浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

支那に奇跡は起らない

2015-11-13 09:47:08 | 資料

◆アメリカを怒らせ、自滅への道を歩み始めた中国

南シナ海問題は満州国建国と同じ構図

2015.11.11 川島 博之 JB PRESS

マレーシア・スバンで開かれた東南アジア諸国連合の拡大国防相会議に出席した中国の常万全国防相(右、2015年11月4日撮影)。(c)AFP/MANAN VATSYAYANA〔AFPBB News〕

 中国が領有を宣言している島の領海に米国の駆逐艦が入った。このことについては既に多くのことが報道されているが、ここでは少し焦点を引いて、より長い時間スケールから考えてみたい。

90年前の日本を彷彿とさせる中国

 100年後の歴史の教科書は、中国が南シナ海の島を埋め立てたことは大失敗であったと書くことになるだろう。それは、戦前に日本が満州国を作ったようなものである。

 19世紀までは力のある国が海外の島などを勝手に自国の領土に組み入れても誰も文句を言わなかった。だが、20世紀に入ると国際世論なるものが醸成されて、力を持って勝手に領土を広げることはできなくなった。

 満州事変は1931年。日本はそれが原因で国際連盟を脱退しなければならなくなった。その後に起きた国際的な孤立とあの戦争については、今ここに書く必要はないだろう。

「赤い舌」などと称される九段線。中国が南シナ海での領有権を主張するために引いている破線(緑色)。(画像はwikipediaより)

 中国による南シナ海の領有宣言は満州国の建国によく似ている。誰がどう見ても「赤い舌」と呼ばれる水域は中国の領海には見えない。中国は明の時代に鄭和が領土宣言したなどと言っているが、そのよう歴史物語を持ち出すこと自体が国際的な常識とはかけ離れている。

 本稿の目的は中国を非難することではない。南シナ海の領有宣言が中国の未来に及ぼす影響を冷静に分析しようとするものである。

 領有宣言の背景には、過去20年間の中国の奇跡の成長がある。中国は大国になった。そして、軍事強国にもなった。その中国はアヘン戦争以来、屈辱の100年を経験している。強国になれば、過去の屈辱をはらしたいと思うのは歴史の常だろう。

日本はペリーによって無理やり開国させられた。その屈辱をはらすために「坂の上の雲」を目指して駆け登った。そして第1次世界大戦の戦勝国になって大国の仲間入りを果たすと、高揚感を押さえることができずに対外膨張策に打って出た。現在の中国は90年ほど前の日本によく似ている。

9億人の農民は置き去りのまま

 そんな中国には今も多くの農民がいる。現在でも農村に6億人もの人が住んでいる。都市に住む人は7億人。その中の3億人は農村からの出稼ぎであり、戸籍も農民のまま。「農民工」と呼ばれて低賃金労働に甘んじている。奇跡の成長の恩恵を受けたのは、都市に住み都市戸籍を持っていた4億人だけである。

 今、中国政府が真っ先に行わなければならないことは、成長から取り残された9億人のもなる農民戸籍を有する人を豊かにすることだ。農民が豊かになれば中国はもっと強い国になれる。

 行うべきは国営企業の改革と規制の撤廃である。その目的は、既得権益層である都市戸籍を持つ人々からお金を奪い取って、農民戸籍の人々に再配分すること。もちろん、中国共産党も頭ではこのことは理解している。

 だが、どの国でも既得権益層の利害に切り込むことは難しい。掛け声だけに終わることが多い(これについては『中国が民主主義導入を嫌う本当の理由』をご参照いただきたい)。

「国威発揚」の代償は大きい

 中国は改革よりも対外膨張政策に力を注ぎ始めた。その目的は国威発揚。それによって、成長から取り残された人々の不満をそらしたいと考えている。

 だが、対外膨張政策は高くつく。南シナ海を領有したところで、そこから得られる利益はたかが知れている。海底油田があるとされるが、原油価格が低迷している現在、そんな海底を掘っても採算ベースには乗らない。

