おばばの独り言 from Another World

なんかのご縁で中国の福建省へ。
そして今度はデカン高原の小都市へ。
そして日本に帰って、今はきまぐれな野菜作り!

女の人の “やわらかい” 日本語 が憧れ 

2014-11-26 18:52:41 | 日本語
出席番号7番で、「なな(七)」と呼ばれている女子学生がいる。最初名前を聞いたとき「なな」だというので、どういう意味なのかを聞いた。「出席番号が七番だからです。」との答え。日本人の私は自然に「ちゃん」を付けて、「ななちゃん」と呼び始めた。

ある時、ななちゃんより一年先輩の女子学生が私に聞いてきた。「彼女のことを、私たちは『ナッナッー』と強く呼びつけるのに、先生は『ななちゃぁん』と優しく呼ばれます。どうしてですか?」

そんなことは考えたこともなかった私は面食らった。自分が「ななちゃぁん」と優しい声で呼んでいる(?)ことにも気がついていなかった。この先輩は、私が優しい性格だから、話し方も優しいと思っているのではないかと思われた。そんなことはないのは、本人の私が一番よく知っている。

今年の7月、アモイ大学で、日本の早稲田大学の戸田貴子先生の「日本語の発音指導」の講義があり、聴講させていただいた。そこで、戸田先生が、「日本人女性のやわらかい話し方」と何回か言われた。その時には、どんな話しかたが「やわらかい」のか分からなかった。

この頃思うに、「中国人の学生は『ナッナッー』と強く呼びつけるのに、日本人の私は『ななちゃぁん』と優しく呼ぶ」というのは、話し手が中国人か日本人かという「人」の問題ではなく、中国語か日本語かという「言語」の問題ではないのだろうか。つまり、ふたつの言語の発声の仕方の違いから来るのではないだろうか。中国語は、喉のあたりを緊張させて、いわゆる声門閉鎖をして音を出すことが多いようだ。そういう音を聞くと、突然「パッ」と音が出て、強く言っているように聞こえる。それに対して、日本語は喉を楽にし大きく開いて、喉の奥から「はぁー」と発声するようだ。だから、やわらかく息を出しているように聞こえる。

決して、話し手が優しい人だから、優しく呼んでいるわけではないのではなかろうか。

成人になってから外国語を学習し、ネイティブと聞き間違うほどの発音をものにした人の話を聞くことがある。戸田先生のご講義の中でも、そういう人の日本語の録音を聞いた。そういう人は、外国語の表面上の発音を完璧にマスターしただけでなく、発声の仕方も完璧に自分のものにしたのだろうと思う。生まれつき耳がよく、加えて大変な努力をした人でなければ、達成できない”偉業“と言えよう。






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こちらを立てればあちらがたたず 中国人学生の悩み(2)  感情を入れる

2014-11-25 08:08:08 | D(?)級グルメ
スピーチや演説をする時の、「感情の入れ方」も日中で違う。中国では、大きな声で、大げさに話す方が、感情が入っていて良いとされているようだ。スピーチコンテストの採点も、「元気な話し方ほど高得点がつく傾向がある」というのが、中国で教える日本人教師の共通の認識だ。

スピーチの練習をする学生は、日中の話し方の違いにも戸惑う。中国人の先生のところにいくと、「もっと感情をいれて、おおげさなくらい元気に話しなさい」と注文をつけられる。

すると、学生は、悲しい場面では元気よく悲しみ、疲れ切った場面では元気よく疲れ切り、恋人の裏切りを嘆く場面では元気よく嘆き、死の床にいる場面では元気よく弱らなければならない。

日本人の先生は、「それは日本語での話し方ではありません。『日本語を使った中国語のスピーチ』です」などと、訳のわからないことを言う。「悲しいときには泣きそうになって元気が出ません、疲れていても元気よくしなさいなんて、地獄です、恋人に裏切られたと知っても元気よくいられますか、命の火が消えそうになっているとき元気にしゃべれますか」などと言う。

学生としては、これではどうしたらいいか困って、どちらの先生の顔も立てて、中国語風に話したり、日本語風に話したりするしかない。

教える側の私としても、「日本語スピーチコンテストなのだから、日本語風に話しなさい」と強気にもなれず、卑劣かつ卑屈なやり方とは思うが、どっちのやり方にするかは学生本人に選ばせている。

「中国式にやったほうが、コンテストでは高得点が取れるでしょう。ですが、日本語の自然な話し方とは違うので、日本人にはおおげさすぎて、いつも元気すぎて、変な話し方に聞こえるかもしれません。つまり、日本式に話すと、中国人審査員が多い可能性が高いので、点数が伸びない恐れがあって上位入賞は難しいかもしれません。でも、長い目でみれば、本当の意味での日本語の話し方の練習ができていいと思います。さて、あなたはどっちにしますか。」

以前、中国残留孤児の方々が肉親探しのために訪日されていた時、テレビカメラの前で、大きな強い声で、「私たちは、ただ、肉親に会いたいだけなのです。なぜ名乗り出てくれないのですか。」などと言われていた。その話し方を見ていて、「この方々は日本人だが、中国で育って、ずっと中国で暮らしてきて、考え方や話し方は中国人になっておられる」と感じた。

中国人の友達と一緒に横浜の中華街へ「中華料理」を食べに行ったことがある。食べた後の彼女のコメントは、「脂っこい中国の料理と違って、とてもさっぱりしています。これは中華料理ではなく、日本料理です。」

