山内さんの「おちくぼ」1巻を購入しました。落窪物語に関して言えば、一応重ね読みはしたので、内容は頭に入ってます。ですから、まず間違いないネ! 揚々と。まだもったいなくて読んでません。ああ楽しみ。
ですが、ワタクシとしましては、実は題名の「有明の別れ」をできればマンガ化してほしかったです。もしくは少女小説化をぜひ!
内容としては、男勝りな姫君が男装して出仕する話です。そう聞くと「とりかえばや」とどう違うんだいなんですが、これはこれで味があっておもしろいのですよ。
原文を比較検討をした話も聞きますが、私は別物として読めたのでまったく問題ありませんでした。というか「ざ・ちぇんじ」がお好きな方は元の「とりかえばや」よりこっちのが絶対面白いはずです。
とりかえばやでは綺羅君(姉)の方が氷室さん山内さんと違ってかなり可哀そうな目にあいますし、アホな宰相中将があたしゃもうキライで。
その点こちらはひたすらに帝があれやこれやと構い倒してくるだけなので楽しいです。びーえるぽいのもおっけーて世相ですから、帝は美しい右大将の君を男覚悟で押し倒すんですよ。トーサクの極み。
で、紆余曲折の末右大将の君は早逝したことになって新たに妹君として女御入内あーんど立后まであって、まあご都合主義というか大団円の権化です。
しかもまだその後があって、立后して中宮になった後、自分が男だった頃に子どもとして養育してた少年に言い寄られたりまあ、はっきり言って主人公アゲアゲなお話なのです。
以前勧められて図書館で借りて読んでみたのですが、できればこれをオナゴの作家さんが書いてくれないかなぁとその頃からずっと思っております。
これって、カテゴリー的にはどうよ、と思わなくもないですが、やはり書籍は書籍なのでBOOKに。
えーと、ほんとに本を読まない夏季休暇でした。多分に故意ではあるのですがね。ええ。テレビのというか過去映像の国のヒトになってちゃっていました。至福。
で、おもむろに手にしたのが烏ちゃんと一緒に、発売日直で購入して、とっといたこの本。置物スルー。
しかも付箋片手にだったものだからまー、手間のかかること。普段のワタシからは想像もつかないような速度で読了。
いやおもろいかおもろくないかはおいとくとして、マメな子だなぁとあらためて感心したので。ワタクシいつものことですが末のこういうアーティスティックつーか芸術家気質なトコロが、左脳左脳の団栗二人と同様、まったくもって理解できないタチでして、ふーん、そうかい、とページを繰るのが常という。あああああだからオンラインの方でも読まなかったのに。
ただ、何件かは、しみじみとしたりほのぼのとしたり、いちおう彼らのことで和んだのでにきに留めておこうと書いてます。
5人関連はまあ、とっても好きなのねぇと、ちょっと照れも入って書いてあるのが微笑ましいし、御大に関して言えば、いろいろ拗らせて、素直におめでとう一つ言えやしない辺りが、なんともまあウマーでございました。逆にときめきますよ。他のめんに対しては率直にはぴーばーすでいを言えるのに、何を照れてんだいアンタて感じで。あと56寺でゆってたネタにしづらいとか鑑みるに、率直に言い表せない、いろんなものを抱えているようで、それもまたキミタチらしいと。
で、実は一番心に残ったのは20140825で、特に誰に宛てたわけでもないですが、なんか相手として御大を思い浮かべてしまいました。一日いちにちを、指の隙間からこぼれおちる砂を眺めるかのように過ごしていた当時の御大に向けて書かれたもののように感じました。ひしひしと労わりと情愛とがにじみ出ていたので。すみません。
