ぽっぽぶろぐ

まだまだ謎の田園主婦・ぽっぽ(水須ゆき子)です。
題詠blog2008参加中。

【023:結】西宮えりさん

2006年04月06日 | 宝石箱
鈍行の連結 蛇腹がひらいたりとじたりするたびこの世に酔った/西宮えり


電車の連結部分の歌もいくつかありました。
これはその中の一首。

二句の半ばにある空白。
ブツリと切れて電車が大きく揺れたみたい。

前半に固まっている漢字表記を、
ひらがなの羅列がたどたどしく正しく繋いで、
読み手を結句まで連れて行きます。

「この世に酔った」という結論(?)は、
特に「この世」は大げさな表現ですけど私は納得しました。

電車に酔っているだけではない。
たぶん混んだ電車に無理矢理乗って、
こんな風に日々を生きなければならない、
現在の状況に揺さぶられて作者は酔っている。

電車から降りれば、
乗り物酔いは治まりますけれど、
この世からはなかなか降りられない。
作者の酔いはまだまだ続くのです。


2 コメント

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ありがとうございます。 (西宮えり)
2006-04-08 16:26:40
水須さんこんにちは。にしのみやです。

またうたをとりあげていただけてうれしいです。

そして水須さんにこんなにもしっかりと読んでいただけて。

「この世」というのは確かに悩ましいところでしたが、よかったかなって思っています。



私事ですが、ポリープの種ができていて声を出してはいけないとさっき医者に言われ、せっかく新入生にがらがらの声で挨拶したばかりなのに(教師なので)……とへこんでいるところでした。がんばろうっと!(^-^)
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こんばんはー。 (水須@ぽっぽ)
2006-04-08 20:19:21
喉、心配ですね。

どうかお大事になさって下さい。



西宮さんのブログを拝見して、

「酔う」にはプラスの意味もあるんだなと気づきました。

悪い酔いばかりじゃないですものねー。



新学期が始まったばかりで、

すごくお忙しいと思いますがまた良いお歌を読ませて下さい。

これからもどうかよろしくお願い致します。
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