 また、日本などを封じこめようとして船舶の航行を本気で邪魔すれば、それは大戦争の原因になりかねない。つまり、領有したところでなんのメリットもない。それは日本が作った満州国によく似ている。

 その一方で、領有宣言によって東南アジアやオーストラリアの不信を買い、挙句の果てアメリカまで怒らせてしまった。その反動でイギリスを抱き込もうと多額の投資を行ったが、冷静に考えればあの老大国に成長産業など生まれるはずもない。投資の大半はムダになるだろう。習近平がバッキンガム宮殿で飲んだワインは途方もなく高いものに付くはずだ。

 また、周辺国を味方に付けるべくAIIB(アジアインフラ投資銀行)を作って資金をばら撒こうとしているが、いくらお金を撒いたところで「赤い舌」の領有を言い続ければ、周辺国の信頼を勝ち得ることはできない。

中国経済の低迷は目に見えている

 中国はGDP世界第2位の大国になったと言っても、1人当たりのGDPは8000ドルであり、中進国に過ぎない。大国面してパワーゲームを繰り広げるのはまだまだ早い。

 習近平は対外膨張政策に打って出ることにしたが、それは、

歴史の法廷において大失敗との判決が下されると思う。泉下の小平も、まだまだ「養光韜晦」(能ある鷹は爪を隠す)を続けるべきだと思っているはずだ。習近平はあの世で小平に叱られることになるだろう。

 奇跡の成長を成し遂げることができた要因の1つに、米国が中国の製品をたくさん買ってくれたことがある。これまで米国は日本を牽制する意味もあって、中国に甘かった。それが中国の奇跡の成長を可能にした。だが、強硬路線は経済成長に欠かせない米国の支持を台無しにしてしまった。

 米国を怒らせては輸出の拡大など望むべくもない。次の20年、中国の成長率は大幅に鈍化しよう。そして成長が鈍化すれば、中国指導部内の権力闘争が激化する。天安門事件以来、中国の内政が安定していたのは経済が順調に発展していたからに他ならない。成長が鈍化し、もしマイナス成長に陥るようなことがあれば、共産党内部で深刻な路線対立が起きる。そして、その対立は経済成長を一層減速させることになろう。

 22世紀の教科書は、日本が満州国を打ち立てたことによって自滅の道を歩んだように、南シナ海の領有を宣言することによって中国は長期低迷に陥ったと書くに違いない。

 中国は曲がり角を迎えた。そして、それを決定的にしたのはこの9月に行われた習近平訪米である。未来の教科書は、ミュンヘン会談や松岡洋右による国連脱退宣言のように、それを歴史のターニングポイントとして大きく扱うことになるだろう。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45196

◆中国ショックは「二番底」に…国営含めた企業でデフォルト状態相次ぐ

2015.11.11 産経ニュース

 上海株が復調の気配を見せるなど一時のパニックは収まったようにみえる中国経済だが、実体経済は厳しさを増している。国営企業を含む社債などのデフォルト(債務不履行)状態が相次ぎ、輸出や輸入が大幅に落ち込むなど、チャイナショックが「二番底」を迎えつつある。(夕刊フジ)

 山東省が地盤で、香港市場に上場する中国山水セメントは5日、12日に期限を迎える20億人民元(約389億円)の債務返済が不確実だと公表した。これが支払えない場合、2020年に期限を迎える5億ドル(約617億円)の社債デフォルトの引き金になる恐れがあるという。

 また、四川省に拠点を置く石炭生産の恒鼎実業(ヒデリィ・インダストリー)が4日、1億9060万ドル(約235億円)の社債の元本と金利の支払いが期日通り履行できなくなり、事実上のデフォルト状態となった。ブルームバーグは「恒鼎実業の苦境は、中国の実体経済における連鎖反応かもしれない」とするアナリストの見解を紹介している。

