「ひ」からはじまる絵本は、好みと言うか良さそうな作品が多かったので、2巡目のさらにその②です。
ひみつのさくせん ニコロ・カロッツィ さく 橋本あゆみ やく 化学同人
柔らかな雰囲気の絵ですが、ストーリーは、なかなか大胆なネズミたちが主役で、猫は脇役(笑)
文字がとても少なめな半面、それにしては動きのある展開なので、逆に文字が少ないことでじっくりと「絵」からその動きのあるストーリーを楽しめる感じがします。
ピヒュッティ 北極を風と歩く 文 荻田泰永 絵 井上奈奈 講談社
文の作者さんは北極探検家とのこと。
この絵本の文はまさにその実体験から生まれたものだけに、北極の風、動物たち、などはとてもリアルに感じられます。
たくさんのホッキョクウサギが身を寄せ合っている絵がありますが、一度TVなどの映像でその様子を見てみたい。。。
死と隣り合わせの世界でテントを張ってその中で眠る時、探検家に聞こえる北極の風にはいろんなものがとけあっている。
そして探検家は夜が明けた時、目覚める。
ピヒュッティというのは「雪の中を歩いて旅する男」という意味で、荻田さんがイヌイットの友人からもらったイヌイットネームだそう。
ヒョウのハチ ぶん・門田隆将 え・松成真理子 小学館
太平洋戦争の頃、中国で生まれ、日本の兵隊たちに保護されて日本へ渡ったヒョウの物語。
人間に慣れ、人間を信頼してくれた一頭のヒョウに愛情を寄せる優しい兵隊さんたち。
動物の命を慈しむという、時代を超えた尊い愛の物語でありながら、ハチの物語が展開されたのは人間同士がお互いに殺し合い、動物園の動物たちも毒殺された戦争の時代でもあったことがとても悲しく切ない。
ハチのはく製は今でも高知県の「オーテピア」の高知未来科学館で展示されているそうですが、そのウェブサイトに載っていた「人に愛され、人ともに生き、人を勇気づけ、そして人に命をうばわれたヒョウの「ハチ」」という説明がすべてを語っていますね。
痛みの激しかったハチのはく製は、2009年に多くの人の募金によって修復されたとのこと。
21世紀でも、この科学館の来場者さんたちがハチの物語に興味を持って、そしてハチが教えてくれる大切なことを忘れないでいてくれたらと思います。
いつまでも、ハチの姿を大事に展示し続けて欲しいです。高知県の皆さん。。。どうぞよろしくお願いします。
次は「ふ」の2巡目です。