台高山脈を歩く

高見山から大台ケ原までの尾根道トレイルを歩いた記録です。

樹氷と暴風雪の高見山を歩く その1 2017年1月17日

2017-01-20 10:42:46 | 樹氷の森と雪原を歩く
樹氷で有名な高見山へ行った。
折から寒気が日本へ流れ込み 日本海側や 東北北海道は 
大雪であった。

私のよく行く真冬の大山は日本海に面していて 一旦天気が荒れると 死と直結する
恐ろしい山なのが 頭に叩き込まれているが 奈良県、三重県県境の たかが1200mの山と
舐めてかかったのがとんでもない暴風雪で 逃げるように山頂を後にした。

やはり 高見山、三峰山は寒気の通り道で凄い風が吹くのを思い出した。
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樹氷と暴風雪の高見山 その1
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登山口到着は午前8時半、気温マイナス2度。道路はバリバリに凍っている。
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駐車場は無いので 「交通の邪魔にならないように止めてください」と看板にあったので
道路の広い場所に止めた。

山支度をしているとたまたま犬の散歩で通りかかったオバアと話をすると「昨日まで
雪は無かったけど、今朝起きたらこんな雪でびっくりだ。でもこれがいつもの冬だなあ」
と笑いながら歩いていきました。
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こちらが 登山口です。
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民家の横を通ります。たまたま出てきたオバちゃんに「おはようございます」と言うと
「雪が多そうやから気いつけてなあ」「はい、ありがとうございます。」
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道路わきに留めた車は 私の車と その横に京都ナンバーのクルマと2台で、ご夫婦で
先にスタートされたので 先行者は二人のはずだけど イヤに足跡が多いなあ。
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民家の屋根を見下ろしながら進みます。
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村はずれに祠がありました。その横にたくさん鎌や鍬がぶら下がっています。しかも新品だ。
どうも奉納されたようです。沢山の足跡はここまでで早朝のお参りの人の足跡でした。
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この道は「伊勢南道」というそうです。お伊勢参りの道で 紀州徳川家の参勤交代もこの道を利用したそうです。
伊勢本道は奈良県御杖村を通る道です。
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ときおり雪がぱらつきます。ここらあたりは風は無いけど山の尾根を強風が抜けているようで
ゴーゴー風がうなる音が時々聞こえます。
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石畳の道が現れました。お伊勢参りで沢山の人が歩いたのでしょう。
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先行者の夫婦連れの二人はとうに 追い越しさせてもらったけど 先行者はもう一人いるようです。
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右手に茶畑のように見える広場があります。
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望遠で覗くとなんとソーラーパネルでした。
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崩落した場所がありましたが 地元の方がちゃんと迂回路をつけてくださっていて助かりました。
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小峠に着きました。ここで先行者の方が アイゼンを装着しています。
私はまだアイゼンを付けるつもりは無いので お先に行かせて貰いました。
でも是が間違いだったことはすぐに分かりました。
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この鳥居を潜って進みます。
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鳥居を潜った途端に凄い急坂の始まりです。
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階段が終わると尾根道の急登が始まりました。
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喘ぎながら登り 振り返ると凄い急な坂道なのが分かります。
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横を見るとこのような 急坂です。
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足を踏み出すたびにずるずると雪で滑って下がります。たまらずアイゼンを履きました。
あの先行者がアイゼン装着していたのは この急登に備えてだったのです。
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気がつくといつの間にか 樹氷が周りに出来ていました。
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谷の向こうは 雲か雪で 全く見えません。
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チェーンは普通危険な場所に滑落防止に取り付けてありますが、このチェーンは 是を掴んで
体を引き上げるためにあるようです。右側に滑落の恐れは全くありませんから。
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高見山 その2へ続く
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樹氷と暴風雪の高見山を歩く その2 2017年1月17日

2017-01-20 10:42:31 | 台高山脈の縦走
樹氷と暴風雪の高見山 その2
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ここで道が合流します。「たかすみ温泉」からの道です。去年歩きました。
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なんか大きな岩があるそうですが、説明部分は雪に埋もれて見えません。
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道が合流した途端 足跡が増えました。たかすみ温泉からの道のほうが勾配がゆるかったような
気がしますが 去年の記録を調べると 標高差も歩行距離もほぼ同じでした。
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上からなんかしきりに降ってきます。雪なのか樹氷のかけらなのか。
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樹氷が重く垂れ下がる森の中を歩いていきます。このあたりは風があまりありませんでしたが、
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尾根道に出た途端 ものすごい強風が 左ー北のほうから吹きつけてきます。
尾根の道は 雪が風で吹き飛ばされてほとんど積もっていません。
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横殴りの強風が 樹氷のかけらと雪を全身にたたきつけてきます。痛いので顔を背けて歩きます。
たかが1200mの山と 舐めて掛かりゴーグルもフェイスガードも持ってきていません。

