テレビとうさん

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「貨幣」 と 「通貨」 ③

2021年02月10日 | 通貨(貨幣・紙幣・証券)
 原始時代から続く「石や貝殻」等を「貨幣」として流通の媒介にした経済は、今でも有効な手段と言えます。しかし、「貨幣」そのモノに実質的な価値が無い場合はその価値を保障する組織が必要になり「国家の形成」が促進されます。

 「農本主義」の場合は米などの生産物が「通貨」となり、食べられる「期間限定」の価値しか無いので貯め込むことが出来ず、貧富の差が生じにくいと思われます。しかし、日本の場合は「斎庭の神勅」があるので問題は無いのですが、西洋の場合は「労働は神から与えられた苦役」なので「農奴」を必要としました。

 日本では米の「石高」を担保に通貨(金貨や借用書)が発行されるので、為政者は配下の農家を大切にする必要が有りましたが、西洋では「労働者に対する支配力」が通貨の担保になり支配地域の拡大が「正義」になる事も有って、世界史では「チンギスハーン」や「ナポレオン」の覇権拡大を批判するどころか英雄扱いです。一方、日本が地域安定の為に「満州帝國の建国」や「日韓併合」をした歴史は「クソミソ」に言われます。と言うよりも、多くの日本人も「悪事」と思い込んでいるようです。

 それは兎も角、日本の「農本主義」が西洋の武力を伴う「資本覇権主義」に押されて「資本主義」を取り入れたのですが、未だに西洋との感覚の違いが有るようで、馴染んでいるようには思えません。

 日本の貨幣法では「硬貨の種類」が規定されていて、日銀法では「紙幣の種類」が規定されています。ところが、未だに「通貨」の意味を理解していないようです。「通貨」とは、この「硬貨」や「紙幣」を含むモノやサービスとの交換能力を意味するので、ポイントカードや借用書も含まれます。これが現在の「金融資本主義」における「通貨の定義」です。

 NHK等の報道機関は、今までは「政府の負債」を「国の借金」と言い募り
「デマ②」を流布していたのですが、最近では「国の負債と資産の差額」と変化してきました。それでも「デマ①」なのですが、NHKの影響力も小さくなってきたので良しとしましょう。

 国には「政府部門」と「民間部門」が有るのですが、NHKの言う「国の負債と資産」は正しくは「政府部門の負債と資産」の事なので、騙されてはいけません。

 「借用書」も「通貨」の一つと言いましたが、正確には「貨幣を除く通貨とは、借用書を意味する」、或いは「貨幣以外の通貨には、等価の負債が存在する」と言えます。日銀券は明らかに日銀の負債ですし、ポイントカードのポイントは発行会社の負債です。クレジットカードも必ず負債と資産が当該時点では等価になっています。

 経済成長を維持するためには、政府が負債を減らすと民間が負債を増やす必要があります。経済成長とは、資産の蓄積なので必ず負債も蓄積されます。政府負債にも限度額が有りますが、それは「国民の供給能力」です。つまり、「農本主義」での生産能力の「石高」が担保になると云う事です。現在は「武漢ウイルス」によって行動制限が掛かっているので「供給能力」の減少が有りますが、同時に「需要意欲」がそれ以上に減っているので、誰かが「負債を抱える(資本を投下)」必要があります。

 財務省と報道機関は「国の借金ガー」と言って財政支出を減額させようとしますが、それは「民間が負債を抱えて破産すべき」と言っているのと同じです。但し、国民が「経済成長はすべきではない」と思うのなら、誰も「借金」をする必要はありません。

 「貨幣」と「現金紙幣」以外の「通貨」は、単なる「印刷された数字」なので、時宜に合わせて数字を書いたり消したりしても問題は有りません。但し、負債を償却すると必ず「債権額と負債額」、或いは「資産と負債」は同時に同額消滅します。

 貧困で苦しんでいる人の「銀行通帳」に数字を印刷するだけで「人命」が救われます。その数字を銀行が勝手に書くと銀行の負債になりますが、政府がその数字と同額の国債を銀行に渡せば、誰も損をする事は有りません。誰かの資産は、必ず誰かの負債なので、平仄は合います。




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