彼女の言い方を真似て、「中国の日本語はさっぱり話す日本語とは違って、大げさに、元気よく話します。これは日本語ではなく、日本風中国語です。」とさっぱり割り切れれば、教える側の悩みも軽くなるだろうな。






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こちらを立てればあちらが立たず 中国人学生の悩み(1) ta da た だ  

2014-11-24 08:08:08 | 日本語

毎年11月に、福建省の大学の日本語スピーチコンテストが開かれる。朗読部門とスピーチ部門に分かれていて、大学を代表して出場することになった学生は、日本人教員に発音指導を頼んでくる。もちろん、コンテスト担当の中国人の先生方の指導も受ける。中国語母語話者が日本語を学ぶ時、清音、濁音の聞き分けや発音の仕分けに苦労することが多い。「私は、もともとアルバイトはしたくなかったんだ。」という文が「わだじは、もどもどアルバイドはしだぐながっだんだ。」に近く発音されるケースが多い。

今年度の出場者、Aさんが私のところにやってきて、「たたかい(戦い)」を「ただがい」に近く発音したので「たたかい」に直させようとした。彼女は戸惑ったようすで、「さっき中国人の先生に、『ただがい』にするように言われたばかりです。中国では、清音の『た』は語頭では「た」、語中では『だ』と発音するように教えられます。」と言う。直されたばかりのところへ、私が逆にするように迫って、「たたかい」が正しいというものだから、わけが分からなくなるらしい。

試しに、私が「たたかい」と言ってみて、2音めと3音目の「たか」が、二人にどう聞こえるかを調べてみた。中国人のAさんには、「だが」に聞こえ、日本人の私には「たか」と聞こえることが分かった。つまり、同じ音が中国語話者と日本語話者には違う音に聞こえているというわけだ。

本来なら、発音指導する私が、中国語の”ta” “ da” と日本語の「た」「だ」の4つの音の違いを音声学理論に基づいてきちんと説明しなければならないのだと自覚はしている。だが、中国語では有気音、無気音として息の出し方の違いに注目するところを、日本語では清音、濁音として声帯を震わせないか震わせるかに注目している。だから、”ta”と”da”の比較、「た」と「だ」の比較はできるが、4つの音全部の出し方や出た音の比較は難しい。教える側が分かっていないのだから、教わる側も分からないのも無理はない。

昨年から、学生のボランティアに中国語を習っている。発音で一番苦手なのは無気音だ。どの学生先生も私の無気音には首をかしげ、何度もやり直しさせる。5回、10回と発音してもダメで、やけくそになって日本語の濁音でやると大抵OKになる。中国語母語話者の耳には、無気音と濁音は似て聞こえるのだろうか。

この頃、天敵の無気音は、「空気を出さない音」と考えるよりも、「声門閉鎖音」と考えた方が私にはわかりやすいと思うようになった。例えば、”da” を発音するには、まず促音の「っ」を出す構えをして喉で息を止めておく。次に、突然強く、スタカットで「タッ」と言う。つまり、「っタッ」という感じだ。すると、中国語の無気音”d”が出る(ような気がする)。そう考えると、日本語の「た」「だ」の子音部分は、声門閉鎖しないで発声するので、有気音ということになる。4つを声門閉鎖なしの有気音か、声門閉鎖ありの無気音かで分けると、”ta”、「た」「だ」の子音部分が有気音、”da”の子音部分が無気音だと考えられる。

いろいろ考えはするが、まだこの4つの音の関係がよくつかめない。当然、うまく説明できない。学生が、どうしていいか分からなくて、中国人の先生のところへ行ったら「ただがい」風にいい、日本人の先生のところでは「たたかい」というというような、自分が、はっきりと自分を持たない卑怯で卑屈な人間に思えてしまうような、情けない思いをしなくてすむようにしてやりたいのだが。






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なんでもかんでも:中国大学生インターネットショッピング事情

2014-11-23 07:50:01 | 大学
この大学の学生の間では、インターネットショッピングが大はやりだ。日本にいた時には店で買うことしか考えなかったものも、彼らにとってはネットショッピングの対象だ。これは勤務校だけの現象ではなく、中国全体の大学生共通の傾向らしい。

中国に来て3ヶ月ぐらいの頃、無性にコーヒーが飲みたくなった。この辺りには、コーヒーを飲ませる喫茶店はあるにはあるがとても少なく、街を歩いていても私の目には入らなかった。ある時、喫茶店でアルバイトしているという男子学生に、家でコーヒーを入れて飲みたいので「コーヒーサーバーと濾紙を手に入れたい」とねだった。「ネットで買えると思うので、調べて買ってきます」と請け負ってくれた。1週間ぐらいで、「赤いチェックのパールホース」の濾過紙と、なんと、日本ではお茶を入れるときに使う茶こしを買ってきてくれた。確かに、茶こしは緑茶を入れるときだけでなく、コーヒーを入れるにも使える! おかげで、「コーヒー飲みたい病」は完治した。ただ、濾紙と茶こしを買うのもごく当たり前のようにインターネットを使ったのには驚いた。

私は没落水飲み百姓の末裔で、特に年取ってから野菜や花を育てるのが楽しみになっている。大学の先輩が、「せめて1年ぐらいは、そういう“変わった”ことをするのは止めておけ」と忠告してくれていたのだが、我慢できなくなってまだ一年経っていない5月ごろだったか、ベランダでプランター菜園を始めた。植木鉢と種はなんとか一人でスーパーで買ってきたが、土はちょうど品切れで手に入れられなかった。困ったときにはすぐ学生に泣きつくくせのある私は、また学生に相談した。すると、驚いたことに、「ネットで買ってきます」との返事だった。そして、300グラム入りの袋を10袋ぐらい大学まで配達させて、私の宿舎に運んできてくれた。土を買うにもネットなのだ! 数日経って、植木鉢とプランターを買い足そうと、学生数人と大きいスーパーへ行った。そこで、ジョーロが目について、それを買おうとしたら一人の学生に止められた。「そのジョーロは良くなさそうなので、買わないほうがいいです。後で、もっと安くていいものを私がネットで探してきます」とのこと、ジョーロを買うにもインターネットだ!