なんか相変わらず謎なコメントを日々残しつつ、オンラインの方は更新されているようですが、また機会があったら第二弾出してもらいたいものです。ふふふふ。だって膨らませる格好の材料なんだもん。
何をおいても読んでしまうあたりにもう、ワタクシの烏シリーズにかけてる情熱が分かるというものです。といっても週末なのが相変わらずの、とほほな生活状況ですが。
いやー、しかし面白かった。
てっきりゆっきー(雪哉少年)が勁草院卒業してからと思っていたので、何コノ学園モノ!?と驚愕しましたさ。
いやでもしかし面白かった。ほんっと、何でもありだな烏シリーズ。そんでもって作者様の力量に感服。
苦手分野とかないのかこの人。
お話は、勁草院での雪哉少年の学生生活を軸に語られていくのですが、まず登場人物が魅力的。特に茂さん。人格者。千早くんも拗ねた感じがイイ。明留くんとかもう、なんつーか学園もののテッパンて感じで、みんなみんな魅力的なんですよう。でもでも、私の中で最大ヒットは市柳センパイでした。ちょー、好きです。後輩に利用されてやる何て素敵な先輩。彼の行く末について特筆されてないのだけが心残りです。
まあ学園ものですから、若宮殿下の出番やらやりとりやらが少ないのは仕方ないよなぁと途中もの寂しく感じることもありましたが、最後にそれ補って有り余るときめきどころが用意してありまして、もんどりうちました。
ゆ、ゆっきー……何なの。その腹黒さ。アンタ、勁草院入りの真の目的はそこだったのかい。
と、改めて雪哉少年の優秀さと若宮殿下との親密っぷりに戦慄し、卒業試験も終えて、やれやれと思ってた矢先にまた猿が。
猿が!
ぎゃぁぁああああてなもんでしたよう。何もこの終盤になって出てくることないじゃんかー! こちとらほっこりと本を閉じようと思ってたのにぃぃぃ。
先代様がどうのとか、何で猿たちは八咫烏を襲うのかとか、シリーズ全体の根幹を思いっきりつきつけられました。
それで来夏まで待つんですかぁ(泣)。
いえね、緻密な作家さんですから、それは仕様がないのかもしれませんが、つらいです。待つ身としては。
今さらだけど、もっと巻数かさんでから手に取りゃよかったよ…。
と言いつつも、首キリンにして来夏を待とうと思います。あー、遠いー。
文庫化したから手に取りました。いや、俺様セッターて、とびおちゃんとどう違うの?て不遜に挑んだわけですが、文字でスポーツ表現することの難しさを見事に払しょくしつつ、ときめき盛りだくさんのお買い得品でした。
有名私立強豪校で、メンバーと決定的に決裂して、祖父母宅に引き取られた天才セッター灰島公チカが、幼馴染黒場ユニといっしょに、自分の高校バレー部を春高バレーへと導いていくお話ですが、たいへんおもしろく読ませていただきました。俺様セッターでも、チカはどっちかってーと俺様エースのたくちゃんに近い気がします。
2ndシーズンの方が、バレー描写も増えて、断然おもしろいのですが、1stシーズンの方も丁寧に人物が書きこまれていて、2巻を堪能するにはやはり読んでおかないと、と思わせます。で、何がいいってまずは登場人物の書き込みです。主役二人は言うに及ばず、チームメイトの面々、果てはライバル校のマネージャーとエースの心理的葛藤や互いへのひそやかな精神的依存までも書かれていて秀逸でした。
てーか最近ご無沙汰していた感のある繊細かつ緻密なお話の組み立てで、やっぱこばや豆ではこうはいかねぇわなと、己が怠惰を反省しました。いくら時間ないからって、頭空っぽにして読むばっかじゃだめだわ。うむ。
そして、やはりマンガに比べると、どうしても劣ってしまう、スピード感や躍動感あふれるバレーの叙述。ずいぶん工夫されていますし、小説の方ではダントツお上手なんではないかと。欲を言えばもっとユニの打つボールの素晴らしさを描写してほしい。チカの凄まじさは十分伝わってくるのですが、ユニはもう一歩て感じです。たぶんすばさんよりもしたな感じが否めない。
