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世界最古のヒスイ加工

2020年04月17日 | ナンバ歩き研究会
世界最古のヒスイ加工
日本における玉文化の特色の一つに、ヒスイの加工、すなわちヒスイの玉作りの実施をあげることができる。鉱物としてのヒスイは漢字で「翡翠」と書く。翡翠(かわせみ)という名の鳥がいるが、雄を翡、雌を翠という。その緑色に透き通った羽と類似するので、同じ文字が当てられたらしい。軟玉と硬玉を総称して翡翠と呼ぶこともあるが、考古学では硬玉限定している。硬玉というだけあって、硬度は6・5~7で硬く、ハンマーで叩いても容易に割れない。また、比重が3・3~3・5で、他の岩石より重い。見かけが似ている蛇紋岩などと区別するとき、手に持って重く感じ、頬に当てれば冷たく感じるといったことで経験的に見分けることができる。なお、中国で「玉」と称しているものは、ネフライト(軟玉)が主である。

翡翠は輝石の繊維状結晶が集合したもので、ネフライトは角閃石(かくせんせき)の繊維状結晶の集合がもととなっているので、両者は自ずと鉱物的に異なる。このような硬玉を縄文人は加工し、穿孔し、装身具に利用している。最近、新潟大学名誉教授の芽原一也氏の研究によって、太平洋東岸のメソ・アメリカ(中米)では、紀元前2500年以降のマヤ文化や紀元前1500年以降のオルメカ文化などにおいてヒスイが大量に使用され、独自のヒスイ文化を形成していたことが明らかにされている。世界の二大ヒスイ文化圏といえば、日本とメソ・アメリカを指すという。特に、日本では縄文中期(紀元前3000~同前2000年)に盛行していて、メソ・アメリカよりも早くにその加工が実施されている。つまり、日本の縄文ヒスイ文化は世界最古の硬玉加工の文化であったということができる。現在では、縄文時代のヒスイの加工は周知のところとなっている。しかし、昭和の初め頃までは日本での原産地は知られていなくて、ヒスイ製の造物はミャンマー(旧・ビルマ)産や中国産の翡翠原石(注―中国のヒスイは清代以降ミャンマーから輸入されたものである)であるとされていた。

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