 国営企業も事実上、初のデフォルト状態となった。10月19日、大手資源商社の中国中鋼集団(シノスチール)が20億元(約389億円)の社債が返済できず、支払いを延期している。政府が救済に乗り出すとの見方もあるが、巨額の負債を抱える国有企業はほかにも多く、習近平政権が進める国有企業改革の有名無実ぶりが露呈する可能性もある。

 中国経済の失速ぶりは鮮明だ。中国税関総署が発表した10月の貿易統計によると、輸出が前年同月比6・9%減、輸入は18・8%減と大幅に落ち込んだ。輸出と輸入を合わせた貿易総額のマイナスは8カ月連続で、減少幅は9月の11・4%よりも拡大している。

 1~10月累計の貿易総額は前年同期比8・5%減となった。年間で6%増とする政府目標を大きく下回っており、目標達成はほぼ絶望的な状況だ。国・地域別で見ると、日本は11・2%減と引き続き低調。欧州連合(EU)は8・3%減少した。

 中国企業のデフォルトの波は収まりそうもない。

http://www.sankei.com/world/news/151111/wor1511110006-n1.html

◆“限界”迎えた中国の価格統制 タクシー、地下鉄、株価… 市場無視できず

2015.9.30  産経ニュース

 8月下旬、中国東北部の吉林省長春を訪ねた。かつては旧満洲国の首都として新京と呼ばれた土地だ。関東軍司令部や満洲中央銀行など、満州国時代の建物がいまも健在で、主として政府機関として使われている。

 タクシーを呼び止めてみたら、先客が乗っているのでまごついた。私に行き先を聞いた運転手はそこまでの料金を告げ、話がまとまった。どうも、行き先が違う複数の客を相乗りさせるのが習慣化しているらしい。見ていると、ほかの利用者も客が乗っているタクシーを呼び止めて交渉している。

 中国のほかの街では、あまり見たことがないシステムだ。地元の名門校である吉林大学の経済学者に聞いてみた。初乗りが5元(1元は約20円)のタクシー料金は1998年から上がっておらず、運転手が収入確保のために客を相乗りさせるようになったようだ。

 国際通貨基金(IMF)のデータでは、2010年を100とした中国の消費者物価指数は1998年には81.76だった。今年4月の推計値は114.60だから、物価水準はこの間に4割も上がっていることになる。これでは運転手も対策を講じざるを得ないだろう。

 長春は人口762万人を数える大都市だが、公共交通機関があまり発達していない。タクシー利用者の不満を高めたくない政府が、料金を低いままに抑えてきたものと思われる。過去に何度か値上げの是非を利用者に問うアンケートが行われたが、当然ながら反対が圧倒的だったために実現していないそうだ。価格決定の権限を政府が一元的に握っているがために、庶民から不満をぶつけられるのを恐れる当局はかえって値上げしにくいという構図がみえる。

 この手の話は中国にはよくある。首都・北京では地下鉄料金が長らく、どこまで乗っても2元という破格の安さで押さえられてきた。これも、北京市政府が庶民の反発を恐れて値上げできなかったといわれている。路線網の拡大と運営コストの増大を受けてそれも限界を向かえ、昨年12月には距離に応じて3元から9元という料金体系に移行した。

                 ◇

 ベクトルは逆だが、「不満に火をつけないための価格操作」という点では、6月に世界を驚かせた株式市場への介入にも同じ構図がみえる。政府が大手証券会社に株式買い入れを支持したり、ETF(上場投資信託)を買わせたり、「悪意の」空売りを警察が捜査したりと、あらゆる手段を講じて株価てこ入れを実施した。

 もともと中国の株式市場は当局の関与が強い市場だが、あまりにも露骨かつ強権的な介入は世界を驚かせた。これで世界の投資家が中国経済を見る目が一気に厳しくなった。そのことに懲りたのか、2日間で上海総合指数の下げ幅が15%を超えた8月24、25日の暴落に際しては、当局はなんらてこ入れ策を講じずに静観したようだ。