現在も連載中と聞き、3rdシーズンもはや楽しみにしております。あ、あと青木センパイよかったね。
無論その日のうちに鼻息荒く3巻に手を出しましたさ。
だってー、雪哉くんが再登場ですもの。おもしろくないわけがない。といっても仕事の大波がきておりまして、ちゃんと読めたのは一週間後だったのですがね。…夢にまで見たさ。5巻まで手元にあって小躍りする夢。わかってます。あほです。
3巻は、全編にわたって若宮殿下と雪哉くんの主従の絆が深まりを見せていて、萌えの海でおぼれ死にそうでした。でも満足。
だって若宮殿下ったら再登場の仕方からして何そのヒーローっぷりてなもんでしたし、雪哉くんの後釜に、日雇いでも誰もつけなかったみたいだし(きっとそのしわ寄せが澄尾さんや浜木綿さまんとこにいってたんだろうな)、馬に二人乗りだし、二人して異世界に冒険だし、アタシが澄尾さんだったら軽く嫉妬するわてくらい仲良しだったんですよ、もう。
あ、お話としてもたいへん満足のいく濃い内容でした。猿怖い…怖すぎる。小梅ちゃんで阿部作品における女性不信をまんまとつかれてたばかられましたが、それもまた一興。
真の金烏の意味も分かってきて、若宮殿下がこれから直面していく困難や、強大な敵、背負っていく宿業なんかも明らかになり、次巻が待ち遠しくてなりません。ああー、月末が楽しみだ。
好きだった場面は前述の再会場面、汁物噴出した次男をさする長男、へこむ長束さま、ははうえたすけて、で正気付いた梓ままの回想、とあげればきりありませんが、やっぱりダントツ終幕の主従の誓いでしょうなぁ。
若宮殿下の笑みが寂しそうてのがまた。配下にすることで、今の雪哉くんを失うことを惜しむ気持ちが痛切に表現されてます。
3年後の雪哉くんてば、どんななってるのかなー。成長期でしょうから、おっきくなってるのかなぁ。若宮殿下追い越すくらいの、長束様くらいの偉丈夫になってると嬉しいなぁ。そんでもって澄尾さんに匹敵するくらいの(経験値足りなくて勝てないけど)腕前になっててほしい。
あー、ほんとすごい楽しみ。くふふ。
1巻が、イチゴ味クッキーと思ってかじったら明太子風味だったことにショックを受け、食わず嫌いをしていた不明を只今神妙に恥じております。
いえね、見苦しいの承知で敢えて弁解させてもらいますけど、平安調のお后選びが題材のお話だったら、甘味不足気味のワタクシとしましては、ついふらふらと甘味求めて手に取りたくなるっつーもんですよ。いくら解説やらオビやらで勘違い注意と口すっぱくされても、表紙の雅さとか冒頭とかで見事にだまくらかされました。
そ、壮大なミスリードだな。ある意味。
そんなこんなですっかり不信まみれになっていたワタクシの心を、清しく(すがしく)癒してくれた、想像通りのさわやか抹茶風味、ときにチョコチップありの、たいへん満足のいく美味な2巻でした。
何と言ってももう、雪哉少年がイイ!地方氏族のぼんくら次男、返せば家族を愛するあまり、ぼんくらの皮をかぶって演技する、繊細な心をもった優秀すぎる名家嫡孫。
そら若宮殿下も熱心に勧誘するですよ。あんなかわいくて危なっかしくて聡い子いたら、四面どころか上下左右に前面後背も敵だらけの奈月彦くんにとっては得難い味方ですよ。
好きなのは、言わずと知れた花街後のネタ晴らし場面です。「命知らずにもほどがあるわ」と怒鳴りつける雪哉少年と、けろりんぱと開き直る若宮殿下。その後の澄尾さんのこいつ呼ばわりもコミで萌えというかときめきの宝庫でした。ああ愛らしい主従。
