浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

ロシアの反政府NGO(日本では決して報道されない海外記事より)

2012-07-24 09:17:52 | 資料

2012年7月21日 (土)

ロシアの‘心’を狙う欧米の戦い:ステロイド常習NGO

ヴェロニカ・クラシェニンニコワ

 2012年7月15日

 "RT"

 ロシア国会はロシアのNGO法改訂を通過させたばかりだ。

 外国からの資金援助を受けているロシアのNGOは、司法省に“外国代理人としての機能を遂行するNGO”として登録し、配布する資料に明記して、資金源を公開し、半年ごとに、活動を司法省に報告することが必要になる。

 圧倒的多数のロシア人は、この法律を、長いこと待たれていたものと考えている。米国務省や米国国際開発庁(USAIDだけでも約30億ドル)等の下部機関、全米民主主義基金、フリーダム・ハウスや、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー・インスティテュート等のいわゆる“民間財団”からのものも含め、過去25年間に、何十億ドルもロシアに注ぎ込まれている。こうした組織は全て、その活動や指導部の経歴から判断して、米国務省、諜報機関、冷戦と“カラー革命”と深い絆をもっている。

 こうした全ての資金の狙いは、ロシアや、ロシア国民に対するワシントンの寛大な愛を表すためではない。自分達に忠実なインフラを作り上げることに加え、“ロシア人の心をつかむ”こと、またその道すがら、石油、ガスや、軍事力を狙っている。狙いは常に“開く”ことだった。“開かれた社会”、“開かれた経済”、“開かれたロシア”、“開かれた政府”つまり、洗脳、経済的略奪、ロシアの国内・外交政策ハイジャックに対して開かれた社会だ。

 戦争による征服は、旧ユーゴスラビア、イラク、リビアで見たように、そして今シリアで目にしているように、常にアメリカにとっての選択肢の一つだ。だが“戦争無しの勝利”は、ソ連崩壊が悲劇的に示した通り、より安上がりで、より効果的なのだ。

 欧米の資金援助は、“平和的手段”によって、軍事目的を追求しながら、ロシアの市民社会に一体なにをしてきただろう? ロシアで民主主義を作り上げるのに、たまたま貢献しているのだろうか? ここで“民主主義”という言葉は、アメリカの権益に従属する忠実な政権という、ワシントン流解釈ではなく、その本来の意味、人民の人民の為の政府と解釈する。

 実際、何十億ドルもの欧米の資金援助は、ロシアの市民社会を大きくゆがめている。米ドルで膨れあがった、とるに足らない親米団体NGOは、ステロイドを摂取しているボディービルダーのようなものだ。筋肉隆々、ピカピカだ。外国の権益に進んで仕えるこれら少数のロシア人は、素晴らしい事務所、十分な給料、印刷機、訓練、広報活動や、政治技術や、組織化技術を与えられ、自分達の力だけでは到底不可能な、遥かに大きな能力、知名度や影響力を得ることができる。金と歪曲が、自国の権益とは無縁な、嫌われる考え方を推進する唯一の方法だ。

 この反対側には、公共の場から締め出される、声無き大多数の大衆がいる。欧米の、そしてロシアのマスコミでも、市民社会は、ウラル山脈の労働者、ノボシビルスクの教師や、クラスノダール地方の農民ではなく、リュドミラ・アレクセーエワ(ヘルシンキ・グループ)、ボリス・ネムツォフ、ゲーリー・カスパーロフ等によって代表されることとなる。

 更に、欧米資金援助中毒になっていないロシアNGOは、欧米の資金提供者や国内支部から、仲間に入れという大変な圧力に曝されている。ロシアの団体が有効性を発揮すると、アメリカ大使館から指導部に電話が入り、アメリカ訪問に招待される。間もなく、資金提供の話になる。万一、ロシアのNGOが、餌に飛びつくのをあえて拒否するようなことをすれば、似たような組織が作り上げられ、莫大な資金援助と広報活動によって、対象の組織を乗っ取り、組織の目標を書き換え、その分野を占拠してしまう。