 市場原理にさからって小手先の対策で庶民をなだめようとしても、どこかで無理が来る。そのことを中国当局も学びつつあるようだ。さまざまな分野に残る価格統制も、徐々に見直されていくのだろう。

 長春では、今年暮れに地下鉄の1号線が開業するらしい。2016年には2号線も予定されている。公共交通機関の充実に伴い、タクシーの相乗りもなくなっていくのだろう。(西村豪太)

【プロフィル】

 にしむら・ごうた 「週刊東洋経済」編集長代理 1992年に東洋経済新報社入社。2004年から05年まで北京で中国社会科学院日本研究所客員研究員。45歳。東京都出身。

http://www.sankei.com/premium/news/150930/prm1509300001-n1.html

 中国には誰もが知る有名なことわざがある。

 「過了這個村,没這個店」

 村をいったん通り過ぎてしまえば、もうお店を見つけることはできない――。日本のことわざで言うなら、「柳の下の泥鰌(どじょう)」。柳の下で一度、泥鰌を捕まえたからといって、いつもそこに泥鰌がいるとは限らない。いつも幸運を得られるものではないという戒めを込めたことわざだが、今の中国では、こんな解釈がはやっている。

 「その職場で、権限を使わないと、2度とチャンスは訪れない」――。

 習近平は「虎(大物)もハエ(小物)も同時にたたく」とのスローガンを掲げ腐敗撲滅運動を推し進める。共産党内部の権力闘争はいまだ冷めやらず、大物取りが連日、報道で伝えられる。それを見てスカッとしている庶民が実は腐敗にどっぷり漬かっているのだ。

 子供を有名大学に入れるための袖の下は序の口だ。将来自分の子を共産党幹部にしようと、小学校の学級委員にさせたり、病院で不機嫌な看護師から機嫌良く注射1本を打ってもらったり、ただそれだけのためにカネが動く。社会のありとあらゆるところで、賄賂の類いが頻繁に行き来する、それが中国の一面である。

 日本の場合、一般企業でも従業員が取引先から裏リベートを受け取れば就業規則違反による懲戒免職に相当する。それだけでなく、本来値引きで会社の利益になる分をキックバックとして受け取ったことが立証されれば、背任や詐欺、業務上横領などの刑事責任を問われる可能性もある。雇用主の企業にとっては思わぬイメージダウンにつながりかねない。独フォルクスワーゲンや東芝の不祥事で企業統治にこれまでにない厳しい目が注がれる中、日系企業はいつまで見て見ぬふりをできるだろうか。

日本国内の就業規則をこの国に持ってきては誰も企業活動など出来やしない。業者間や一般市民にまで常態化しているなかで日本だけが日本の企業倫理でやろうとしても、提携者すら相手にはしない。それほど社会にとってはリベートも謝礼も当然の行為である。これは習近平や共産党の誰が出てこようが止められない。

 「これ(腐敗)は、もはや中国の商習慣なんです」「中国の文化、必要悪なんです」「いまさら言ったところで、しょうがない」「目をつぶっておいた方がいいんですよ」「知らないふりが一番」

それを理解できない日本の本社は支那に企業進出する資格さえ無いと断言できるほどの常識なのである。

◆中国の過剰在庫も世界経済の重荷に

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)10月30日(金曜日)参
       通算第4709号   (特大号)
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 設備投資過剰という中国バブルは「鬼蔽」。過剰在庫をたたき売る
  AIIBも、BRICSも「一帯一路」のそのために設立したのだ
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 KFC(ケンタッキー)と「ピザハット」が中国から撤退する。
業績不振で採算があわないから?
 正確にいうと、親会社の米食品大手「ヤム・ブランズ」は別会社に中国KFCとピザハットの経営を移管し、本社事業から分離するという奥の手を使うのである。つまりファストフード業界さえ、中国では不振なのである。