浜木綿さまというお后もらっときながら、どっちかっつーと雪哉少年や澄尾さんとのがよっぽど親密かつ愛があるやりとりしてる日嗣の御子。おまけに敵対しているはずの異母兄長束様まで弟優先で、自分持ち上げようとしている争いの芽たちを片っ端からへし折ってるようだし。
いやー、一巻と違ってとても愛あふれる二巻でございました。
つーかさ、もうらぶはいらないよ。主従愛で十分満足だよ。そこらあたり、次で語る三巻にも関連してくるのでしょうが、なんかもう、浜木綿様もどっちかというとお后というより盟友扱いだし、イロコイ排除は大歓迎であります。
あ、でも欲張り覚悟で言わせてもらえば、雪正ぱぱの若かりし頃のお話が読みたいです。雪哉ままと梓ままとの三角関係。
私内モウソウでは、雪哉少年の利発さは、病弱だった北家嫡流のまま譲りではないかと思うんですよね。
そんでもって郷長なりたての雪正ぱぱの、影の参謀を北家の病弱姫が務めてて、はじめは政略というか打算でもらった北家の姫に、雪正ぱぱは徐々に惹かれていったのではないかと。でも、病弱な姫とでは後継ぎがもうけられない、そこでと北家のおせっかいで梓ままがお嫁にくるんですが、ぱぱは不実を承知で梓ままに心の内を率直に吐露して、後継者を設けるためだけの関係を承認してもらうんじゃないかと。
ほら、梓ままよくできた人だし。しかも雪正ぱぱのしょうもないとことか全部許しててフォローしてるぽいし。
でも、北家の姫としては、やっぱ納得できなかった。愚かは承知で、命がけで雪哉くんを生んだのではないかなあと。泣きながらかき抱いて逝くなと訴える雪正ぱぱの腕の中で一人満足して死んでいったんじゃないかなぁと。
つか、そんな話読みたいです。烏シリーズのらぶとしてはそれくらいの塩加減が妥当かと。てへ。
読もう読もうと思いつつも、ついつい遅くなってしまいました。ヘンだな。たぶん現時点でかなり楽しみな部類に入るのに。
軍師編は終わったというとこなのでしょうか。だがちとイタかったな。メルディくんは。あの道筋しかなかったのかもしれませんが、ノーザルツ留学後でもよかったのではと。予約席にしといて。
あー、でもそれだと即位に間に合わんのか。ううむ。
ただ、他の騎士のお歴々と違い、彼の場合は痛々しい感がどうしてもつきまとってしまうので、なるべくならもう少しトシくってふてぶてしくなってからのがよすのになぁと思ってしまったわけですよ。
シェランみたくわずかな日々でぐんと強かになる例もありますし。
デュークの件がレティの中で表面化してきそうだからこその話運びなのかもしれませんが、軍師と呼ぶにはあまりにも若すぎる感は否めません。せめて彼にはこれからレティの下でゼノンとやりあう強さを身に付けていっていただきたい。
しっかしグイードお兄ちゃんは相変わらずできすぎくんです。この人の心をつかむ女性は、だれなんでしょうな。シアワセな結婚をしていただきたい。
まあ、新人さんのをお試しで買ったのですが、なかなかにおもしろかったです。
主人公がミソジ過ぎのオットコマエ元将軍今皇后なのもよかったですし、その元相方だった現皇帝もよかったです。イロコイとかそういうの超越したとこにあるんだなぁ、と。
いえ、現皇帝の方はイロコイ未練たっぷりなのでしょうが、オナゴの元将軍の方が、きれいさっぱりそういうのが抜け落ちていて、年相応なのが愉快でした。読者層を考えると本当はよくないのかもしれませんが、まあそういう選択もアリだよね、とらぶ要らん派の私としましてはダンナとなった元相方に愛着はあっても恋情がない小玉皇后に共感も好感ももてました。
そして自分と敵対関係にあるはずのお妃がたをオとして歩く毎日。素敵。後宮簒奪という言葉がいちばん心に残りました。
