おばばの独り言 from Another World

なんかのご縁で中国の福建省へ。
そして今度はデカン高原の小都市へ。
そして日本に帰って、今はきまぐれな野菜作り!

どこでも、親切な助っ人登場!  その2ー中国

2023-04-26 00:27:29 | 日本語教育
ある調査団に紛れ込ませてもらって、中国東北部、黒竜江省の州都ハルピンのホテルに滞在していた時のこと。

その間の事情は忘れてしまったが、調査や観光などの予定が全くなく、各自が一日自由にしていていい日ができた。
明治初期にロシヤ人が創ったというハルピンの町、文革でロシヤ風の建物もだいぶ壊されたとも聞いていたが、まだまだ町にはロシヤの香りが残っていた。ぶらぶら歩きをしながら、果物やおやつなど少し買っておこうかと、近くのスーパーへ行った。ショッピングカートを見つけて、それを押しながら、買い物を始めようと動き出したとたん、店員らしき若いお兄さんが恐い顔をして何やら言ってくる。

私の中国語は、「ニーハオ」「シェーシェー」「ツアイチェン」だけのレベル、何を言われているのかさっぱりわからない。無視して、売り場に行こうとすると、お兄さんはいきり立って、何かをわめきたててくる。こっちも何が何だかわからずうんざりしていた時、ちょっと離れたところに立っていたおばさんが、何やら黒っぽい布の袋を持って近づいてきた。そして、私が持っていた大きなバッグを取り上げて、もってきた黒袋に入れて、ファスナーを閉めてわたしのバッグを閉じ込めてしまった。そうしておいて、私に行けと合図をしてくれた。怒り狂っていたお兄さんは、私が行くのを見ても何も言わなかった。

買いたいものを選んでレジへ持っていったが、支払いも何の問題もなく終わった。

カートを返そうとして何気なく見渡すと、さっきのおばさんがこちらを見ていた。私が買い物をする様子をさりげなく見守っていてくれたらしい。また問題が起きたら、跳んできて助けてくれたのだろう。
私はおばさんに目で挨拶をして軽く会釈した。おばさんも小さくうなづいてくれた。

落ち着いて考えてみると、
この店では、客は私物のカバンなどをそのまま持って買い物してはいけなかったのらしい。各自のカバンは、店が用意した大きな袋に入れてファスナーを締めておかなければ、売り場に持ち込んではいけない決まりになっていたのだ。多分、商品を万引きして自分のカバンに入れられるのを避けるためだろう。

あのお兄さんは、私がカバンをそのまま持って買い物しようとしたのを見て、止めようと話しかけたらしい。彼は、私が中国語がまったくわからないことに気が付いていなかったのではなかろうか。だから、何度も何度も、「自分のカバンをそのまま売り場に持ち込んではダメだ」などと教えているのにも関わらず、私が無視して行こうとするのに激怒して怒鳴りまくったのだろう。中国人と同じような姿かたちなのに、言葉が通じない人がいることなど考えもしなかったのではなかろうか。

お兄さんと私がもめているのを、向こうから眺めていたおばさんは、多分、私がお兄さんのいうことを無視する悪い客なのではなく、実は何を言われているのかことばが分かっていないことに気が付いたのだろう。それで、近づいてきて、黙ってカバン入れの袋を差し出してくれたのだろう。

もし、この人が助けてくれなかったら、私はどうなっていたのだろうか。
怒り心頭のお兄さんに警察に突き出され、警察署では通訳もつけてもらえないまま尋問され、領事館に連絡もしてもらえず。。。。。。日本に帰れなかったかもしれない。。。。。

さりげなく窮地を救ってくれたおばさん、ありがとうございました。
いまでもあのスーパーで働いていらっしゃいますか。




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