また、ある時、スパゲッティが食べたくなった。世界中どこの料理でも、いいと思えば食卓に取り入れて日本風料理にしてしまう日本人と違って、こちらの人は今まで食べてきたものを大事にするようだ。だから、スパゲッティを食べさせる店は見たことがない。乾燥スパゲッティを売っている店も見当たらない。また学生に泣きつく。すると、やはり、「ネットで調べて買ってきます。」

コーヒーとトーストの朝ごはんが食べたくなった。トースターはもちろん、ネットで買ってもらった。ノートパソコンに付ける、持ち運び可能な外付けハードディスクももちろん、ネットで買ってもらった。学生が他の先生の授業で使う教科書を読んで、どんな内容を勉強しているか知っていたほうがいいと思ったら、もちろん、学生に頼んでネットで取り寄せてもらう。

彼らは、それぞれの商品についての評価をネットで調べた上で、買う商品を選ぶ。ネットの評価は「書きかえられているものだ」ということは承知のうえで、参考にしているようだ。

毎年11月11日には、中国最大のネットショッピングサイト陶宝で、半額セールが行われる。この日、0:00~24:00までに注文すれば、半額で買えるのだそうだ。もちろん全商品が対象になっているわけではないそうだが。この「半額」にもトリックがあって、販売業者の中には、この前に値段を上げておく業者がいて、「半額」といっても実は値上げ前の、本当の値段より高いということがあるそうだ。そんなことは百も承知で、中国の学生はこの買物に夢中になっている。かなり前からお金を貯めていて、1000元ぐらい使うのだそうだ。授業料と寮費を除いた1ヶ月の生活費が、大体1000元だという。日本で考えると、7~8万はくだらないか。昨年のこのセールの中国全土の総売上は30億元だったとか。また、この半額セール以外でも、1ヶ月平均で100元ぐらいはネットショッピングする学生が多いとか聞く。

日本の都市部では、近くの店に行けば日本全国の品物が手に入れられることが多い。だが、気の遠くなるほど広大な中国では、それは不可能だ。これもインターネットでの買い物がこれほど繁盛する一原因なのだろう。それに、とにかく安いのだそうだ。それにしても、買物とインターネットが直結しているように見える中国大学生のお買い物事情、知っていくたびにおばばはただ驚くのみ。






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肉ならなんでも食べる! 中国食肉事情

2014-11-21 08:08:08 | D(?)級グルメ
ふたりの女学生についてきてもらって朝市で野菜を買ったことがある。買物をしながら話がはずんで、肉を食べる話になった。北京育ちの女学生が無遠慮に言う。「蛇を食べるなんて、ヘンです。」「猫を食べる人がいるなんて、ヘンです。」「うさぎを食べちゃうなんて、とてもヘンです。」……… 黙って聞いていた福建省の農村育ちの女子学生、「私はどれも食べたことがあります。ヘンだなどと言われると、……不満です。」と、なんとかことばを絞り出して、不快の念を表明する。


そこで、何の肉を、どんな料理にして食べたかを話してもらった。

「まずは蛇肉、蛇肉の色はしろくて、味はさっぱりしています。ちょっと鶏肉と似ていて、でも、鶏肉よりやわらかいです。とても優しい味です。蛇肉は人間の皮膚にいいそうです。しかし、価格が高くて、日常生活ではあまり食べません。私は一回だけ食べたことがあります。一般的には、蛇はスープにします。

 次は、ウサギの肉ですが、子供はよく食べます。私も小さい頃は食べましたが、大きくなるにつれてほとんど食べなくなりました。味はよく覚えていません。ただ、羊肉のような生臭い匂いはありません。味はさっぱりしています。

 次に、猫の肉です。今は思い出すのもちょっと怖いのですが、私が6歳ぐらいの時、うちの猫が5匹の小猫を生みました。おばあさんは多すぎると思ったようで、二匹を殺してスープを作りました。でも、私はただスープを飲んだだけだったように思います。実は、肉を食べたかどうかはよく覚えていないのです。ですから、猫の肉はどんな味かはわかりません。

 ネズミは一回だけ食べました、でも、その味は一生忘れません。あの時、家の穀物倉庫に沢山もみを貯蔵していて、ネズミが沢山いました。父は倉庫でわなを仕掛けて、とうとうネズミを捕らえました。そのねずみは大きくて、おばあさんは「こんなに沢山のもみを食べられてしまったんだし、このネズミを料理して食べてしまおう。」と言いました。おばあさんはネズミの肉を炒めて、家族が一緒に食べました。面白い話だったでしょう。肉はとてもおいしかったです。ネズミの肉は大部分は赤身です。脂肪がすくなくて、強靭だといわれています。