また、文体もこのお話の淡白さにマッチしていて、楽しく心穏やかにそんでもっておかしく読み終えました。何となくですがマンガでいうところの川原泉さんとタイプが似ている感じ。
おかしみのなかにすこぅし切ない世の習いがまじっていて、決して夢物語では終わらない。小玉皇后だって、いろいろ「やらなければならない」務めがある。用兵家としての才は、できれば彼女の納得のいく形で使っていただきたい。
新人さんということで、これから伸びていくとこもコミで先が楽しみであります。丙くんのお嫁さんバナシとか、布石もあるみたいなので、期待しております。
まとめ読みしました。
高里さんのものだから、外れはないだろとふんで、結構溜めましたね。いっきに4冊読み。
だって旧家のハイソな日常も楽しみなら、そこへ突然当主として帰らなければならなくなった若干18歳の花穎くんの奮戦ぷりも愛らしいし、こまったちゃんな完璧執事衣更月もおもろかわいいしで、絶対アタシ好みなのは1話ぺら読みでわかってましたし。
で、連休からの勢いそのままに。
期待通りの面白さで大満足の逸品でした。
服飾関係はもちろん、英国風の食事やおいしいもの類、調度なんかも素敵で、いいよなぁと束の間俗世を忘れて楽しみましたし、基本はミステリ仕様なのですが人死にが出ることもなく、日常謎解きがメインでしたので、その辺りも安心。
ただ欲を言えば赤目さんもいいけど、花穎坊ちゃんにジャストミートなキレイドコロをもっと出してほしいかも。
ちと女の子密度が少なくないかなーと。いえ、いいんですけどね。いつもなららぶはイラネ的な発言しかしないワタクシが、何血迷ったのか。
いやー、でもやっぱりハイソな日常垣間見れる楽しみは、女の子やおねーさま達の華やかなまたは麗しいいでたちでもありますので、ドレスやお着物などの描写もぜひ見せていただきたいです。
こちらもずいぶんと放置。いえ、無論楽しみにとっといたんですよ。そらもう。
アナスタシア編あたりの楽しみから、メイドに扮したり、やり手弁護士に扮したりと、数冊私的には寄り道な話が続きましたが、やはりレティが次期女王として奮戦するお話が好きなのでこれを。
メルディのへなちょこっぷりも微笑ましいですが、アストリッドの底抜けに残念っぷりも愛らしく、楽しませていただきました。デュークは今回ちと控えめかな。クレイグ様がいいですねー。安定の中年の魅力。
お話自体は謎解きや知恵比べ的な感じで、血なまぐさくなく(いえ、他の巻も別に血なまぐさくはないんですけどね)楽しめましたし、今までずっとやきもきしてた頭脳役が決まりそうで、そこも安心しました。しかも頭脳役が大上段ではなく、成長途中というのがまた初々しくて、若き女王のもとで才能を開花させてくんだろうなーと嬉しくなりましたし。
私は戦記物はほんと苦手で、武将関係はマジカンベンなところもあるのですが、三国志にしろフィクションものにしろ、戦況をひっくり返す可能性を秘めた軍師的存在には、やはり魅力を感じます。孔明さまも公瑾さまもスキスキ。
ナルサスやイル・バーニとかね。
でもそのあたりある程度完成された人たちですから、メルディくんのように、こう、さあこれから、という感じの軍師候補は余計興味がわくというかわくわく感がたまりません。いつかゼノンをぎゃふんと言わせてやるといいです。
そんなこんなで9席目もほぼ確定のようですが、残り3枠がどうなるのかなーと、そちらも楽しみです。だって最後の2枠はぜひフリートヘルム兄ちゃんとグイード兄ちゃんを、とネツレツ希望なので。
何にせよ明日出る最新刊を楽しみにまた置物にしようと思います。
あー…残業ヤダ。
久賀さんには、いろいろな意味で期待して外されまくってきたので、今回こそは、という気持ちで購入しました。