「これからの世界経済を牽引する国々は?」という電子版アンケートによれば、第一は日米欧の先進国(25・9%)、ついでインド(19・8%)、三位が「先進国と新興国の両方」(19・2)、四位は東南アジア(18・4)、そして中国は僅か8・2%で五位(日経クイックボート、2015年10月22日)。
 この調査でも明らかになったように中国への期待は突然死を迎えたかのように世界的規模で萎んでしまった。

 上海株暴落と人民元切り下げを契機に外国資本はほぼ一斉に中国から撤退態勢にはいり、海外華僑のあらかたは資金を引き揚げた。
 猛烈に中国から流失するドルは、とうに外貨準備高を切り崩しており、小誌でも指摘したように海外旅行の外貨持ち出しを制限し、連銀カードの上限を設定した。だから、爆買いも、近日中に「突然死」を迎えるだろう。

 げんに日本の財界は数年前から「チャイナ・プラス・ワン」を標語に中国での生産活動を縮小もしくは撤退し、アセアン、インドへ進出を加速させてきたが、逃げ遅れた企業も夥しく、上海株暴落に連動してJFE、コマツ、資生堂、伊藤忠などは株価下落に見舞われた。

 中国の景気減速によって各社は利益を下方修正したが、なかでも日立建機は50%もの減益を記録した。キヤノンは12%の減益となった
 中国企業の経費削減で事務機、コピィ機器などが売り上げ低迷、また工作機械が頻度激しく使うベアリングも注文が激減して、日本精工もかなりの減益を強いられた。

 日本企業ばかりではない。
金融バブル時代にとことん利益を上げていた米国の金融関連企業も軒並み、中国失速の所為で足をすくわれ、経常利益を減らした。
 筆頭はゴールドマンサックスで、18%のマイナス(「トムソンロイター」が調べた2-15年7月―9月決算の速報による)、同、モルガンスタンレーが13%減、JPモルガン・しぇー素が6%、シティグループが5%、バンカメが2%となった。

▼深刻な在庫滞留とダンピング輸出

 さて、次なる難題は、ありあまる在庫処分である。
 鉄鋼、アルミ、塩化ビニール、板ガラス、そして自動車、精密機械部品等々。石炭も同類だが、倉庫に積み上がり、企業城下町は従業員を解雇している。大量の失業は町に溢れ、新しい職場を求めて都会へと散った。

 典型は鉄鋼である。
 2014年、世界鉄鋼協会の累計で実需より1億トンも多い8億2269万トンの鉄鋼を生産した中国は背に腹は代えられず、ダンピング輸出を開始し、うち2096万トンをアセアン諸国へ、381万トンをインドへ売却した。安値攻勢はWTO規則に抵触するが、被害企業が提訴し、結審されるころに当該企業は倒産している。

このあおりを受けたのは日本と韓国、そしてインドだった。
 日本からアセアンへの鉄鋼輸出は1205万トン、インドへ157万トンとなったが、中国の輸出攻勢でインドのタタ鉄鋼はリストラに追い込まれ、タイのSSIはとうとう経営破綻を迎えた。

ベトナムでは、鉄鋼の安値でくず鉄価格が暴落し、くず鉄業者は休業状態に陥ったという。
末端ユーザーは粗鋼やコイルなどは、安ければ買う。資本主義論理の宿命である。

 造船はどうか。フェリー事故であきらかにように軍艦はつくっても、フェリーなどを造れないのが造船王国の韓国と中国である。
 中国の造船城下町だった江蘇省南通市では「南通明徳重工」が倒産した。このため8000名の従業員が路頭に迷い、バブル期に開店した豪華ホテルには客がひとりもおらず、居酒屋、レストランは閑古鳥で廃業。まるでゴーストタウン化した。
 鉄鋼と造船、あるいは軍事産業が集中するのは遼寧省の通化、鉄嶺、営口、大連そして胡露島など。南へ降りて青島、上海などとなる。