しまったなあ、どんな山も甘く見てはいけないなあと 何回もあちこちの山で実感しているはずなのに。
幸いネックウォーマーが厚手で幅広なので鼻まですっぽりと覆い歩きます。
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ときおり日が差し込みますが 風は依然として強く吹き付けます。
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尾根道が突然急登になります。
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どうも 強風で樹氷が吹き飛ばされて体にたたきつけられるようです。
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吹雪きも止む気配がありません。いぜんとして強く吹き付けてきます。
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尾根の急登が続きます。
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全身にバラバラと氷の粒が叩き付けるので 樹氷を見る余裕もありません。
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次第に尾根道の傾斜が緩くなりました。
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このあたりから 樹木もまばらになり、風が一段ときつくなりました。
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山頂避難小屋です。ここはひとまず 素通りしてお参りすべく山頂神社へ。
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氷だらけの神社が見えました。風が強く唸るので 見上げると避雷針に着氷していました。
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風と雪は左の方向から たたきつけてきます。北の方角日本海からです。
このあたりや もう少し先の三峰山は 寒気の通り道で 樹氷の名所でもあります。
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神社の裏側ー東側へ回ると雪の吹き溜まりになっていました。そこから少し東へ下ると
九十九折の登山道で 樹氷の名所です。そこへ行くつもりでしたが。
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雲と吹雪で何も見えません。
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樹氷はやはり青空をバックにしないと、美しく撮れないなあ。
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寒風の中で しばらく晴れるのを待っていました。時折 日が射すものの、とても青空は望めません。
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青空は諦めて避難小屋へ戻ります。
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避難小屋は沢山の人が居ました。私はとりあえずリュックを下ろしておにぎりを取り出して
下山する事にしました。おにぎりは歩きながら食べるつもりです。
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高見山その3へ続く
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樹氷と暴風雪の高見山を歩く その3 2017年1月17日

2017-01-20 00:06:34 | 台高山脈の縦走
樹氷と暴風雪の高見山 その3
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何人かの人が 下山して行きます。さあ私も下山しよう。
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突然日が射してきました。
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避難小屋も明るく照らされています。もう少し青空を待とうかどうか悩んでいると
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すぐにまたもとの吹雪になりました。やはり下山する事にしました。
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樹氷のトンネルを下っていきます。
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下山途中に ビューポイントに立ち寄りました。
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先客が居ましたが「だめだ、こりゃ。全然見えへん」とぞろぞろ立ち去っていきました。
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私はしばらく様子を見ていると 突然雲が切れて村の民家がうっすらと見えました。
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山頂方向の尾根も 一瞬見えました。しかし再び雲と雪で閉ざされてしまいました。
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再び下山を始めて30分以上歩いた頃 突然日が射してきました。
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なんと青空まで見えています。
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ふかふかの新雪の下山は滑るように降りれるのでとても楽しい。
途中何人か抜かせてもらいました。アリガトウございます。
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すぐに小峠分岐まで戻ってきました。ここは左へ分岐します。
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こちらの道はやはり足跡が少なく、新雪部分が多く残されていました。
ジグザグに登って来た場所は 直線に滑るように降りると早い早い。
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あっという間に小峠に戻ってきました。
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あの崩落箇所を恐る恐る覗きながら通ります。
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見晴らしのよい場所で振り返ると 雲が取れて樹氷の尾根が見えます。
台高縦走路の尾根道でしょうか。
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石畳の道まで戻り ようやくアイゼンを外しました。石の上ではアイゼンが滑って危険ですし、
第一鉄の刃が傷みますから。
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ようやく民家の屋根が見えてきました。
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村はずれの祠に戻ってきました。暴風雪の中無事に下山で来た事を感謝しました。
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登山口まで戻れました。やれやれです。
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登山口横の民家のオバちゃんが「雪が深いから気いつけてな」と声をかけてくださいましたが
その家には 山茶花の赤い花が雪を被っていました。
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路駐のクルマは数台増えていましたが、路面の雪はすっかり消えていました。
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実際に歩いた記録です。山頂から南へジグザグに降りる道が樹氷のポイントです。晴れればですが。
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高度と距離の記録です。スタートは9時10分、帰着は13時30分、歩行時間は4時間20分。
登り2時間50分、下り1時間30分でした。歩きながらおにぎりを食べたので お昼休みは無しです。
ちなみに たかすみ温泉殻の道と 高度差距離共にほぼ同じでした。
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「台高縦走路を歩く」トップページはこちらです。
http://yochanh.sakura.ne.jp/sonotanoyama/index.html
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