最後、犬の肉ですが、私は食べたことがありません。というのは、私は犬年生まれですから、小さい頃から母は私に犬の肉を食べさせませんでした。食べたことがある人に聞くと、犬の肉の味は完璧だそうです。どんな風に完璧かは私には全然分かりません。
  
日本語があまり上手ではないので、正確に味を説明することができません。ほんとうにすみません。」


いろいろな動物の肉を食べたときの様子が生き生きと伝わってくる。何の肉を食用にするかは、その土地の習慣によるものだと、つくづく思わせられる。


11月23日 追記:
別の学生たちから得た情報によると、
1.蛇はスープにするか、炒めたりして食べる。肉には細かい骨がたくさんあるので、口から骨を出しながら食べる。
2.犬はスープか肉炒めで食べる。
3.他に、鳩も食べる。羽をむしり取って適当な大きさに切ってスープにしたり、羽をむしったあと、丸焼きにして食べる。






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中国美人は長い黒髪  

2014-11-20 08:08:08 | 大学
外国語学部ではよく見られる光景だが、この大学もご多分にもれず、学生の大多数は女子学生だ。あるクラスは、27名のうち女子学生が22人、男子は5人だ。5人でも多い方で、28名中男子3人というクラスもあった。圧倒的に女性が多い。


さて、我が大学の女子学生はほとんど髪が長いことに以前から気がついていた。先の27人中22人が女子学生のクラスでは、はっきりとショートヘアーといえる学生はたった一人、もうひとり肩までの学生が一人、他は全員長い髪をしている。不思議に思って、ある授業後、たまたま近くにいた2人に聞いてみたところ、「中国では、黒くて長い髪が美しいとされている」とのことだった。だから、どこの大学でも女子学生はほとんど髪を長くしているのだそうだ。「それに、長い方がいろいろな髪型ができるのでいい」とも言う。

       
最前列の二人だけ髪が短い。一人は完全なショート、一人は肩まで。他は全員長い黒髪。


       
真ん中の一人がただ一人ショートを貫いている。彼女は昨年度の前期の中間試験の教室に突然ショートにして現れた。短く切った理由は、「男になりたかったから」とのこと。


中学時代も高校時代も、学校で髪型を決めているわけではないが、髪は長くしている人がほとんどだったそうだ。ただ、一人の学生の高校は、「髪は長くしてはいけない」という規則があって、全員短くしていたという。学校側のいう理由は、「髪が長いと髪の手入れなどのことばかり考えて、気が散って勉強が疎かになるから」というものだったそうだ。こういう学校は「軍事管理」の学校というのだと教えてくれた。「軍隊のような厳しい管理をする」という意味だ。小学生のころは、本人の好みというより、両親の好みで髪の長さが決まっていたという。父親と母親の間で意見が分かれてかなり激しい戦いになったというケースも、見聞きしたことがあるそうだ。


髪が長いと、朝、ヘアスタイルを整えるのが大変ではないかと聞くと、「もうずっと長くしているので慣れてしまって、大変ではありません。私は、こんな髪型なら15秒でOKです。」15秒とは参りました。

女子学生はほとんどが長い髪をしているが、女性の先生方には短い髪の方が多いのではと聞くと、「仕事を持つと忙しいから、長い髪にして時間を取られると困るのでしょう。短い髪の人は『忙しい女』に見えます。」との答えだった。

女性の髪の長さにもお国柄が表れる。


追記 11月23日:
このあたりの人がたくさん集まる花博覧会に行ったとき、女の人の髪を観察した。大人の女の人も長くしている人が多いが、背中に流すよりもポニーテールなどにしてまとめて上げている人が多い。女子大生は背中に流している人が多いが。小学生の女の子は短く切っておかっぱにしている子が多い。ある女子学生によると、普段面倒をみているおばあさんの手間を省くためだそうだ。中学生ぐらいになると、手入れや朝の髪型作りなど自分でできるようになるので、長くできるようになるのだそうだ。






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椰子の並木の下で

2014-11-19 08:08:08 | 大学
        
ここは南国、キャンパスには椰子の並木がある。外国語学部の建物から一番近い門、東門から続くメインストリートの両側に大王やしの大木が並んでいる。大王やしは大きく育ち、てっぺんが、並木のそばにある授業棟の5階の教室の窓と同じ高さのもある。15メートル以上あるのではなかろうか。


        
大王やしの外側には歩道があり、ブーゲンビレアの鉢植えが置かれている。もう11月半ばだが、昼間の気温は25度ぐらいになるせいか、この熱帯の植物は元気に赤い花を咲かせている。


        
キャンパスにはいろいろな椰子が植えてあるが、一番目に付くのは大王やしで、外国語学部の中庭の学生の憩いのコーナーにも植えてある。日陰げを作るためか。


        
大王やしは、大きくなるにつれて葉を落とすのか、てっぺん近くまで葉はない。もともとは葉がついていた跡なのか、木肌に横筋が入っている。ときどき、大きな葉が落ちてきていて、掃除のおばさんやおじさんが地面を引きずりながらどこかに運んで片付けている。あんなに高いところからどさっと落ちて来たとき、たまたま下に小さい子がいたらあぶないとひやひやしている。


            
外国語棟の管理棟の入口近くに、砂糖やしがある。こちらも葉はてっぺんだけにあるが、大王やしとは違って幹には髭があり、箒にでも使えそうだ。


至るところに、高くて、おおらかな椰子があるこのキャンパスで生活できるのはとても嬉しいことだ。
6月の卒業式のあとの送別会で、もし頼まれたらの話だが、森山直太郎の『さくら』を、最後の部分の歌詞を変えて歌うつもりだ。
    さらば友よ、またこの場所で会おう。
    やしの並木の道の(さくら舞い散る道の)上で。