 こうした中国の在庫処理的な安値輸出は世界の貿易秩序を破壊する。以下、同様にアルミ、セメント、石炭、そして精密機関部品、スマホ、液晶の分野も、中国は在庫処分に迫られる。
つまり各国の当該産業は大打撃を蒙ることになるのだ。

 ならばスマホなどで液晶を生産する台湾系の鴻海精密工業などはどういう処置を講じているのだろう
 鴻海は、じつは早くから工場の労働者不足になやみ(なにしろ最盛期、中国全土で120万労働者、同社人事部は毎日二万人が辞め、二万人が就労するという一種「職業安定所」(いまの言葉で言う「ハローワーク」)と化けていた。

 その奴隷工場のごとき悪魔企業の実態は、映画でも中国の暗部として取り上げられた。
 そこで、ロボットを大量に導入し、FA(ファクトリーオートメーション)を大胆に展開してきたのだ。結果はファナック、京セラなどロボット増産となり、やがて経済失速で両社の株価は暴落したままである。

 ▼新興工業国軍にも甚大な悪影響

 投資は中国からロシアから、そしてアセアンの一部から逃げ去り、逆に投資が増えているのはインドである。

 国際金融協会が予測する各国からの資本逃避は中国が抜群の一位で、同協会の数字でもプラスマイナスがマイナスの4776億ドル、以下韓国から743億ドル、ロシアから575億ドル、サウジアラビアからも854億ドルとなる。マレーシアも政治不安の襲われて不況入りしており、216億ドルが逃げた。
 とりわけ中国は海外からの直接投資が激減し、富裕層が海外へ資産を移転し、おまけに中国人ツアーの爆買いによるドル資産流失が加わって金融収支は赤字となっている。

 対照的にインドへの海外投資によるドル流入はプラスで475億ドル。ほかに海外からの流入が増えているのはブラジルとインドネシアなどで、これらを合計すると、新興工業国家群からは、じつに8000億ドルが流失したことを意味する。

 かくして「中国は非効率的な投資を積み上げて、実需を上回る過剰生産能力を築いた」のだが、その結果は「在庫の山を築き稼働率を落とし、価格低下を招いてこれがデフレ圧力となる」(渡邊利夫氏、産経。10月27日)
 
 果てしなき蟻地獄に中国経済は陥没した。だから拙著の新刊タイトルも『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』としたのである。

http://melma.com/backnumber_45206_6280100/

 ◆中国軍内で死亡事故が頻発している

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)10月20日(火曜日)
         通算第4689号   <前日発行>   
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 軍人を30万削減し、軍改革を前進させると習近平は獅子吼したが
   軍隊の事故は殆どが隠蔽されている
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 甘粛省酒泉の郊外、それも二百キロは離れた場所が中国の宇宙船打ち上げセンターである。
華々しい宇宙船打ち上げ成功のニュースの影で、これまでに五百名前後の兵隊が死んでいることは知られていない。付近には「英雄烈士」の陵園がある。

 2006年6月3日に安徽省で早期警戒機が墜落し、墜落現場の住民ともども40名が死亡したことは、つい最近になって明らかにされた。陵墓が建築されて判明したのだ。

 総政治部に特別調査班を組織して、過去の事故の報告をもとめた習近平は、ことし第三四半期まで(一月? 九月)の僅かな期間内にも陸海空ならべに第二砲兵(戦略ミサイル軍)で100件前後の「事故」が発生し、すでに40枚の軍人が犠牲になっているとわかって愕然としたという(博訊新聞網、10月17日)。

 空軍の事故は墜落事故が多いため、報道されることが多いが、軍の基地内部でおきた事故は決して外部に知らされることはない。
また軍艦区内でのみ報告されるため、中央への報告が遅れるか、報告されないでうやむやに消される。