 例えば、教育プロジェクトは、突然アングロ・サクソン・モデルと価値観に変わってしまう。警官による虐待と戦うプロジェクトは、実際にこうした耐えがたい慣習と戦うのではなく、政府全般に対する敵意を醸成すべく、非常にえり好みで、忠実な警官を有罪にできるような証拠を集める戦いとなる。業界団体の分野では、アメリカと提携している大手企業から、あるロシアのNGOは“国内メーカーの権利を保護しすぎる”と非難された。

 そうではない。欧米の資金援助がロシア民主主義の強化に貢献することはない。愛国勢力に対する親米勢力の戦場を拡大するに過ぎない。ステロイド同様、欧米の資金援助は、標的とした市民社会の弱点に注入される。それはステロイド同様、常習性がある。それはステロイド同様、政治組織の心身を腐敗させる。それは、標的とした国家を、独立した意思も心も奪われ、病んだ、従属的な協力組織へと転換するのだ。

 ロシアも、欧米の資金援助注入の影響下にある他の国々も、内政問題では主導権を握るべきなのだ。愛国的な市民社会の建設を外注することなど不可能なのだ。民主的なプロセスと国家安全保障は、外注など不可能だ。あからさまに敵対的な政府などには、なおさらだ。

 これらのNGO関連法規改訂は、ロシア法における明白な欠落を修正することにより、競技場での戦いを平等にする大きな一歩だ。だがこの歩みには、ロシアの市民社会を強化するための更なる対策が続けられる必要がある。

 モスクワの外交政策調査・イニシアチブ研究所理事長、ヴェロニカ・クラシェニンニコワ

 記事原文のurl:rt.com/politics/russia-ngo-usa-funding-101/

 

2012年7月23日 (月)

全正面作戦

2012年7月16日

 Paul Craig Roberts

 ロシアの政治的敵対勢力が、ロシア政府を転覆して、地理学上、地球最大の国、ワシントンの攻撃を抑止するのに十分な核兵器備蓄を持った国に、アメリカの傀儡国家をしつらえようとして、全米民主主義基金や他のCIA/国務省のフロント組織等々、アメリカの納税者のお金で資金援助を受けていることを、ロシア政府はようやく理解した。

 今年早々、エジプトは“反対意見を吹き込み、国内政治に干渉する”ため、外国が資金援助する“非政府組織”(NGO)と関係していた何百人もの人々を追放した。ロシア・ドゥーマ(国会)は、外国の資金援助を受けている政治団体に、外国代理人として登録することを義務づける、プーチンが署名するものと予想される法律を通過させたばかりだ。この法律は外国代理人の登録を要求するアメリカ法を下敷きにしている。

 ロシアの政治的敵対勢力の大半は、外国から資金を得ている代理人であり、法律が成立すれば、ロシア政治的敵対勢力の主力は、ロシア司法省にワシントンの外国代理人として登録しなければならない。7月3日、イタル-タス通信社は、ロシアでは約1,000の団体が外国から資金援助を受けて、政治活動をしていると報じた。もしアメリカで、アメリカをロシアの傀儡国家に変える努力に取り組んでいる1,000の団体にロシア人が資金援助していた場合の騒ぎをご想像願いたい。(アメリカでは、ロシア人はイスラエルとの非常に多くの競合と出くわすことになろう)。

 ワシントンから資金援助を受けているロシアの政治的敵対勢力は、一見“人権”をふりかざし、“開かれたロシア”の為に働いているのだと主張する。 ワシントンの資金援助を受けている不義で背信的なロシア“政治的敵対勢力”が“開かれたロシア”という言葉で意味するのは、欧米のプロパガンダによる洗脳にロシアを開放すること、欧米による経済的略奪にロシアを開放すること、ワシントンによって決定された内政・外交政策を実施するようロシアを開放することなのだ。

