帯だ。
海のブルーと空のブルーに挟まれた建物の白が作り出すコントラストがまぶしい。


ミハスに着いてからランチを食べる。
サラダ、イカ墨のライスぞえ、レモンムースケーキの3品。
食事をしていると、窓から海が見える。
ふと下を見ると、1階のテラスで結婚式のパーティが行われていた。
海と白い町並みを背にした花嫁さんはとてもキレイ。
しばらく見とれていると、そのパーティに出席しているらしい子供が二人ちょこちょことレストランに入ってきた。
ピンクのワンピースを着た女の子と、その弟らしい半ズボンに蝶ネクタイの男の子。
カウンターのウェイターに小銭を取り出し、アイスクリームをおねだりしている。
女の子の方はお姉さんらしく、弟にあれこれ世話を焼いている。
どこの国でも同じだなぁ。

食事の後は30分ほどフリータイム。
このミハスはとても小さな村で、ムデハル様式の街の教会、憲法広場、闘牛場など主要な建物を見ても、1時間も歩けばすぐに一周してしまう。



どこを切り取っても絵ハガキになりそうな景色ばかり。
この狭い路地で小さな兄弟がサッカーに興じていた。
ロナウドの大きな顔面プリント入りのTシャツを着ていたのがびっくりしたけど、小さい子供でも足技はピカイチだ。

ミハスを過ぎると、バスはマラガの空港へ。
いよいよスペイン最後の都市となるバルセロナだ。
<続く…>
今日の足跡

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
きれいな街並み (すもも)
2004-11-12 08:35:15
綺麗な街並みですね。

友達がスペインに行った時の写真にもありました。

友達は大胆にも家のノブに手をかけて

「私の家よ」風な写真を撮ってました♪

「どこから来たの?」「サヨナラー」にも笑っちゃいました。(^o^)

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うああ (kissh)
2004-11-12 10:16:31
このシリーズは俺にとっての「yogichogiさんが夜中に見てしまった俺のエントリ」の様なモノですよー(涙)

スペイン許し難し>逆恨み



絶対行ってやルー。

問題は奥さんがスケッチする時間をくれるかどうかだ・・・。
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目の保養になるわぁ (×)
2004-11-12 12:39:28
ホントきれいなとこですね、スペイン。

空気が乾燥してるから色がきれいに出るのかな?

写真も雰囲気でてていいなぁ。

yogichogiさん、構図うまいよなぁ~。



こーゆーとこでの野良サッカー。

いいなぁ~。

絵になるなぁ~。



でも、オイラ海外ダメなんだよね・・・
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コメントありがとうございます。 (yogichogi)
2004-11-12 13:55:48
>>すももさん

私も「私の家よ」風な写真、やりました。

本当にこんな家に住めたらいいのにな~って思っちゃいますよ。

子供達はいつでもどこでも大はしゃぎで、でもみんな「サヨナラ」なんですよねぇ。

必死になって「コンニチハだよ!」って教えたんですけど、発音しづらいのかなぁ。



>>kisshさん

どーも、すいません。(笑)

結婚10周年記念として、ぜひ奥様とご一緒に旅行されてはいかがでしょうか。

奥様にはお土産屋さんにでも入って頂いて、その間にスケッチ描くっていうのはどうでしょ?



>>Xさん

気候がよくて、人々もあったかくて、街もきれいで、いいとこですよ~。

写真、建物傾いて映ってるしダメですねぇ。

野良サッカー、写真撮りたかったんですけど、タイミング難しくて撮り損ねてしまった。

写真は難しいっス。



海外ダメって、飛行機が恐いとかですか?

大丈夫、ずっと寝てれば着いちゃいますって。

英語しゃべれなくてもボディランゲージで無問題!
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Unknown (×)
2004-11-12 21:20:22
写真、パンフの絵みたいですよ。

海外ダメなオイラでも言ってみたいなぁって気になるもん。



別に飛行機は大丈夫ですよ!

といっても、まだ1回しか乗ったことないけど(笑)



実は新婚旅行でバリへ行ったのが生まれて初めての海外で・・・

バリは楽しかったんですがね、言葉がオイラさっぱりダメなんで。

ボディーランゲージで乗りきったけど、やっぱ海外って敷居が高い気がしましてね~。

で、内気なオイラは海外ちょっと苦手なんっす。
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コントラスト (rockanddance)
2004-11-12 22:12:36
空の青と家の壁の白のコントラストが良いですね。

海外っぽいなぁと感じますね。

日本の晴れの天気ともまた違う。

カラッとしているとでもいいましょうか。



日本人は向こうだとわからないだろうなぁ。

こちらがあちらの方の区別が付かないのと同じですね。
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コメントどうもです! (yogichogi)
2004-11-13 00:08:12
>>Xさん

そうですか、敷居高いですかね。

まあ、確かに言葉が話せたら、もっと楽しいだろうなーと思いますね。

完璧に話せるまでは無理だとは思うのですが、挨拶程度でも現地の言葉で話すとそれだけで親近感を持ってくれて、親しくなれる気がしますよ。

少しずつ海外慣れしていくのも必要かもしれませんね。お隣の韓国あたりから始めてみては?

韓国語は私でよければお教えしますよ~♪



>>rockanddanceさん

抜けるような青空という表現がピッタリでしたよ。

空気が違うから、空の青さも違うのかな、と思ったりして。

建物も日本と違って石造りが多いですから、それで余計に色の対比がくっきりしてるのかもしれませんね。



東洋人を見たら、全部中国人に見えるみたいですよ、あちらでは。
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ため息出ちゃう (jump)
2004-11-13 11:44:22
くらい素敵な写真とyogichogiさんらしい珍道中記(オイ 笑)に引き込まれちゃいます。



海外旅行は珍道中であればあるほど

その思い出は素敵なものになりますよねぇ



僕も旅行記書いてみたくなるなぁ…

でもその前に旅行に行かなきゃだわ!(爆)

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珍道中~ (yogichogi)
2004-11-14 21:51:00
>>jumpさん

そうなんですよ、なぜか珍道中。(笑)

類は友を呼ぶというのでしょうか…。

バルセロナ編では、この旅最大の事件が起きました。後ほどアップしますのでまた大いに笑ってくださいませ。

jumpさんとこはチーちゃんとニパちゃんの大活躍で更なる珍道中になりそうな予感がしております。

ぜひぜひ旅行記書いてくださいね!
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