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強い家族のきずな 老師はおばあちゃんの代わり 

2014-11-16 08:08:08 | 大学
北京や上海の都会っ子学生はもう違ってきているとも聞くが、こちらの学生は素朴で、純朴で、付き合っていると心根のよさや優しさがまっすぐ伝わってくる。彼らは家族に対する思いが深く、頻繁に連絡しあう。全員寮生活の彼らの多くは、最低週一回は必ず、分かれて暮らす両親に電話をして声を聞かせる。将来両親と子供を養うのは当然のこととして全く疑わないようだ。つまり夫婦で双方の両親と自分たちの子供の、最低5人の面倒をみるわけで、一人っ子政策がなくても子供は一人しか持てないだろう、それも男の子よりも学費がかからない可能性が高い、女の子がいいと、今から計画している学生もいる。これには、公務員以外は年金がなく、老親は子供が扶養するしかないという中国の事情も関係しているのかもしれないが。

女子学生はほとんど全員、「結婚したら夫の家族と同居する」と言う。3世代同居家族が多いということだろう。そういう家族では、子供たちの世話は、忙しい両親に代わっておばあちゃんが担当している家庭が多いようだ。子供たちも、生活上の面倒をこまごまと見てくれたり、生きることについていろいろなことを教えてくれたお婆ちゃんに対する思慕の念が強い。「料理や掃除、洗濯の仕方や畑仕事までなんでも教えてくれた」、「風邪をひかないようにと、もっと着ろとうるさく言われた」、「夏には水分補給にはスイカを食べろと教えてくれた」などと、おばあちゃんの話がよく出てくる。「小学校入学まではおばあちゃんとおじいちゃんと暮らした、小学校に入って祖父母の元を離れて両親と暮らし始めたが、新しい生活に馴染めず、毎朝起きるとすぐおばあちゃんに電話していた」という女子学生もいる。また、「両親は上海で働いていて、自分と兄はバスで5時間もかかるところにおばあちゃんと一緒に暮らしていた、小学入学前に両親と一緒に暮らすようになったが、おばあちゃんが恋しくてたまらなかった、兄は賢いので、なんとか一人でバスに乗っておばあちゃんのところへ帰ってしまった、私は、馬鹿だから、それもできなかった」と言っていた友達もいる。

男子学生も、おばあちゃんの思い出はつきないようで、「小さい頃父方のおばあちゃんにいろいろ世話してもらった。僕が高校生の時亡くなったが、あのころ僕の家はまだ貧乏で生活が大変だった。僕はおばあちゃんを苦労続きのまま死なせてしまったことが、悔しくてたまらない」と言った学生会のリーダーがいる。彼は続けて、「だから、僕は先生を放っておけないんだ。先生を見ていると、おばあちゃんを思い出してしまう」と言った。実際、彼はとても細やかに面倒を見てくれる。別の男子学生も、どうも私を見ると自分の祖母を思い出してしまうらしい。私があることでビビっていることを素晴らしい勘で察して、「『私はあんたたちよりずっと長く生きているのよ。ずっと多くのことを知っているのよ』と言って、威張っていればいいのです」と、まるで年上の男性のように励ましてくれた。

中国の素晴らしいおばあちゃんたち、彼女たちの縁の下の力持ちの働きのおかげで、おばあちゃんとしては本当は無能に近い私も、中国の孫たちから大切にしてもらっている。





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鬼の宿題、日本語で毎日日記  

2014-11-15 16:10:08 | 大学
中国の大学は、学業成績が大きな意味を持ち、平常点、中間テスト、期末テストをもとに成績が算定されるので、宿題などの提出物はほぼ全員が期日通りに提出してくる。クラスに学習委員という役職があって、授業の担当教員と連絡したり、クラス全員の宿題を取りまとめて教員に提出したり、逆に、点検後の宿題や小テストは委員に渡しておけば、返却してくれたりする。日本語がよくできる学生がなることが多いので、クラスに連絡したいことがあれば、メールで委員に伝えておけば、こちらの言いたいことをよく理解して、全員に伝えてくれる。非常に有能な秘書をつけてもらっているようで、中国語不自由で何をするにもいちいち何かに突っかかって時間を食う私には、大変ありがたい存在だ。
彼らは、ただの仲介役、便利屋ではなく、誰が宿題を出したか出していないかを把握していて、「○○と××が未提出です」と教員に連絡し、未提出の学生には一種の権力?を行使して、催促して提出させたりする。

さて、去年の「写作(作文)」の2クラス、計55人に、「毎日3行以上の日本語日記を書き、週一回提出」という宿題を出した。学生は3年生になったばかりで、日本語学習歴は2年。日本語専攻とはいえ、毎日日本語で日記を書いて提出というのは、かなり厳しい宿題だった。始めの頃漏れ聞こえてきたのは、「毎日、朝起きて、顔を洗って、ご飯を食べて、授業に出る。夕飯後は宿題をしたり、コンピューターでアニメやドラマなんかを見て、寝る。毎日やることはそんなに変わらない。毎日書けったって、3日もすれば種切れだ。めちゃくちゃな宿題だ。」という文句たらたらの悲鳴。それでも、任務に忠実な学習委員の尽力もあって、全員提出してきた。

