月日は百代の過客にしてー旅の思い出・味の思い出ー

思うように旅にも飲みにも行けない昨今であるが、自分なりの旅の思い出や食べ歩きの思い出を語ってみたい。

38年ぶりに神楽坂の伊勢藤へ

2023-02-13 00:36:20 | 
38年ぶりに神楽坂の伊勢藤へ

令和5年2月9日、早稲田大学の
近くで会合が有り、東京へ。其の日は品川近くで身内と夕食を取る約束を
していた。夕食の約束の時刻の午後7時までやや時間が有る。あの店に
ちょっと行ってみよう。地下鉄早稲田駅から東西線で一駅、神楽坂駅へ。
目指すは酒亭「伊勢藤」。




 伊勢藤という店の存在を知ったのは、滝田ゆうの漫画エッセーである。
あの頃(大学生のころ)吉田健一や池波正太郎や開高健の酒やウイスキー
や料理のエッセーをよく読んでいた。勉強の本はあまり読んでいなかった
なあ。今と違って、スマホのナビなんて無いし、会社員じゃないから
ゼンリンの住宅地図なんて持ってない。そんなに遠い場所ではないけれど、
花柳街の神楽坂なんて田舎もんの貧乏学生にとって異世界である。立ち寄り
難い場所であった。飯田橋の映画館に行った帰りに神楽坂をぶらぶらしてい
たら、伊勢藤の前に立っていた。実に渋い。非常に風情のある佇まいの店が
目の前にあった。とは言え、田舎もんの貧乏学生には敷居が高く感じられた。






 サラリーマンになってから、意を決して行ってみた。木戸を引いて
店に入ろうとしたら「本日は終わりました。」と店の亭主に言われた。
時刻は午後9時ごろであった。その次のときは、午後6時ごろに来て
無事入店できた。緊張感はあったが、店内の雰囲気は感動ものであった。
テレビのCM風に言えば「上質な場所で、上質な時間を味わえた」気分
でした。酒は白鷹だけということは知っていたが、いろんな種類の純米
吟醸を飲み比べていた私にはちょっと物足りなさを感じた。20代の後半に
一人で2回、友人と一緒に2回くらい来たと思う。

 最後に伊勢藤に来たのが、昭和60年の2月ごろだったと思う。あれから
38年も経っている。神楽坂の表通りも、裏も横丁も随分と変わったように
感じる。神楽坂駅を降りて飯田橋方面に向かうが、どこから左側の路地に
入れば良いのかわからなくなってしまっていた。うろうろしながら、無事に
たどりつき、入り口の戸を押したら店主に「そちらは勝手口です。右の方から
お入りください。」と言われ、入り直す。

 店はそんなに混んではいなかった。カウンターには一人。テーブル席の
一つに二人組。座敷にも二人いるようだ。店主から「カウンター、お好き
なところへどうぞ。」と言われ、カウンターの一番奥の席に座らせていただく。
店主が銅壺で温めた燗酒を徳利に入れる様子が見れる場所である。お酒は燗で
頼み、味噌田楽を注文。今の季節の熱燗はうれしい。この店だからこその旨さを
感じます。お通しもおいしい。2本目の燗酒を頼む時に、えいひれを注文。
えいひれはすぐに来たが、味噌田楽はなかなか来ない。お通しとえいひれで
二本目の徳利の酒が進む。次の予定もあるので、「味噌田楽、まだかかりますか?」
と聞いたら、少し待って出てきた。味噌田楽を食べ終わって、お勘定。
3200円ぐらいでした。ご馳走さまでした。また、飲みに来たいが、他にも寄りたい
店があるから果たして来れるかどうか、微妙です。

にほんブログ村 酒ブログへ
にほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ようやく席につけたのは、シ... | トップ | 仙台 国分町3丁目 みょうが... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事