テレビとうさん

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「シシャモ」 と 「やなぎ」

2020年01月11日 | アイヌ
 「シシャモ」には「本シシャモ(柳葉魚)」と「樺太シシャモ(カペリン)」があり、「カペリン」は形は「柳葉魚」に似ていますが、味は「キュウリウオ(胡瓜魚)」に似ています。

 「アイヌの伝説」(Wikipedia)では、

(アイヌの)神様が食べ物に困っていた人間(アイヌ)達に食糧を与えようとして、楊の葉を川(鵡川)に流したところ、「ススハム:(スス=楊)(ハム=葉)」になったという。

と書かれていますが、「楊の葉」が「楊葉」に成っただけで、これでは魚になったかどうかが判りませんが、兎に角、この「ススハム」が「シシャモ」の語源であるとされています。勿論、「アイヌ」と言っても、大きく分けても8部族ほどあったので、様々な他の伝説もあります。

「シサク(美しい)」「シサム(隣人:シャモ、和人)」・・・

 また、アイヌ言語学者の知里真志保は、「柳」とは関係なく、「巫・神・川」を意味するトゥスランペツがシュシュランペツに訛り、スシュラム が スス・ハム(楊・葉)となって「柳葉伝説」が生まれたと推測しています。

 「やなぎ」には「柳」と「楊」があり、「枝垂れヤナギ」を「柳」と書き、「枝垂れないヤナギ」を「楊」と書くそうです。私は「楊」と書く「やなぎ」は知りませんでしたが、「ネコヤナギ」などの様に枝が立ち上がる種類で、葉は小さく「シシャモ」に例えにくい形をしているので、「柳」が正しいと思います。

 「柳」は中国原産で、日本には「奈良時代」に入ってきた外来種だそうです。これが正しいとすると、西暦700年以前には日本に「柳」が無かった事になり、「アイヌ」が現れる西暦1200年までの500年間に北海道まで「柳」の植生域が広がったことになります。しかし、「柳」は植栽で広がる場合が殆どなので、500年の間に和人が北海道(蝦夷)の東部まで苗木を持って行ったと考えられます。この時の和人が「コロポックル」だったかも知れません。

 若し、そうでないとしたら、「柳の中国原産説」は誤りと言え、その場合は、「柳」は蝦夷地原産で、「シシャモ伝説」は和人とは関係なく考え付いたと言えます。但し、この場合でも「スス(柳)の下でシャモ(和人)が魚を獲っていた」のを見て「スス・シャモ」と言い、これが「シシャモ」に変化したとも考えられます。



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