 海軍事故は海の上のことなので、これまた外部はうかがい知れず、潜水艦事故などは、決して表沙汰になることはない。軍はこうした事故の秘密を守秘義務があるという。
 2003年4月6日に北海艦隊所属の361号潜水艇が山東省興で事故にあい、乗組員70名が死亡した。十日後に事故艦が浮上して漁船が発見したため、大騒ぎとなったが箝口令が敷かれた。

 14年6月17日、湖南省衝陽市にある76112部隊武器庫で爆発があり、17名が犠牲になったらしいが、殆どのメディアは報道せず、また軍の正式発表はなかった。

 ことほど左様に中国人民解放軍はあらゆることが機密になっており、内部のことをうかがい知るのは至難の業と言える。

http://melma.com/backnumber_45206_6274784/

◆「大風呂敷」広げる中国 ニカラグア運河建設、実現性に深まる疑問符

2015.9.28  SankeiBiz

 中米ニカラグアで昨年末、中国系企業が着手した運河建設。総工費500億ドル(約6兆415億円)を投じて太平洋とカリブ海を結ぶという壮大な事業だが、かねて実現性を疑問視する声も多い。実際に現場を訪れると、その疑いは払拭されるどころか一段と深まった。

 作業員の姿なく…

 トタン屋根の家の外を鶏がひょこひょこ歩き、解体を待つばかりの豚が木に結ばれている。酔っ払いが歌う地元の民謡ランチェラが訪問者を出迎える-。内陸部にあるニカラグア湖の南東の村、エル・トゥーレ。中米の典型的な田舎の風景が広がる。

 ニカラグアの当局者らによると、ニカラグア湖を経由し国を東西に貫く全長約280キロの運河建設で、同村は重要な場所に当たる。村は分断され、運河のために原則として湖に沈められることになっている。

 この運河建設は中米で過去最大のインフラ事業となり、2020年までの完工を目指す。オルテガ大統領が13年、中国人実業家の王靖氏が率いる香港企業HKNDに工事と運営の権利を付与した。南東約480キロにあるパナマ運河を通航しづらい大型船舶を引き寄せようとしている。

 この運河は当初から国内外の専門家に「無謀」とみなされてきたが、現地を歩くと実現性への疑いがますます強まった。もちろん、こういった大規模な公共事業で作業が進んだり止まったりを繰り返すことはよくある。パナマ運河も完成に何十年もかかった。だがエル・トゥーレの住民は、もう何カ月も建設作業員の姿を見ていないと証言する。これまでに終わった作業は、湖東岸での測地、西岸の港湾建設予定地での道路拡張や信号機改修など、ごくわずかだ。

 地元実業家の男性(32)は、事業が進まないことを確信しているので、村外れにゲストルーム3室を備えた2階建て家屋と、隣接するコンビニエンスストアを建てている。「運河なんてできっこない」とぶっきらぼうに語る。

 HKNDは取材に対し、運河の港湾は年内に着工されると回答した。また事業を進める前にニカラグア側が環境影響評価を承認するのを待っているとし、出資をめぐって世界中の企業と交渉しているとも明らかにした。

 だが、これまでのところ資金調達は難航している。総工費500億ドルは中米最貧国であるニカラグアの国内総生産(GDP)のほぼ5倍に当たる。HKNDによると建設にはコンクリート1600万立方メートル、鉄筋などの鋼材100万トン近く、岩石や土壌40億立方メートルの除去が必要なほか、ブルドーザーなど機材は輸入しなければならない。

 工事中断は茶飯事

 中南米やほかの発展途上国で影響力を広げようという中国の過去の試みは、成果にむらがある。バハマのリゾート建設(35億ドル)やコスタリカの製油所刷新(13億ドル)など、幾つかの事業は着工後に中断されている。