2週間もすると、朝起きてから寝るまでやったことを並べる日記は減ってきて、一日のうちで一番印象的なことを書き始めた。バイト先でいじめられたこと、給料未払いのこと、家庭教師の生徒が勉強はしないくせに、いっぱし生意気でムカつくこと、寮でシャワーを浴びて髪を洗っている最中に断水になったこと、洋服を入れているところにネズミが入って大事な洋服をかじったこと、隅っこにうんちをしていたこと、結構度々起こる停電のこと、隣接する保育園にクラスでボランティアに行った、年長組はまあまあで、計画通り、遊びや本読みなどができた、年少組はさんざんで、子供たちは大学生のおねえさん、おにいさんを全く無視して騒ぎまくり、どうしていいか分からなかったことなど、生活ぶりがよく分かった。また、公園の近くの映画館に二人で行った日から、その男女は友達から恋人になる、実はあの二人は昨日一緒に行ったんだ、Aさんは別れた彼とヨリを戻した、その彼の愛情表現はキザだなどの極秘情報もあった。

夜市で買い物をした話、花博覧会へ行って楽しかったが、混みすぎていた話、海辺にあるらしい、なんとか地質公園に数人で行ったが、帰りのバスがなぜだか途中で運行停止して、客全員がその場で降ろされた、何時間たってもタクシーはつかまらないし、途方にくれていたら親切な人が車に便乗させてくれてなんとか帰ってこれた話など、今後遠出するときの参考になった。

2ヶ月もすると、直接経験したことではなく、世の中について考えていること、疑問に思っていることや、冷静な観察に基づいた考察などが現れて来た。物事を、正面からだけでなく、斜め前からみたり、斜め上から見たり、後ろに回って見たりして、なかなか鋭いことをいう。読む側も、言いくるめられないように構えて読んだ。

始めのうちは毎日3行書くのに精一杯だったのが、だんだん長く書けるようになり、毎日レポート用紙1ページは書く学生も出てきた。この鬼の毎日日記のおかげで、学生の普段の生活を垣間見ることができ、中国に親しみを感じるようになった。鬼の宿題に耐えてくれた学生諸君と、律儀に仕事をしてくれた学習委員に感謝。




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「ゆず」 と 熟柿 

2014-11-08 18:07:00 | 日記
このあたりは、野菜、果物生産で有名だそうだ。一年中、いろいろな果物が売られている。10月ごろから、グレープフルーツの皮を柔らかくして、サイズを少し大きくした柑橘類がたくさん出てくる。今頃出荷たけなわのようで、スーパーでも、果物屋でも、道端の露店でも、この果物だらけだ。値段は、大きいもので8元から10元ぐらい。
            

日本語科の学生は、これを「ゆず」という。「ゆずを食べるか」と初めて聞かれたときは、日本の冬の香りの王様、柚子のことかと思い、「ここにもゆずがあるの」と聞き返した。「ありますよ。ここの名産です。」との返事。だが、名前はゆずなのだが、実際はグレープフルーツの仲間のようだった。グレープフルーツは、果肉が柔らかく、専用のスプーンを使って実をほじって食べていた。こちらの「ゆず」は果肉が硬いので、皮を剥いて手で食べる。赤い種類と白い種類があって、赤い方がおいしいとの評判で、値段もこちらの方が少し高い。ここの人たちが自慢するだけあって、果肉がかたくしまっていて、とてもおいしい。

今日は、大学の裏の露店で「ゆず」を買った。食べ比べてみようと、赤いのと白いのを両方買った。もちろん、自分ひとりでは買えないので、たまたま宿舎に来ていた学生に頼んで、一緒に行ってもらって、通訳してもらった。黙っていても、店のおじさんは、食べやすいようにナイフで皮を剥いてくれる。ふたつとも食べるのには、1週間ぐらいかかりそうなので、白肉のだけ剥いてもらった。
            
                 おじさんが皮を剥いてくれる

            
  左:白い果肉のもの  右:赤い果肉だという 直径13センチ、高さ15センチ


この頃こちらでは、熟柿もよく売られている。高校卒業までは、日本の田舎暮らしだったが、渋柿が木の上で熟柿になるまで待って食べると、甘くなっていて本当に美味しく大好きだった。大学から都会暮らしになって、考えてみれば、それ以来熟柿を食べたことはなかった。中国に来て、また、味わえるとは、幸福・口福の至りだ。
            





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鍵はオートロックが普通  

2014-11-06 08:08:08 | 大学
また、やってしまった! ちょっと出かけて帰ってきて鍵を開けようとしたら、バッグに財布が入っていない。私は鍵はさいふに入れて持ち歩いている。つまり、さいふがないから、当然鍵もない、だから部屋に入れないということだ。

午前中買物に行ったとき、大きな買物バッグに財布を入れて買い物をして帰ってきた。買い物バッグから買ったものを取り出して、冷蔵庫などに入れたが、財布はそのまま買い物バッグの中に置いたままだった。そのことをすっかり忘れて、買い物以外のときに持ち歩くバッグを持ってまた外出してしまった。鍵を持たないで出てしまって自室に入れない。

恥ずかしかったが、仕方がない。大学の外国人教員の世話をしてくれる部署に外事処というところがある。そこへ行って、「鍵を部屋に置いて外出した」と言って予備の鍵を貸してもらい、部屋に入ることができた。もう何回、こうやって自室の鍵を借りに行っただろうか。外事処の人も呆れていることだろう。特に、初めて中国に来た翌日は、何度も出たり入ったりして、生活用品の買い物などをした。出るたびに鍵を中に置いたままにして、その度に外事処に借りに行って、恥ずかしかった。