 “非政府組織”は極めて政府的だ。ソ連帝国の旧構成諸国で、アメリカの傀儡諸国を樹立した様々な“カラー革命”に資金援助し、運営するのに、彼らは極めて重要な役割を果たしている。NGOは“クーデター装置”と呼ばれており、この役割で、大いにワシントンの役にたっている。彼らは現在ベネズエラで、反チャベス活動をしている。

 二十年たって、ワシントンが資金援助するNGOによって、政治的に転覆させられる脅威にロシアが覚醒したことで、軍事的に攻撃するには余りに危険な国に対する覇権を獲得する計画が頓挫したことに、もちろんワシントンは激怒している。ワシントンは、外国が資金援助する組織には、外国代理人として登録する (イスラエルからの資金援助でない限り)。ところがこの事実にも、ロシアの新しい法律を“反民主的”やら“警察国家”云々と非難するのを、ワシントンは辞めようとしない。転覆工作の現場を押えられて、ワシントンはプーチンに悪態をついている。残念なことに、洗脳された欧米の大半はワシントンの嘘にだまされ、“ギャング国家ロシア”についてさんざん聞かされることになるだろう。

 中国にもワシントンの照準が定められている。経済大国としての中国の急速な台頭を、ワシントンは最大の脅威と感じている。中国は封じ込めねばならない。中国の勢力範囲における中国の自然な経済的指導力を妨害し、それをワシントンの指導力で置き換えることが狙いの太平洋横断経済連携協定の交渉を、オバマの米通商代表は過去2、3年、密かに続けてきた。

 ワシントンはまた、アジアで新たな軍事同盟を形成し、フィリピン、韓国、タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドや他の国々に、新軍事基地を建設しようと圧力をかけている。

 中国とベトナム、中国とフィリピン間の紛争に、ワシントンは素早く身を乗り出した。ワシントンは、資源の豊富な西沙諸島(パラセル諸島)と南沙諸島(スプラトリー諸島)を巡るベトナムと中国間の紛争では、元ベトナムという仇敵と、資源の豊富な黄岩島(スカボロー礁)を巡る中国との紛争では、フィリピンに同調した。

 かくして、第一次世界大戦の戦利品としてポーランドに与えられたドイツ領土のドイツへの返却を巡るポーランドとナチス・ドイツとの紛争へのイギリスの介入同様、ワシントンは戦争のお膳立てを整えている。

 アメリカ経済の中国への外注は、中国の未曾有の急速な経済発展の重要な要素だったので、中国はワシントンに協力的でいた。アメリカの資本家は短期的利益を得て、中国は沈み行くアメリカ経済をあと2、3年で越える経済を作り上げる資本と技術を得た。自由市場経済学者が自由貿易と取り違えていた仕事の外注が、中国を作り上げ、アメリカを破壊したのだ。

 中国内政に対するワシントンの干渉が増大する中、中国の勢力範囲内にアメリカの軍事的プレゼンスを作り上げると発表したワシントンの狙いを無力化するには、軍事的な対抗手段が必要だと中国政府は確信するに至った。ワシントンの見解では、他のどの国でもなく、ワシントンこそが勢力範囲を有するのであり、ワシントンの勢力範囲は全世界なのだ。

 7月14日、中国の国営通信社、新華社は、ワシントンが、中国の内政問題に干渉して、ベトナムやフィリピンと中国との紛争を解決不能にしていると報じた。

 うぬぼれたアメリカ政府が三正面作戦を戦うと決断したかのように見える。中東では、シリア、レバノンと、イラン、極東では中国、そして、ヨーロッパではロシア。軍隊が9年たってもイラクを占領しきれず、11年たっても軽武装のタリバンを打ち破れない国、その経済も、NATO傀儡諸国の経済も窮地に陥り、衰退しており、それに対応して国内の混乱が増大し、政治指導者への信頼が喪失している政府にとって、これはどうやら野心的計画に見える。

http://www.spiegel.de/international/world/pew-study-finds-steep-declines-in-faith-in-politicians-and-capitalism-a-844127.html

 Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラム www.paulcraigroberts.orgは世界中の支持者が読んでいる。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2012/07/16/war-on-all-fronts/



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