いえね、素材は素晴らしいんですよ。話運びもうまい。登場人物たちも個性豊かで好感がもてますし、ヴィクトリアンものとしてはこの方のを筆頭にあげたいくらいマザーグースかて好きでしたさ。
しかしこの人は、最後の最後で台無しにしちゃう感が強く、今回も及び腰での購読です。
スパイものが好きなのはいい、陰謀かて私大好物ですからまったく問題なしなんです。しかし、やはり物語の後始末の仕方がやや残念感が強いのはいかんともしがたい。
今回そうならないことを切に願っております。てか、そこら軌道修正かけるのがへんしぅサイドの存在意義ではないのでしょうか。
お話は、わけあり兄妹が営む、貸し本業をベースに、彼らを取り巻く人々の日常ミステリ解決的な感じと言えばいいでしょうか。倫敦の風物が、久賀さんらしく丁寧に生き生きと描かれていて、その辺りは抜群です。
スコーンとかアイリッシュシチューとかね。
貸し本業が生業らしく、このころ愛読されていた数多くの文学名作作品が、ヒロインサラの視点で紹介されているのも良いです。愛溢れるコメントに、私もうんうんと。若草とかね。
そんでもって日常で終わらせないのが久賀さんで、わけありのワケは、乗っ取られたらしい自分家の奪還を狙う健気な兄妹で、その真相究明がベースになっているところでしょうな。テッパンで相手役も相応の家柄ですし、その辺り、いつかは社交界シーンも盛り込んでもらえるのかなとわくわくしております。
いやー、ほんとさ、頼みますわへんしぅさま。怒りのあまり、衝動でマザーグース売っぱらってしまいましたが、実は最終巻以外はすごい好きだったので後悔してるんですよ。あーもー…買い直そっかなー。
本作が期待を裏切らなかったら検討してみます。
ミステリは、あんまよう読まんのですが、おいしそうなスープの描写に引き寄せられてふらふらと。
いえ、日常ミステリでしたし、癒されました。オムニバス形式の連作ですが、微妙につながっててそこもまたいい塩梅。
スープ屋「しずく」のお客さんを軸に、日常的な謎解きや家庭問題、社内問題、いろいろ解決していくわけですが、そのどれもが女性にはしみじみとくるものがあり、なかなか読みごたえがありました。
街中情報誌の編集奥谷さんの社で起こった、社内恋愛問題をかわきりに、摂食障害ひきおこした母娘問題やネグレクト、まあいろいろと結構重たい内容も含んでいておもしろかったです。
登場人物もいい感じで。
麻野店長は言わずもがなだし、慎哉オーナーもいい感じ。しっかし印象から慎哉オーナーのが下か同い年くらいと思ってたら、麻野店長のがずいぶん若いと知りラストで驚愕しましたよ。容姿描写が印象薄かったもんで。
けど、わたしは断然女性登場人物に惹かれました。
一番登場の理恵さんもよいですし、露ちゃんもキュート。しかし私がもっとも応援したのは伊予さんです。
私とは対極にいる彼女ですが、あの要領の悪さというか不器用っぷりは、ついつい応援したくなるというものです。うんと素敵な人とくっつくといい。
麻野店長と理恵さんについては現状維持でいいかな。つかず離れずで。店長とお客で。
どうも男やもめにアタシは夢をもっているらしく、いつまでも奥様を忘れずにいてほしいらしい。的場信吉さんみたく。いえ、あれはいきすぎてのは百も承知ですがね。
まあ、とりあえず、しずくでおいしいスープの数々を私も堪能した気がして、満足して本を閉じました。
何度も言ってますが、私はミステリが苦手です。
特に人死の出る事件性の高いものは苦手です。第三者的な立場の探偵自体が好きじゃない。
けど、たまぁにまあ読んだろうかいっちょ、となるときがありまして、その珍しいときに購入したのが当たりだったりすると嬉しいものです。
