保証書の期限すぎればそののちは壊れてもよい電気製品

この電車は三宮まで停まりません。パニックとなりし各駅停車 (ああびっくりしたぁ所収)

中日阪神戦

2022年05月07日 | 日記

行き詰まる投手戦。延長で中日さよなら勝ち。
中日の大野は8回まで完全試合。青柳もよく投げて0-0。
8回の裏、2死一塁三塁のチャンスで大野に打順が回った。
普通なら代打やろう。ここで一点とれば9回表を誰かが押さえれば勝利。
しかし立浪は大野を打席に送った。私は立浪に男気を感じましたな。
ここで点を取れなくても完全試合をさせてやりたいのやで。

阪神も9回表2死走者なしで青柳に打順が回った。
ここもセオリーなら代打であろう。本塁打が欲しい。
ところが矢野は青柳をそのまま打たせた。
ここまで完封している投手をそのまま投げさせて勝利投手にしてやろうという思いが見えた。

お前にまかせた。二人のこういう姿が監督の本来であろう。ほかの選手も燃える。
解説の川崎憲次郎も感動したと話していた。
終盤まで好投してきた投手をあっさり代えて、当然とも言える勝ち星権利を奪い取るロッテの井口監督とはえらい違いである。


平尾誠二さんのこと

2022年05月04日 | 日記

2015年英ワールドカップ開催時、平尾はクリームシチューの上田が司会するラグビー特別番組に出ていた。
解説者として大会前の8月から出演しておきながら肝心の試合、初戦に出て来なかった。その次の試合もパス。その間、キザで鬱陶しい舘ひろし一人が出ていた。私は平尾を見たかった。こいつはいい。

次に平尾を見たのは、決勝Tへ進出するには4トライしてスコットランドを上回る必要があったのにリーチマイケルがチャンスでPGを指示して勝ち点を追加できなかったサモア戦。10月3日。随分とんでいる。そして頬がこけっていた。この日上田は「トライが欲しかったですね平尾さん」と尋ね平尾は笑いながらええまあと答えた。平尾なら当然そう考えるやろう。予選で終わってはいけない。館は「平尾さんがおっしゃるように」としか言わない。私は改めてこいつ要らないと思った。わずか1ヶ月のあいだに平尾はとても痩せてしまっていた。

3勝1敗の日本は予選で退き私のちょっとした疑いも自然消滅していった。この時、胆管がんは進んでいたのやね。検査で進行が判明していた。一方私はガンなど疑わなかった。平尾ほど恵まれた人生はない。彼の才能も大きいし運も素晴らしいと思っていた。一人の才能だけでは高校大学と優勝できないしまして社会人7連覇などできるわけがない。ラグビーは一人ではできない。才能と同時に素晴らしい出会いなど運もあったことは間違いない。

家は私と同じ住吉山手。住吉山手は縦に長い。阪急御影駅を山側に降りればそこは住吉山手1丁目。そこから山手へ2kmある。彼の住む9丁目は一番山手で標高は200mを超える。家は9丁目でも最も高い場所にあった。つまり最後に開発された住宅地である。

私は以前、各戸に配布される地区の住宅地図に平尾の名を見つけていた。講演一回で55万を取ると言う彼はどんな家に住んでいるのやろう。平尾は会社の給料より講演代のほうが多いという。年収は同僚の倍以上。55万は50万が彼の手元に残るよう設定した金額。大八木は25万。1日で50万と言えばすごい収入や。そんな人おらん。

どんな素晴らしい家に暮らしているのか。私はまずヤマトのドライバーに訊いた。平尾さん9丁目に住んでるんやて。ええそうですよ、豪邸です。私は俄然興味が湧き、車で訪ねてみた。住宅地図から想像した通りの素晴らしい環境。木々に囲まれた静かな場所に新しい住宅が3列立ち並ぶ。敷地は100坪ほどか。とてもモダンな家で一部とんがった小塔がある。ペンション風デザイン。北隣は空地でもう山側には家はない。こう書けばグーグルビューでも眺められるかもしれない。サラリーマンでは申し分のない、儲かっている社長が住むような家である。そして私は呼び鈴も押さず静かに帰ってきた。

そんなこともあって私は彼ほど順風満帆な人生を送る人はいないと羨望めいた気持ちで思うようになった。それが突然こうや。人生なんてわからんね。彼が亡くなる少し前、ドライバーは私に言った。「平尾さん、こないだ車に乗り込むのを見ました。足はもうこんなんです」。かれの両手は小さな輪を作っていた。それは入院やねと私は返した。

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