気楽に山歩き

山歩きもHPも気楽に楽しむ日々を綴ります。話題は主に山歩き関連です。

『キッチン』 吉本ばなな著 (福武書店)

2016年11月10日 | 
本は手当たり次第、その時の気分で読んでいるので山歩きとは関係ないのもあります^^;

この本も又関係ありませんが、人生はなにがあるか分からないという意味では何らかのつながりがあるかもしれません^^;

『キッチン』他、一見明るいイメージですが、テーマは重い。
身近な人と死に別れたことで生きている人の生活や考えが否応なしに変わっていく様子を丁寧に書かれています。

年をとれば受け入れざるを得ないことも若い時となれば受け入れるのに大変なエネルギーが必要になります。
親の事情で祖父母に育てられ、若いころ死に別れた私ですから主人公の気持ちがものすごくよく分かりました。

「子供と年寄りがどんなに陽気に暮らしていても、埋められない空間があることを、私は誰にも教えられなくてもずいぶん早くに感じとった。」とか、「本当に暗く淋しいこの山道の中で、自分も輝くことだけがたったひとつ、やれることだと知ったのは、いくつの時だろうか。愛されて育ったのに、いつも寂しかった。」・・・これらを読んだ時は胸がキュンと甘酸っぱく涙が出そうになりました。

親に反抗しながらも皆元気に育った人や、祖父母と一緒に暮らしたことの無い人には少々分かりづらい感情かもしれません。それはそれで、皆それぞれにいろいろな思い、人生がありますから一概に決めつける訳にはいきませんが。

世の中には胸の中に涙の泉を抱えている人が、大勢いるのだろうなと思います。
でもその泉が糧となり、時間が元気を取り戻してくれて、いつか頑張れるようになるのですよね。

『キッチン2 満月』では「なぜ、人はこんなにも選べないのか。虫けらのように負けまくっても、ご飯を作って食べて眠る。愛する人はみんな死んでゆく。それでも生きてゆかなくてはいけない。」という件がありました。そうなんですよ。人間って、なんて悲しい時にお腹が空くんだろうって思いますもん。


『ムーンライト・シャドウ』
最後に「(略)生きねばなりません」というのが一番言いたかったことかなと思います。
例え死別したとしても、生きている人は生きねばなりません。頑張って生きねばなりません。




大切な人の死に直面した後、生きるということをいろいろ考えさせられるストーリー。
不自然に思える出会い、同居、などの設定は、この際関係ないですね^^


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2 コメント

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懐かしい! (くっきー)
2016-11-11 08:24:01
中学から高校生頃に吉本ばななさんにはまって、
読みまくりました。
今読んだら年を重ねた分感じることも違うかもですね。
実家に置いてあるはずだから探してみようかなぁ。
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くっきーさん (sanae)
2016-11-11 13:56:15
まさかここで誰かがコメントくれると思っていなかったので嬉しいです♪
恥ずかしながら吉本ばななさんの本を読んだのは初めてなんですよ(^^ゞ
ペンネームから察してもっとカジュアルなというか、コミカルなものを書かれていると思ってました(^^ゞ
でも図書館で惹かれて何となく手にして、読んで良かったです。
本も出会う時期というのがあるのかもしれないな・・と思っているところ(^^ゞ
今の出会いで良かった気がします。
本が捨てられないのは若い時と年数経った時と、また感じることが違うんだろうなと思うところなんですよね(^^ゞ
本棚を見ながらいつか読み直したいときがくるかもしれないって、思うんです。
図書館とは違った小さな世界ですけど大切なんですよね(笑)
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