「法律」 と 「宗教法」

　日本の法律で「人を殺してはいけない」と云う文言を見た事が無いのですが、殺人罪の最高刑は死刑です。これは良く出来た法律で、人を殺してはいけないのなら「死刑」も違法行為になります。

　法律を詳しく読んだ事は無いのですが、違法行為に対する刑罰の与え方や執行手順が詳細に書かれていると思われます。

　「～～してはいけない」は、他人の目が気になる場合は「倫理感」で、自分の気持ちが許さない時は「道徳感」で説明できますが、法律で規定すると様々な例を全て文書化しなければならず、その例から漏れた「例外」は許されてしまいます。

　イスラム法（シャーリア）は、私は全く知らないのですが、特定の人（法学者）の解釈によって、或いは個人の宗教・宗派によって法の適用が違い、それらが事細かく分類されていて「例外」は無いようです。

　ウィキによると、

１．やらなくてはいけないもの（義務）、ワージブ (wasib/fard)
２．やった方がいいもの（推奨）、マンドゥーブ (mandub/mustahabb)
３．やってもやらなくてもかまわないもの（許可）、ハラール (halal)
４．やらない方がいいもの（忌避）、マクルーフ (makruh)
５．やってはならないもの（禁止）、ハラーム (haram)

で、３の「ハラール（許可）」の説明が良く分からないのですが、おそらく「許可」は法学者の判断に任せて「神は関知しない」事を意味すると思われます。なので、ハラール認定されていない食品（イスラム法では食品ではない）を食べると、神からの罰は無くても人によって裁かれるようです。

　日本で、少なくともイスラム教徒ではない日本人女性に対して、おそらくイスラム教徒と思われる外国人女性が「神は一人しかいない」と言ったあと「神はあなたを殺す」と、大声で３回繰り返したそうです。

　「一人」とは、ヒトの人数が”１”である事を意味するので、例えばサルや神の数え方には不適切な計数単位です。ペットを「匹」ではなく「一人、二人」と数える人もいるようですが、それはペットを「擬人化」しているからです。

　イスラム教では「神の象徴化（偶像崇拝）や擬人化（具象化）は禁止されている（抽象化を含めて真偽は不明）」と聞いた事が有るので、若しかするとその外国人はイスラム教徒では無いのかも知れませんが、万が一その女性が「ムスリム」なら「ハラーム」の対象となり、「アッラーに殺される」のはその女性かも知れないので、「八百萬の神」の助けが必要になるかも知れませんww

　「法律」の定義を、

法　；すべき事やしてはいけない事を明文化したモノ。
律　；違法行為に対する対処法。
憲法；伝統を受け継ぐための、為政者に向けての規範。

とすると、日本本来の「憲法（十七条の憲法）」は為政者による道徳の表明なので罰則が無いのは当然ですが、占領統治法由来の「日本国憲法」にも罰則が書かれていないのは占領統治を受け入れた為政者を守るためと考えれば頷けます。また、「刑法」には犯罪の「成立要件」と「罰則」が書かれいるので、「刑法律」と書いた方が解りやすいと思います。

　「法律」は倫理の強制なので当然ですが、憲法に相当する「宗教法」でも罰則が伴うようです。これは、道徳である神道と違い、倫理で統治する一神教の特徴かもしれません。

　最近では、日本も「大切な人を守るために、マスク着用とワクチンの接種をしましょう」などと、倫理観に訴えて統治する手法が増えてきましたが、今のところは「ハラール」のようで、私は神に殺されないで済んでいますww