テレビとうさん

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「嘘」 と 「思い込み」 ②

2020年07月14日 | 倫理・道徳
  蝦夷地(北海道)では、15世紀以前から和人とアイヌとの交易が行われていた記録がありますが、17世紀ころから和人・アイヌ共にある程度統合され、江戸時代になると蝦夷地の和人側の交易は松前藩に独占されるようになりました。つまり、アイヌではなく和人の自由取引を規制したと言えます。

 松前藩がアイヌを統制しなかったためにアイヌ同士の争いが絶えず、その中で頭角を現してきたのが
「シャクシャイン」です。その頃に、アイヌの首長の一人が感染症で死亡し、これが「松前藩による毒殺」と流布され、1669年6月に勘違いした「シャクシャイン」が他のアイヌ部族に呼びかけ、記録に残っているだけで婦女子を含む356人の和人を殺害しました。一方、アイヌの被害は30名ほどだったようです。

 これが「シャクシャインの戦い」の原因ですが、「本戦」では「松前藩側に付いたアイヌ」の方が「シャクシャイン側」よりも多く、同年11月には和睦に応じましたが、その後謀殺されたそうです。今では「シャクシャイン」は英雄として銅像にもなっていて、観光などでこの銅像を見た人は「侵略者である和人と、勇敢に戦ったアイヌ民族の英雄がシャクシャイン」であると「思い込み」、評論家や学者までが信じ込んでいるようです。

 
「嘘と思い込み①」でも書きましたが、「純粋経験」によって得た「意識」は何気ない時に、それが恰も真実であったかのように語られます。良く考えれば矛盾が有る事は判るのですが、何気なく一度口外すると引っ込みがつかなくなり、特に知的水準が高い人ほど無意識に自己肯定をして、相手をネジ伏せる傾向があります。

 「嘘」でも「思い込み」でも、無意識に目の前の現象を見ていると大人でも「純粋経験」に陥ります。これを利用したのが「サブリミナル効果」で、意識と潜在意識の間の視覚・聴覚・触覚に刺激を与えると得られるとされる洗脳効果です。

 「純粋経験」では、子供(幼児)が無意識に大人の様子を繰り返し見て「道徳」になり、これは「正当」である保証は無いのですが、大人に成っても正しいと「思い込み」ます。ところが「サブリミナル効果」は、他人の誰かの「道徳」を押し付ける事になり、「倫理」として信じ込まされます。「道徳」の押し付けは、例えその道徳観に正当性が有っても、意識的に他人に影響を及ぼす場合は「嘘」と言えます。それは
「道徳」ではなく「倫理」だからです。「自粛警察」も「道徳」と「倫理」をはき違えた事で発生した現象です。

 7月12日に
「ウポポイ民族共生象徴空間」が開業しました。其処には「アイヌは先住民族である」と云う *表現* 展示は無かったようですが、「先住民族」であると云う証拠は一切ないので当然とも言えます。しかし、2008年に国会では「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で採択されました。これは、歴史(科学)の正しさと、民主主義の正しさの何方を選択するかの問題ですが、取り敢えず「民主主義よりも科学の方が正しい」とされたようです。

 アイヌ語の「ウポポイ」はシャモ語では「(大勢で)歌うこと」を意味しているそうですが、どのアイヌ部族の言葉かは判りません。少なくとも言葉の違う「アイヌの集団」は5部族ほどいて共通語は無かったとされています。また「アイヌ」が、蝦夷地に定住していたどの民族を云うのかも判りません。蝦夷地でアイヌの歴史が確認できる13世紀には、和人系の部族、所謂「アイヌ系の部族」、他にミシハセと推察される「樺太、千島列島出身の民族」も確認されています。何よりも「縄文人」は何処に行ったのでしょうか?

 「民族共生」ならば、民族は複数いる事になりますが、「ウポポイ」には「縄文人」と「アイヌ」しか共生していないようです。「日本民族」は何処に行ったのでしょう?

 「科学」で証明された少数意見の正しさが、「嘘」と「思い込み」による民主主義で掻き消されそうです。

*展示は無かったようですが、映像では「アイヌは先住民」の表現が有ったようです。


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