実は、中国のアパートのドアは、内側に木製のドア、外側にフェンスのように隙間の空いた金属製のドアの2重になっている。そして、2つとも、部屋から外へ出て、ドアを閉めただけで施錠されるしくみになっている。つまり、ホテルのようなオートロック方式だ。外に出てから鍵を取り出して施錠する必要はない代わりに、鍵を持って出ないと、自分の部屋に入れなくなる。ある学生によると、「用心のため、中国のアパートの鍵は大抵そうなっている」のだそうだ。



大学の教室でも事情は同じだ。先日、授業のため早めに教室に行ったが、前後の扉の鍵がかかっていて中に入れない。窓も全部中から施錠されていて、窓から入って中から、扉の鍵を開けることもできない。学生たちもだんだん集まって来て、廊下に溜まり始めた。私は、授業のとき扉を開けておいてくれる、係りの大学職員がうっかりミスで開けるのを忘れたのかと思った。が、それは違うらしい。だんだん涼しくなってきたので、窓を全部閉めて鍵もかけていたところへ、風が吹いて、開いていた前後の扉が閉まったのだろうとのことだった。ここでも、ドアが閉まると自動的に施錠されて、鍵を使わないと外からは開かないしくみになっているという。この時は、管理人室まで鍵を借りに行った学生が15分ぐらいして戻ってきてやっと、全員が教室に入れた。 

うっかりものの私も、ホテルに泊まった時には、部屋を出るときにはいつも用心して鍵を持って出る。だが、自分のアパートでも、いったん出てしまえば、自動的に鍵がかかってしまうとは思えなくて、何度も失敗した。昨年一緒に中国に来て、別の大学で教えている友人も、鍵を持たずに外出してしまい、9時間も部屋の外で待つ羽目になったことがあると言う。そのせいだけではないだろうが、彼は後に胃潰瘍になって、胃に穴が3つあいたそうだ。

ところ変われば、品変わる。中国では、アパートでも教室でも鍵はオートロックだ!!!





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ベランダ園芸 その後  

2014-11-05 17:36:47 | ベランダ菜園
9月始め、ベランダにキューリを3本とミニトマトを2本植えた。始めはキューリがぐんぐん伸びて、1本が実をつけた。その実は後から出てくるはずの実が大きく育つようにと、まだ小さいうちに採り入れて炒めて食べた。ところが、その後は、花は咲くには咲くが実を結ぶまでいかず、木が勢いをなくしてとうとう3本とも枯れてしまった。3本で実が1つという惨憺たる成績だった。 トマトは種を植えてからずっと生育が遅く、やっと芽を出してもなかなか大きくならない。このまま花の咲かない人生で終わるのかと諦めていた。ところが、キューリ3本が枯れてしまった頃から、元気を出し始め、ベランダの柵からはみ出すほどに木が大きくなった。



そして、実付き率は良くないが、あっちに一つ、こっちに2つと小さな緑の実をつけ始めた。この実が色づくまで育って、マヨネーズをつけて食べる日が来てくれれば、嬉しいが。


水飲み百姓魂100まで」で、少しでも土があれば野菜を作りたくなる。実家は農家だったので、やろうと思えば花でも野菜でもいくらでも育てられたはずだが、そのころは「親の仕事を全く手伝わない、役立たずの娘」だった。だが、畑の耕し方などは、片目の横目で見ていたらしく、なんとなく分かっている(ような気がしている)。

日本で仕事を辞めてからは、暇に任せて野菜作りに手を染め始めた。こちらでは、幸い宿舎のベランダが広いので、プランターや植木鉢、土を買い込んで、ささやかなプランター菜園を始めた。土は、スーパーやネットショップで買ってきたのもあるが、学生たちがキャンパスのどこかから運んで(盗んで?)きてくれたものもある。気が小さい私は、「泥棒になるから止めて」と言ったのだが、学生たちは全く頓着せず、プランターを持ち出して土探しに出かけていった。ある中国人によると、「日本では『みんなのものは私のものではない』のだけど、中国では『みんなのものは私の物』だ」という。なるほで、中国の思考法の方が筋が通っている!!!

プランターには青物を中心に育てている。こちらは夏が長く暖かいので、成長が早い。10日から2週間ぐらいずつ種まきをずらして植えると、次々に大きくなって、味噌汁やスープの実にしたり、たまには贅沢して新鮮野菜の炒め物にしたりして楽しんでいる。


黄金菜

小松菜・黄金菜

黄金菜新芽

春菊新芽






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朝市探検

2014-11-03 08:08:08 | 日記
時々近くの朝市を見に行く。大学から歩いて7,8分のところの横丁の道の両側に、いろいろな店がたつ。一番多いのは野菜屋で、肉屋、魚屋もある。植木鉢の花を売っているところもある。道に敷物を敷いたり、台を用意したりして、または、自転車に積んだりして売っている。大抵1人か多くても3人ぐらいで売っている。


私は、中国語が不自由なので買うことはできないが、買物に来ている人たちが道にあふれている中を、周りの店で何を売っているか見ながら歩くのはおもしろい。八百屋には季節の野菜があふれ、この地方の人たちが普段どんな野菜を食べているかわかって楽しい。ニガウリ、いろいろな種類のへちまやひょうたん、たけのこ、カリフラワー、ブロッコリーなどが多い。はやとうりもよく見る。玉ねぎは皮が赤いものがほとんど、さつまいもは紫芋が多い。沖縄の人たちと食べるものは似ているのだろうか。


