「る」3冊、「れ」2冊、借りてきました。
ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家 エイミー・ノヴェルスキー 文 イザベル・アルスノー 絵 河野万里子 訳 西村書店
この作品はフランス生まれの彫刻家ルイーズ・ブルジョワ(1911年~2010年)の生涯がもとになっています。
私はこの女性彫刻家のことは知りませんでした。
タペストリーを修復することを家業とする家に生まれ、糸や針でタペストリーをなおす作業をする母親の姿が、壊れた巣を糸でなおすクモに似ているということで「ママン(おかあさん)」と名付けたクモの彫刻作品などで知られている方だそうです。
クモというと大きなものはちょっと気持ち悪くて正直、あまり良いイメージがないので、クモに母親の姿を重ね合わせると言うのは新鮮な驚きです。
クモって害虫を食べてくれる益虫だと言いますよね。私も、家の中に小さなクモがいるのを発見してもあんまり大騒ぎはしないかな(笑)
でも大き目のクモだと、ティッシュでつかまえて屋外退去させます(笑)
大きいクモで私の中で一番印象が強いのは何といっても『指輪物語』のシェロブですねえ(笑)
『指輪物語』の作者、J.R.R.トールキン教授はクモが大嫌いだったそうですから、ルイーズ・ブルジョワさんのクモの彫刻を見たらどんな反応をしただろう。。。
ところで、この絵本の絵を担当したイザベル・アルスノーさんは『めをとじてみえるのは』の絵を描いた方でもあります。繊細な感じの画風が素敵です。
絵本の文中で赤い文字になっているのはルイーズさんの語録からの引用(巻末に説明あり)。
やぶれた・ほつれた布、切り裂かれた布を、繕い、縫い合わせ。。。それは心の傷をいやすことでもあるのかな。
ルイーズさんの生涯を追う以外にも、趣味や仕事で布や糸を使う作業に親しんでいる人にとっても楽しめる作品だと思います。
ルナのたまごさがし 作・絵 たなか鮎子 フレーベル館
『不思議の国のアリス』ではうさぎ穴に飛び込んだうさぎを追ってアリスが不思議の国へ迷い込みますが、この絵本ではイースターの卵から飛び出したうさぎに誘われて、ルナという主人公の女の子が卵探しにでかけます。
引っ越してきた町の学校になじめなかったルナちゃんですが、学校のともだちも卵探しに加わって。。。
「たまごがぱりん!」という言葉の繰り返しがたのしい。
本文の後にイースターについての説明ページがあってカラフルに絵付けされた卵は本当にきれいです。
以前は日本ではなじみのなかったハロウィーンが今やバレンタインよりも大騒ぎなくらいのイベントになって(私なんかはいい大人の行き過ぎた仮装は冷ややかな目で見てますけど。。。)、こういう流行ものに弱い日本では、そのうちいずれ、イースターももてはやされる日が来るんでしょうかねえ。
ルビーとレナードのひ・み・つ ジュディス・ロッセル 作・絵 ささやま ゆうこ 訳 PHP研究所
「とだなのおくにあるビスケットのカンのうしろ」に住んでいるルビーとレナード。
それは誰か人間の家なはずで、他のおおぜいの兄弟と一緒にくらしている、というのは可愛いけれどもこんなにたくさんネズミがいたら正直どうだろう、と苦笑いしてしまった(苦笑)
他のきょうだいたちには秘密でケーキを作り始めるルビーとレナード。
「かんたんかんたん」というところも含め、ノラネコぐんだんがパンを作るところを思い出しました。
ノラネコぐんだんと違って失敗せずにちゃんと焼きあがったケーキ。そして最後は。。。
本文の後にカップケーキのレシピが載っていて、この絵本を読んだ子供なら作りたくなるだろうなあ。
私も洋菓子を作るのが好きですが、アイシングはやってみたことがないのでやってみたくなりました。
食紅とアイシングを組み合わせるといろんな色でデコレーションできますよね。海外に行くと水色とか、日本人の感覚では食欲がなくなる色のケーキ(笑)もよく見かけます。
れおくんとちいさいいもうと 野見山大輔 作 朝比奈かおる 絵 学研プラス
泣いてばかりの妹猫、ななちゃんと、お兄ちゃん猫のれおくん。
泣く妹をお母さんが抱っこするのを見て、「自分も泣いたらお母さんが優しくしてくれるかも」という方向へ行かなかったれおくんはエライ。
それどころか、お留守番の際、妹が泣いたら遊んであげようと、あの手この手をつくします。立派なお兄ちゃんだねえ。
でもうまくいかないので自分も泣いてしまう。。。
母親、兄と妹、という3人はすっかり擬人化された猫だけれど、妹ななちゃんが泣き止むきっかけとなったのは、猫ならではです(読んでのお楽しみ)。
優しいお兄ちゃんと可愛い妹がほほえましい一冊です。
レモンちゃん さとうめぐみ PHP研究所
あまり期待せずに借りた(失礼)割には、ストーリーが面白かったです
リンゴや桃やバナナなどの果物仲間に入れてもらおうと思ったら「レモンは甘くなくて酸っぱいから」という理由で仲間に入れてもらえなかったレモンちゃん。
大根、きゅうりなどの野菜たちの仲間にも入れてもらえず、「やくみ」グループのところへ。
小さな子供だと「やくみってなんだろう」と思うだろうけれど、それはレモンちゃん自身も同じなので読者の疑問もすぐ解決しますから大丈夫。
ワサビ、ショウガ、唐辛子の薬味グループは見るからにワルそうだけれど。。。人は見た目で判断してはいけない(笑)
ゆずねえ、かぼすねえもふくめた薬味グループは果物や野菜たちのピンチに大活躍。
そのピンチをもたらした、ワルを通り越しての本物の悪者は、読んでのお楽しみ。
キウイが羽になったちょうちょが飛んでいたり、イチゴやラズベリーの実や、プチトマト、オクラ、パプリカの断面などが花として咲いていたり、登場人物たちの周囲にもいろんな野菜や果物が散りばめられていて楽しいです。
秀逸なのは青唐辛子がイモムシみたいになっている子。かわいいなあ。
果物も野菜も、縁の下の力持ち的な薬味も、みんな自然の恵みですね。
今回はおまけで、絵本でなく漫画のレビューも(笑)
喫茶アネモネ1 柘植文 東京新聞
待ってました書籍化
1月24日(日)に届いて、翌日、大事な仕事を控えていたので読まないつもりでいたのですけど。。。ちらっとページを開いたら、いかん、全部読んでまうー(笑)
でも強い意志?で半分ぐらいまでにしておいて後からじっくり読みました(笑)
108篇、収録されていますので、これまで中日新聞に掲載されたものもあり「あ、これ読んだ」ってのもありますが、意外と、それが少ない気が。。。
そして驚くのは、この書籍化第一巻が出た後、毎週月曜の中日新聞に掲載されているものがこの第一巻には載ってないものだということ。
中日新聞ではまだ108篇も進んでないので、てっきり、本を買ったら先に読んじゃうことになると思ってました。
なので引き続きスマホで紙面を撮影して保存もしているのです(笑)
マスター、よっちゃん、常連のお客さん。。。アネモネワールドにあなたもほっこりすること間違いなし(笑)(笑)
コメント欄閉じています。読んでくださってありがとうございました