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~2010

ありがとうございました。

「悪人」

2010-09-21 16:01:52 | 映画 & 本

先日、映画「悪人」を観てきた。
旬の映画なので、いつもより混んでいた。

※以下、ネタバレ




内容は、なるほど悪人ばかり出て来る映画だった。
何も法に触れるだけが悪人なわけじゃないんだよなぁ。
何が善で何が悪かを判断出来るのは、
法律などではなく人の心の中にある良心であろう。
その良心が、欲の深さに負けてしまってる人間のなんと多いことか。

映像は地味だけど美しい。
素朴な景色が、登場人物たちの感情、心の中身を映し出しているような。

妻夫木くんの役作りがすごかったな。
一番印象に残ってる。彼の顔。
ああいうほんとの田舎の生活ってのが、経験したことない私には深く理解出来ないんだけど、
でもなんとなく、ああいう若者が娯楽や刺激の無い田舎の町で、
年寄りの面倒を見ながら暮らしていて、
たぶん都会への憧れみたいなものがぼんやり頭の中にあったりもして、
でも現状から抜け出すことも出来なくて、
なんかそういうモヤモヤしたもんを漠然と感じさせられるような。
彼が髪の毛を金髪に染めているんだけど、根元が伸びて黒くなっててね、
それがまた物哀しいというか、そういった彼の境遇とか心の中を表現してるような気がして・・・。
妻夫木くんのダサい服装にしても。

そういった格好もそうだけど、彼の表情も役に入りきっててすごかった。
これまであまり好きな俳優では無かったんだけど、すごいなと思った。
そのほかの登場人物たちの演技も良かった。
加害者家族、被害者家族、それぞれの境遇、思いが伝わって来て胸が苦しくなった。
でも家族はみんな被害者だよね。
やっぱり人を殺してはいけない。


最後の方は、もういいから早く自首しろ~!と思いながら観ていた。
苦しくなるだけだからさ。
それがどんなにイバラの道であっても、やっぱり“正しい道”を行かないとダメだよね。
それが唯一救われる道だもん。
少なくとも彼は生きてるわけだから。


観終わったあと、すごい気が重くなった。
観てる私も疑似体験してるくらいのストレスがあった。
それだけの力がこの作品にはあったんだろうと思う。
観て楽しい映画ではないけど、こういう映画もたまにはいい。

でも、興行成績は知らないけど、内容では「告白」を超えてはいないでしょう。
マスコミはすぐそうやって大げさに煽るけど、これは観る人を選ぶ映画だろうと思う。
合わない人が観れば、ただ嫌悪感しか感じない映画になる可能性も。
イライラする場面いっぱいあるしね。

でもそれも監督の狙いなのだろうと思うし、
このイライラは映画に対するものというより、
今の世の中に対するものなのかもしれない。
だってさ、実際の世の中だって悪人ばかりだものねぇ。







地下鉄に乗って

2010-09-14 18:05:25 | 映画 & 本

タイトルと装丁に惹かれて、図書館で借りてきた。
浅田次郎の「地下鉄(メトロ)に乗って」。

久々にずっしりとした、いい本を読んだ。
世代を超えた、地下鉄にまつわるあんな話、こんな話。
すごく心に沁みた。

ちょっと前に観た映画、「FLOWERS」を思い出した。
戦中戦後の混沌とした社会、その中で人々が必死に生きていたこと、
親から子への思い、子から親への思い、
家族のあり方、子へ受け継がれていくこと、、、

私、こういう話に弱いんだなぁ・・・と思った。

最後は、そんなのってアリ!? と受け容れがたい出来事もあったけど、
この本を読めて良かったです。

前に一度だけ浅田次郎の小説を読んだことがあったけど、
そのときも読み終わったあとに優しい気持ちになったことを思い出した。
たくさん泣いて、最後はじんわり心に沁み入る。
浅田次郎の他の本も読んでみたくなった。







「フィッシュストーリー」

2010-09-03 16:36:10 | 映画 & 本

伊坂幸太郎原作の映画「フィッシュストーリー」
主題歌「フィッシュストーリー」をせっちゃんが作詞作曲している。
バンドのプロデュースとエンディングも担当。

せっちゃん×伊坂さんなら、きっと面白い映画だろうと期待に胸膨らませて観た。
原作未読。
ネタバレします。




いろいろ伏線がはってあって、いくつかの話が同時進行する。
といっても、時代はそれぞれ異なるんだけど。

それらが最後の最後で一気に繋がるんだけど、
そこに行き着くまでが長くてちょっとイライラしたかな~。
いい場面でパッと時代が変わっちゃうから、続きが気になって仕方ないのに、
無理やり違う話を見せられて、ストレスが溜まる。
最後でそれらがすべて繋がって、スカッとはするんだけど、
とにかく待たされてた時間が長くてそっちの不満の方が勝ってしまう。

あと、せっちゃんには悪いんだけど、ああいうハードロックがちょっと苦手なもんで、
ずっと映画中あの曲が流れてること自体が私にはキツかった。

それぞれの話が尻切れトンボのまま、次へ次へと進んでいくので、
欲求不満が溜まりに溜まって、そこにあの耳障りな(ごめん)エレキの音でイライラして、
あと、冒頭で出てくるおじさんと、バンドのシーンで出てくる女の子のセリフがすごい苛立たしくて、
ムカついてムカついて仕方なかった!(たぶんそれが狙いなんだろうけど)

