テレビとうさん

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「主体」 と 「思想」

2020年01月12日 | 思想・思考
 「主体と客体」でも書きましたが、
「主体」は英語で"Subject"です。「サブジェクト」は文法では「主語」、表現物に対する「主題」の意味も有ります。つまり、「主体」とは言っても、これを名付ける「上層の主体者」がいることで「主体」の存在が可能になります。「仕事を主体的にしなさい。」と「命令する人」がいると云う事です。

 「主義と思想」でも書きましたが、
「思想」とは、自分自身の統一的な思考で、周囲に影響を及ぼす可能性を含んでいるモノを言います。
「主義」とは、国家や政府などの組織が「全体的な行動の指針」にする原則や思想です。

 つまり、「主体思想」とは、誰か(神や領導者)の命令し従い、自らの意志で他人に影響を及ぼす「思考」、と云う意味になります。勿論、聖戦を主張するテロリストの「思考」も含みます。

 「主体思想」は、特に新しい「思想」では無く「原始宗教」の類であり、類人猿(分岐分類学での、ホミノイド)のうち「ヒト」と「サル」を分類する事が出来る、基本的な違いの一つに過ぎません。これが無い(動物の)集団は、ある程度の大きさの群生に成長すると自然に群れが細分化し、拡散して別の進化経路をたどり、一体化を失います。

 自然界に「主体思想(原始宗教)」によって洗脳された「ヒト」が生まれると、群生が拡散しても同じ意志を持って勢力を拡大することが出来る為、自然界の覇権を握ることが可能になります。時代が変わっても、中世には「レコンキスタ」、近代では「マニフェスト・デスティニー」、現代では「グローバル主義」等、名称を変えて「主体思想」が横行してきました。

 この「主体思想」は、上記のように「誰か、或いは何か、の命令に従っているだけ」なのですが、恰も「自分が主体的に動いている」かのように感じる為、所謂「知識人」が陥り易い「罠」に利用されます。その典型的なのが「チュチェ(主体)思想」で、日本を「大和民族、琉球民族、アイヌ民族」に分断して「真の主体国家」を成立させようと真面目に考えている輩がいます。

 正しく、「主体とは、他の上位主体者の意志に従い、主体的に活動する実体。」であることを理解すれば、このような「幼稚な思想」に騙される人は居なくなると思います。それでも、情報弱者が多いので、「オレオレ詐欺」と同様に「チュチェ詐欺」に騙される人が完全に居無くなる事は無いと思います。



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