大根は直径5センチ、長さ20センチぐらいで日本のものより小ぶり、キューリは逆に長さ30~40センチもある緑の濃い種類で、こちらの人は大抵火を通して食べるようだ。キャベツや白菜は日本のものより小ぶり、一人暮らしや少人数の家庭には手頃な大きさだ。さつまいもの葉のように見える菜っ葉もよく見かけるが、食べ方を習って帰って、芋も葉も食べて食費を節約したいものだ。
           


肉は台の上にいろいろな大きさのかたまりにして売っている。頼めば、欲しい大きさに切ってもくれる。買いたい塊を渡すと、計りで量って値段を言ってくれる。鶏は羽をむしっただけで1羽丸ごと売っていることが多く、むき出しの足が並んでいるとぎょっとする。生きたままの鶏が、直径1メートルぐらいの竹で編んだ籠にギュウギュウ詰められて売られていたりする。
           
           
           


魚も、敷物の上に並べたり、ザルや水を入れた桶に入れて売っている。大きいものがざく切りにして並べてあるのもある。魚も計り売りだ。
           


この市場は、「まさに中国」という感じの市場だそうだ。ここで生きる人たちがたくましく生活している様子を肌で感じることができる。





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厚着で保護する?  薄着で鍛える?

2014-11-02 08:08:08 | 大学

11月になった。こちら、亜熱帯の地では、「もう秋」だそうで、夏姿の中にちらほら七分袖や長袖の学生の姿が見えるようになった。この頃の最高気温は30度ぐらい、最低気温は20度か、それより少し低い17度ぐらいである。明け方は確かに寒いと感じることもあるにはあるが、私にとって、日中は夏そのもの。夏仕様の洋服を着ている。

昨年の、確か11月初旬のことだったと思う。例によって夏支度で、少し早めに教室に行くと、すでに来ていた女子学生5,6人がバタバタと前の方へ走ってきて、教卓を取り囲んだ。「先生、そんなかっこうでは風邪をひきます。もっと暖かい服を着てください。」と、口々に勧める。小姑1000匹にいじられている気持ちだった。「だって、30度もあったら、夏でしょう。」というのが、私の抵抗のことばだ。確かに、一日のうちで、気温の上下が激しく、突然日が陰って、寒いような感じがすることはあるが、すぐまた暑くなったりする。年寄りにはこの気温の変化は耐え難いのではと、心配されてもしかたがないとは思うが、「このくらいは全く大丈夫、そうトシヨリ扱いしなさんな。」という気分であった。

だが、これは年寄りか若いかが問題なのではなかった。中国の学生は、20歳前後のはずだが、厚手の長袖を着たり、ジャージーっぽいものを引っ掛けていたりさえする。日本人の私にとって、厚手の長袖では汗をかいて、かえって風邪をひくのにと思われる。


息子たちを日本の保育園に預けていたとき、保育園の方針は「はだし、はだか保育」だった。息子の保育園が極端なやり方をしていたわけではない。当時の日本では当たり前のことだった。子供たちは、「冬でも、靴下ははかない、頑張れる子は上半身はだかですごす」と教えられていて、夕方迎えに行くと、はだかの子供たちもいて、その姿を見た親の方が寒くなって震え上がるようだった。冬でもはだかで過ごす子供が風邪をひきやすいわけでもなく、反対に元気いっぱいで園内を飛び回っていた。考えるに、日本では、小さい頃からできるだけ薄着をさせて、子供たちの皮膚や、さらには、精神を鍛えようとの思いから、厚着をさせないのだと思う。

ところが、中国では逆で、寒い時にはできるだけたくさん着せて、寒さから守ってやろうとする。学生たちも、母親や祖母に「着ろ、着ろ」と言われて育ってきたそうだ。12月、1月になると、本当にたくさん着ていて、ある学生は「6枚着ている」と着ているものを一枚一枚めくって数えてみせた。私は、大抵、ババシャツ、ブラウス(セーター)、上着の3枚に、スカートだ。ある女子学生が、「冬でもスカートをはいていて、おしりが寒くありませんか。」と聞いてきたことがある。もちろん、答えに窮した。学生に、日本の保育園では冬でも「はだし、はだか保育」だったというと、「信じられない。日本人は野蛮だ。こどもが可愛くないのか」といった反応をする。日本人について変だと思うこととして、「小さい男の子たちが、冬でも半ズボンをはいていること」を挙げた女子学生もいた。


大学のキャンパスには、ここで働いている人たちがたくさん、家族と一緒に住んでいる。小さい子供たちもよくみかける。確かに、冬には、幼児はパンパンに厚着をさせられている子が多い。着すぎて丸々した体でやっとの思いでよたよた歩いているのをよく見かける。いったん転んだら、そのまま地面をころころ転がっていきそうだ。

つくづく、人間は、環境に適応する力がとても優れていると思う。薄着にさせて鍛えるという方針でも、厚着にさせて保護するという方針でも、子は育つ。要は、その方針を貫くことだろう。「今日は日本式に薄着で、明日は中国式に厚着で」では、こどもは風邪をひくだろう。

最近では、私は、学生の間で「薄着」として通っている。このごろはもう、「そんな薄着じゃ、風邪をひきます」とは言われなくなっている。一年のうち9ヶ月は夏といわれるここで暮らすと、洋服代がかなり節約できる。






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