 ニカラグアの運河については、需要も見通せない。ファーンリー・コンサルタンツの海運専門家、スヴェレ・スヴェニング氏は、パナマ運河では50億ドルかけて進められている拡張で現行より大型の船舶が通航可能になると指摘。これに加えてニカラグアの運河を支えるほどの海運需要はないとの見解を示す。

 このほか、自然条件も厳しい。米ビジネス団体、米州評議会のエリック・ファーンスワース氏はニカラグアの運河について、国内の火山によって遮断されないようにするなど、克服すべき工学的・環境的課題が山積していると説明。「実現には大いに疑問がある」と語る。

 住民の間では建設への反発も強い。最も懸念してるのが立ち退き強制で、次が環境への影響だ。太平洋沿海のリオ・グランデ村に住む老女は、移住は「私の目の黒いうちは絶対にしない」と宣言。19歳の孫娘は中国語で「出ていけ、中国人」と書いたプラカードを見せてくれた。

 もっとも、住民の間でも支配的なのはやはり懐疑論だ。同村近郊に住む農場主の男性は「政治家はいつも壮大な計画をぶち上げては結局何もしない」と冷めた見方を示した。(ブルームバーグ Michael McDonald)

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150928/mcb1509280500011-n1.htm

◆中国人民解放軍30万人削減 軍内部で習近平氏への不満高まる

2015.10.04 NEWSポストセブン

 中国の習近平国家主席兼中央軍事委員会主席が、9月3日の軍事パレードに先立つ抗日戦争勝利と反ファシスト戦争勝利70周年の記念式典で、中国人民解放軍の30万人削減を発表したことについて、軍内では将校を中心に不満が高まっていることが分かった。削減されるのが非軍事部門のほか、高位の将校クラスが主で、特に将校の場合、年齢が高いことから再就職が難しいためだ。ロイター通信が報じた。

 習氏は記念式典で、「中華民族は一貫して平和を愛しており、発展がどこまで至ろうとも、中国は永遠に覇権を唱えないし、永遠に領土を拡張しない。中国は今後、軍隊の人員を30万人削減する」と宣言した。

 しかし、30万人削減については、事前に軍の将校らには伝えられておらず、突然の発表だったために、テレビの生放送を見ていた地方軍区の将校らは顔色を変え、パレード終了後、地方軍区の幹部らは司令官らに食って掛かり、不満を口にしたという。

 今回の軍削減について、軍機関紙「解放軍報」は「非戦闘部分などを削減して、戦闘力を高めることで、中国の軍事力を増強させて、他の国から攻撃を受けないようにする」としているが、元陸軍少将の徐光裕・中国軍制御削減協会理事は同紙に対して、削減の主な対象は陸軍で、旧式の歩兵部隊が中心であり、現在の地方の7大軍区のうち2大軍区を整理すれば17万人が削減され、残った18個師団のうち3個師団約3万人を整理するというもの。

 さらに、これに加えて医療、通信、文化宣言工作団など非戦闘部隊計10万人を加えて、30万人の削減を実現しようというものだ。新華社電によると、30万人の人件費だけで年間600億元(約1兆2000億円)節約できるが、これを振り分ければ、兵器・装備の一層のハイテク化が可能となると報じている。つまり、今回の削減はていのよい将兵のリストラというわけだ。

 中国では1978年末の改革・開放路線導入以来、1985年のトウ小平氏の100万人、1997年には江沢民氏の50万人、2003年の胡錦濤氏による20万の計3回実施されたが、削減とは名ばかりで、国防費は年々二ケタ成長を続け、兵器もハイテク化が進んできた。

 北京の外交筋は「非戦闘部門のスタッフの場合、一芸がある分、再就職は比較的容易だが、高齢の陸軍将校や兵士は切り捨てられる運命にあるだけに、軍内ではクーデターが起こりかねない状況だとの情報もある」と指摘する。

http://www.news-postseven.com/archives/20151004_353979.html
 



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