DIARY

バイマーヤンジンの日記です。

あるおじさん

2008年07月14日 | Weblog
昨日夕方、息子を連れ、近くの公園まで散歩に出かけました。

ふたりでベンチに座ってアイスクリームを食べていると、
「お子さん、かわいいですね」とあるおじさんが声をかけてきました。

声をかけてくるだけならいいのですが、隣に座ってきたので、少しびっくりしました。
そのうえ「もう死んでしまいたいですわ」といきなり言ってきたので、
またまた驚いてしまいしました。

それで、「どうされたんですか」と思わず聞いてしまいました。
それから、その方は身の上話を話しはじめました。

「私はすぐそこの公営団地に住んでいます。
 今79歳ですが、妻に先立たれて一人暮らしをしています。
 夕方になると、この公園に来るのが日課なんです。
 いつもなら同年代の人が何人かいるんですが、
 今日はまだ誰も来ていないなあ・・」

「え、子供さんとかいないですか?」と聞いたら
「いや、子供は三人いるんですよ」

「電話とかかかってこないんですか」
「いや、お父さん元気ですかという電話はまずないですね。
 娘の子供の塾の費用も私がずっと送金してあげているのに、
 ありがとうの一言もないね。ほんまに悲しいもんですわ」

「え、お酒とか飲まれないんですか」
「私は糖尿でね。お酒はおろかおいしいものも食べれないんですよ。
 だからなにひとつ楽しみがないんですわ」

私も聞いているうちに悲しくなって、なんと言って慰めてあげたらいいのか、
分からなくなってしまいました。
よかったのは、その時あの方のお仲間の一人でしょうか、
犬を連れたおばちゃんが声をかけてきました。

私と息子はその場から離れましたが、家に帰った後も、
今もあのおじさんの寂しいお顔が頭から離れません。

その方には申し訳ございませんが、ニュースでよく聞く「孤独死」という言葉が
ふと思い出されました。
親の恩すらわからない子供たちも本当にかなしいものです。

おばあちゃんを亡くして、悲しみから抜け出せない自分がいましたが、
その人の話を聞いてから、おばあちゃんは我々家族の中で暮らし、
そばにはひ孫もいて、まだ幸せな人生だったのかもしれないなあと思いました。
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