おばばの独り言 from Another World

なんかのご縁で中国の福建省へ。
そして今度はデカン高原の小都市へ。
そして日本に帰って、今はきまぐれな野菜作り!

「犬と猫とどちらが好きですか」ー「こんな質問、意味がありません」

2023-04-04 22:00:00 | 日本語教育
インド人学習者と会話練習をしていたときのこと。

テキストに「犬と猫とどちらが好きですか」という質問があった。

それを聞いたインド人学習者のKさんが即座に言った。
「こんな質問、意味がありません」

何を言われているのかさっぱりわからず、「どうしてですか」と聞いた。
「インドでは、猫は嫌われているので、犬よりも猫の方が好きな人はほとんどいないからです」との答え。
「猫は、特に黒い猫は魔女の使いと考えられているから」だとのこと。

ネットで調べてみると、猫が嫌われている理由として、
1.15-18世紀、ヨーロッパで魔女裁判が頻発したが、猫は夜行性で夜活動する、夜怪しく光る猫の目が不気味などの理由で、猫が魔女と結び付けられて、魔女の使いとされた。

2.仏教がインドで起こったが、お釈迦様がキノコを食べて中毒になり、ねずみに薬を持って来させようとしたが、そのねずみを猫が食べてしまって、お釈迦様が亡くなった。

3.ヒンドゥー教では、ねずみが神聖な生き物とされていて、神様の一人、ガネーシャの乗り物とされている。それを食べる猫は嫌われる。
などがあげられている。

オンラインで教えているある学習者は、
「インド人は、損得勘定なしでペットを飼うことは、普通、しません。何かに役立つ家畜として、動物を飼うことはあります。外でよく見かける犬や牛は、実は誰かが放し飼いをしている家畜のことが多いです。牛はミルクを出してくれますし。。。」と話してくれた。
犬はペットとしてでなかったら、何の役に立つのかと聞いたら、「インドの一部では、犬肉を食べることもありますし。。。」とのこと。1960年に出された動物虐待防止法では犬食が禁止されているそうだが。

ただ、インドにも猫が好きだと言う人はいる。ごく少数派なのかもしれないが。
その人は、「私は猫は飼いません」と言った。「7、8年飼っていた愛猫が最近死んでしまいました。悲しくて、悲しくて、もう猫は飼えません」と。激しいペットロスから立ち直れないでいたようだ。

インドデカン高原の小都市に住んでいた時、サルが痴話げんか?をして、負けたらしい方が我がアパートのベランダに飛び降りて逃げ込んできたことが数回あった。サルも誰かが放し飼いにしていたのだろうか。

犬と猫の話から大分離れてしまったが、インド人で「ナガさん」という名前の女性がいた。
名前の由来を聞くと、「蛇神」を意味するとのこと。日本的な感覚からびっくりしてしまったが、インドでは蛇は神様だ考えられているという。
彼女が日本の会社でITエンジニアとして働いていたとき、日本人の同僚に名前の意味を聞かれて'Snake'だと答えたところ、驚かれて、その後「ナガ」さんと呼ばれなくなったと苦笑しながら話してくれた。

ところ変われば、動物に対する考えも変わる。

うかつに、「犬と猫のどちらが好きですか」などと聞くわけにはいかなくなった。



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