ということで、ちょっとイマイチな映画だった~。
映画のテーマや、話自体は面白いんだけどね。
最初で一気に引き込まれる感じは、やっぱさすがの伊坂さん。
監督さんもいい仕事してると感じます。
ただ、私には合わなかった。
まぁ、それでも「ラフ」よりはずっと有意義な時間を過ごせたけど。

あ、あと、バンドのボーカルが、せっちゃんの歌い方にそっくりだった。
歌うまかったな~。




以上。






「ラフ」

2010-09-03 16:15:34 | 映画 & 本

昨日、映画を3本借りてきた。
「ラフ」、「フィッシュストーリー」、「重力ピエロ」の3本である。

「フィッシュストーリー」と「重力ピエロ」は伊坂幸太郎原作の作品。
前からずっと観たいと思っていた映画だ。
「ラフ」は、先日ドラえもんの映画を借りたとき、新作紹介コーナーで見て、
そういえばスキマの曲が使われてて、当時ファンの間では話題になってたな~と思って、
なんとなく借りてみた。

では感想を。



まずは、「ラフ」


特に期待もしていなかったけど、それ以下。
つまんない映画だったな~。

たぶん原作はとてもおもしろいんだと思う。
それを2時間の映画にまとめるには無理があったんだろうとは思う。

でも、プロならもう少し何とかなったんじゃないだろうか?
あまりにヒド過ぎてお話にならない!
で、結局何を言いたかったの?って感じ。

脇役たちもきっと原作ではそれぞれ味のある人物なんだろうとは思うけど、
映画ではまったくそのへんの描写がお粗末で、ラフ初心者の私にはただの通行人程度にしか認識できない。

映画中、やたら意味深なセリフ回しが多いけど、
それは深い人物描写があって観てる方が登場人物に共感出来てはじめて生きてくるわけで、
あの内容でそれをやられても、ただ退屈なだけ。

最後までよくがんばって観たと思う。
よく途中で挫折しなかったよ。
正直、スキマの音楽をあんな映画で使われて不愉快だ!
役者のファン以外の人で、純粋に映画そのものに満足できた人がどれくらいいるだろう?
まったく時間の無駄だった。
長澤まさみちゃんの素晴らしいプロポーションだけは一見の価値ありってとこかな?


せっかくいい役者を使っても、監督や脚本がなってなければいい映画は作れない。
ワタシ的には配役もイマイチだったけどね。
コーチだけはいい味出してたなぁ(笑)


以上!








映画三昧

2010-08-31 17:33:41 | 映画 & 本

この夏休みは、子どもたちとたくさん映画を観た。

映画館へ観に行った作品は、以下の3つ。

・ポケモン「幻影の覇者ゾロアーク」
・トイ・ストーリー3
・ベスト・キッド


レンタルDVDで観た作品が以下。

・ドラえもん映画3本
・バック・トゥ・ザ・フューチャー
・グーニーズ
・E.T



ポケモンとトイ・ストーリーは、子どもたちの希望。
ベスト・キッドは、私が子どもに見せたくて無理やり連れて行った(笑)

DVDで借りた、バック~や、グーニーズ、E.Tもそうだけど、
私が子どもの頃に観て感動したり影響を受けた映画を、子どもたちにも見せたかったのだ。
まぁ小学一年の娘にはちょっと早かったかもしれないけど、
4年の息子には、どうしてもこの時期にこういう作品と出会って欲しかった。
私のエゴだけどね。

特にジャッキー・チェンは小さい頃から私のヒーローであり、
彼の映画から受けた影響は計り知れないものがある。
男の子ならなおさらだと思う。

単純にカンフーの技を見てすごい!というものあるし、
「正義は勝つ」とか「努力は報われる」というのを、
映画を通して心の軸に刻んで欲しいのである。
今の時代はどうも、ズルしたもん勝ちみたいな曲がった考えが蔓延ってるような気がして。
だから、ジャッキーの映画のように、アクションで観るものを惹き付けつつ、
信念を持つこと、信じる心を育ててくれるような、
子どもの心を正しい道に導いてくれるような、
こういう映画を観せたいとつくづく思うのです。


「ベスト・キッド」は、1984年に製作された映画のリメイクである。
ラルフ・マッチオが出ていた。細かいことは忘れてしまったけど、
すごい興奮して夢中になったのをよく憶えている。

ジャッキーと、あのウィル・スミスの息子が出るというので、
公開を楽しみにしていた。
子どもたちは、暴力シーンにちょっとビビっていたけど、
いい感じに笑いもあり、とにかく子役のジェイデンくんが可愛くて可愛くて、
最後までスクリーンに食い入るようにして見入っていた。
息子は家に帰って来てからも、カンフーのポーズの真似をしてみたりして、
けっこう影響を受けたようだったので、「あなたもカンフーやってみたい?」と聞くと、
「いや、いい。」との返事。
やっぱり、戦いのシーンが相当怖かったようだ^^;
別にそんなに残酷だったりトラウマになるようなシーンは無かったけど、
息子は実写でこういう映画は初めてだったのでね。



でもこの夏、私が観た中では(他にアリエッティ、インセプション、アデルなど観た)、
トイ・ストーリーが一番良かった!
あと、ポケモンもけっこう良かった(笑)