月日は百代の過客にしてー旅の思い出・味の思い出ー

思うように旅にも飲みにも行けない昨今であるが、自分なりの旅の思い出や食べ歩きの思い出を語ってみたい。

佐賀県  唐津市 加部島のイカ

2011-09-20 20:54:17 | 旅行
 2010年8月31日、伊万里市に用事が有って、まず福岡空港に着く。大学時代の先輩で唐津在住の方がいるので、出発の数日前に電話したら「是非、会おう。仕事?今更あくせく働く年でもないし、休みでも取るさ。」とのこと。
 福岡空港からレンタカーで伊万里に到着。伊万里について先輩に電話。「そこまで20分ぐらいで着くから。そこで待っとれ。」ほどなく先輩が到着。大学出てから、30数年。お互い年を取った点は否めないが、先輩は昔とあまり変わっていなかった。

「まあ、俺の車に乗れ。」と言われ、先輩の車に同乗。
「30分くらいで着くから、イカでも食べよう。」と言いながら、地方の幹線道路を走ったかと思うと、とんでもない山道を走り、農道みたいな道を走り、秀吉の朝鮮出兵の前線基地名護屋城の脇を通り、呼子の港へ。

 西日本の「うまいもん」に関してはほとんど知識の無い小生であるが、数年前にキリン一番搾りのCMで俳優佐藤浩市が烏賊シューマイをうまそうに食べていたのが記憶に残っている。
「ここが、その呼子か!」と感激に浸っていると、先輩の車は呼子の「イカ料理専門店街」(変な表現だが、アリだと思います。)を通り抜け、橋を渡って加部島という島に。

 入ったお店が「活魚料理 かべしま」。

そのまんまじゃないかと思わずツッコミを入れたくなる店名。
大潮コース(http://www.kabeshima.com/menu.html#menu1)を注文。
「ビールでも飲む?」と先輩は言ってくださるが、先輩に車を運転させて私だけ飲むという訳にはいかない。
「夜にいただきます。今はいいです。」と私には珍しく遠慮した。

イカの姿造りとゲソ天はうまかった。イカ刺しはずいぶんだべてきたが、こんなに透き通ったイカのお造りは初めてだった。


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池袋  日本酒Bar希紡庵

2011-09-16 23:25:53 | 
2011年1月25日、所用で池袋のホテルメトロポリタンに泊ることになった。

 2年前に赤羽に用事があって上京した際に、池袋に来て以来である。昭和50年代には結構通った街である。しかし、駅の中も周辺も30年前とはだいぶ様変わりして、どっちがどっちだかわからず完全に「おのぼりさん」状態であった。

 さあ久しぶりの池袋。今宵はどちらで一献を傾けようかと思案する。懐かしの「笹周」か、2年前にも入って好印象だった「おまた」か、さっき駅西口を歩いていて「なかなかシブそうだなあ。」と思った「てしごとや」か、迷った。どれ、池袋で日本酒メインの店で高評価なところはどこだろうと食べログで検索してみる。「日本酒Bar希紡庵」という名前がヒット。Barと銘打った店の方が一人で行き易いと思い、行ってみる。階段を降り、店のドアを開けてみる。

 あまり広くはない。カウンターだけで、席は8名分か9名分ぐらいでした。先客は2名ほど。途中、2名ほど客が増えました。

 マスターはかなり若い。でも、かなり酒について研鑽を積んできていることが感じられた。西日本のまだ飲んだことがない銘柄が多かったと思う。そういう中にあって、何故か「吾妻峯」だけが多くの種類を置いている。

マスターに「岩手県出身なんですか?」と質問。

     「いいえ、違います。」

     「どうして、吾妻峯だけ多いんですか?」

     「ここの蔵で、蔵人として修行させていただいたことがあるんです。」

     「岩手の酒がこんなに置いてあると、岩手県出身者としてうれしいですね。」


 上野にある奥様公認酒蔵「岩手屋」のように経営者が岩手出身なら、岩手の酒を多数置いていても不思議はないが、こういう縁で岩手の酒を置いていると聞いて、うれしく思いました。

 先客のお二人は常連のようで、マスターとの日本酒談義が弾んでおり、それぞれの日本酒への造詣の深さが感じられました。一人でやっている店なので酒の肴の種類はあまり多くはないが、酒と合わせて楽しめる料理を出そうという心意気を感じました。東京池袋という立地を考えれば、料金設定は良心的であり、コストパフォーマンスが高い店だと思いました。


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名古屋  大甚本店

2011-09-05 12:47:16 | 
 太田和彦氏の『全国居酒屋紀行』をはじめとして、ブログ上でも多くの酒ブロガー居酒屋ブロガーに紹介され、称賛されている居酒屋です。

 20数年ぶりに名古屋に来る用事があり、名古屋までの新幹線の切符を買いました。でもいつの間にか私の中で、本来の用事よりも『大甚本店』訪問が主たる目的になってしまったようです。

 9月2日、栄にあるホテルには午後3時ごろチェックインし、伏見まで歩いてみる。午後4時の少し前に店の前に到着。隣のドラックストアーで夜の飲み会に備えてウコンドリンクを買って店の前に行くと。「営業中」の札になっていました。建物は黒塀風の3階建て。篆刻のように作られている「大甚」という看板が店の歴史を感じさせる。携帯のカメラで撮影しようとしたら、店のおやじさんが「電気を点けてあげるから。」と看板のところの蛍光灯を点けてくれました。私と同じように店の看板を撮影するひとも多いのでしょう。せっかくの御好意であったが、うまく撮れませんでした。看板はガラスで覆われており、そのガラスに向かい側のビルが写り私の顔まで写り、「甚」の字はカメラで撮れましたが、「大」の字は全く撮れませんでした。

 先客はひと組だけ。20代の若いカップルでしたが、こういう昔風の居酒屋に若いカップルというのは、やや不思議に感じた。店の雰囲気は、東京でいえば淡路町の「みますや」を彷彿させる雰囲気です。店の歴史が感じられ、店側と多くの常連客が作り上げてきた伝統というものが感じられた。

 「何を飲みますか?」と聞かれ、壁の札をみる。ビールはキリンとサッポロ。酒は賀茂鶴と菊正宗。「冷酒を」と注文したら、「賀茂鶴」の2合瓶ぐらいの瓶に入った生酒と杯が来た。
  つまみは自分で取りに行く方式になっている。大皿にはその日の料理が盛られ、さらにそれらの料理が一人前ずつ小皿に取り分けられていた。客はお盆を借りて好きな小皿をお盆に乗せて自分のテーブルに運ぶ。穴子の生姜煮、茹でツブ貝、レバー煮、子持ち鮎の煮びたしを最初に撮り、追加で冷や奴と鱸の肝煮を取り、さらに鱧の湯引きをいただく。名店大甚の味を楽しみたくてついつい取りすぎてしまった。

 6時からの飲み会のことを考えて酒は冷酒一本だけに留めておいたが、料理はついつい取りすぎてしまった。6時からの飲み会では、かなり高級なしゃぶしゃぶが出たが、あまり食べられなかった。
 大甚の肴はいずれも「これぞ酒の肴」と言えるものばかりであり、ポテトサラダや刺身も食べてみたかった。店に居たのは40分だけだが、その40分の間に1階はほぼ満席になり、2階にもどんどん客を上げていた。いい居酒屋が持つ空気が感じられた。以前記事に書いたこともある「江戸一」などでも感じられた空気である。短い時間ではあったが、大甚の料理と空気に癒されたひと時でした。

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