総合診療医からの健康アドバイス

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妊娠分娩も肺塞栓症のリスク

2024-05-27 11:10:39 | 医療情報

 皆様、こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。

 今日の沖縄は梅雨空。それでもここ南城市上空は晴れ間もあります。予想最高気温は28度です。天気予報を見ると、台風1号は沖縄本島直撃はなさそうです。かなり南の海上を東北方向に進んでいきそうです。しかし、台風の影響なのか南寄りの風が吹いていて、とても湿度が高いモアっとした風です。それと、先週の大雨のおかげで県内のダムの貯水率が平常に戻りました。これで、洗濯も洗車も心置きなくできますね。では、本題へ。

 

 日本医療安全調査機構の調査対象の死亡事例での、急性肺血栓塞栓症の危険因子を頻度の多いものから順にみてみる。

 

 それらは、二日間以上の長期臥床、BMI25以上の肥満、手術、精神病薬などの薬物服用、であった。

 

 妊娠と分娩の領域におけるリスクレベルを見ると、正常分娩と比べると、帝王切開術はリスクが高い。

 

 高齢肥満妊婦の帝王切開術ではさらにリスクが高くなる。

 

 静脈血栓塞栓症の既往がある人では、さらにリスクが高くなる。

 

 故日野原重明先生は生前、安静には弊害があるとおっしゃっていた。

 

 長期臥床により筋肉量や骨の量が急激に減っていくことを強調されていた。

 

 これに加えて安静は静脈血栓塞栓症のリスクでもある。

 

 妊娠や分娩を経験している妊婦さんに対しては、ベッド上の安静ではなく、むしろ早期退院を促してあげることが大切なのだ。

 

 今回の英国王室の家族での出産後の早期退院のシーンが日本でも放映されることによって、このことが当たり前であることが広く認識されることを望む。

 

 日本医療安全調査機構は、医療事故の再発防止に向けた提言のなかに、急性肺血栓塞栓症の予防として、患者参加による予防を含めている。

 

 具体的には、早期離床や積極的な軽い運動などがあり、これらは安全な予防法だ。

 

 イギリスでの出産後早期退院は急性肺血栓塞栓症の予防も考慮したものと考えるべきだろう。

 

 

 

 沖縄本島中部、うるま市周辺の風景です。

 

これを実践するだけで、楽しく食事をして、健康的に若々しく、やせることができます。高血圧や糖尿病も予防するので、コロナウイルスにもかかりにくくなると思います。「病気にならない食事の極意」よろしくお願いします。

 

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