貴族デザイナーシリーズは、そんな幸運によって引合されたシリーズですな。
この方の別シリーズ、くだんの白心さんのガラスの街あたりは読んだことがあり、文章力の安定感は知っていたのですが、いかんせんワタクシ、がちだとヒく傾向があり、ガラスの街も人から借りて読んだだけでした。いえそれでもすっごくそれはおもしろかったし楽しんだのですけどね。
でもたまたまその時読む本が底をつき始めていて、かつミステリ読んでもいいかなーくらいに警戒が緩まっていたので、軽い気持ちで手に取りました。読んでよかったです。うん。
ヴィクトリアンの倫敦舞台ということで、読みやすさは格段でした。んでもって仕立て屋さんだし。服飾関係とか職業物はやはり楽しい。ローズテイラーはついていけなかったけど、ジェレミーくんの仕事は素直に感心と好感をもちました。実直で誠実な仕立て屋さん。いいです。
しかし何と言っても魅力はやっぱタイトルロールなデザイナーさんなのでしょう。斬新な水玉ネクタイがまー、似合うこと。
彼氏のお名前が、ワタクシちと特別すぎて、もうもう、それだけできゅーきゅー言ってしまう傾向があるのですが、できれば彼にはこのまま浮世離れ感をずっと維持していただきたい。未亡人いらねーっ。
周囲のご友人たちはとっても好感がもてます。クレア嬢は大好きですよ。あと、警部も。
布地にまつわる謎解きは、素直に楽しめますし、人死にもまあ許容範囲内。いえ、あんま出してほしくないんですけどね。
3冊目が楽しみです。
どうもです。あいてますねぃ。間隔。
ちと使い果たしてる感があるので、今年来年くらいはこんな感じかもです。何って気力体力。
モウソウどころかスキスキにっきも書けやしない。本は読んでいるのですが。
さてそんな中なんでまたという感じですが常野です。聡子さまに会いに。…よっぽど疲れてんなアタシ。
峰子ちゃんと聡子さまに会いに行ってきました。つーか春田姉弟にも。
相変わらずの、ひたひたと染み入るようなやさしい悲しいお話に、涙しながらも癒されました。
常野という、特殊なひとたちが出てきますが、前作の光の帝国とは違い、彼らはあくまでも傍らの人たちなお話の今作、わたしはひたすらに聡子さまに惹かれます。
なんつーか、彼女のありようが、すごく好きなのですよね。
村の名士の末娘、病弱で学校に行くこともままならない身で、それでも彼女は常に自分のありようというか生き方を模索している。槇村の娘として、人々の役に立ちたいと切望している。
それって私が好きでたまらない「高貴なるものの義務」(ノーブレス・オブリージ)とやらで、賢妃スキーの原点でもあるのです。
人々によって自分は生かされている、だから自分のいのちを人々のために使う……実はものすごくたいへんなことです。言うは易しですけれどね。
そしてそんな悲しい未来を、必ず起こる現実のこととして知ることになっても、彼女は逃げずに自らの運命に立ち向かうのです。どこか満足さえ覚えて。
生きる、というのは己が幸福を追求する行為と私は思っていますので、ずっと大切にされるばかりで自己有用感を味わえなかった聡子さまは、利己を追求する前にそのうつくしい最期に納得してしまったのだなぁと、不憫にもなります。できれば、おりぼん結んで女学校に行かせたかった。
でも彼女は「しまって」もらった彼女は、とても幸福そうに自分を語るわけですよ。なんつー矛盾。なんつー理不尽。でもそれが「生きる」ことでもあり。
幸福を追求し続ける行為は、決してすべてがすべて報われるわけではないのだと、理不尽と矛盾が絡まりまくって幕引きすることも多々あるのだと、やるせない気持ちで、でも聡子さまいいなぁと本気で憧れながら本を閉じました。
この後、エンド・ゲームあたりからは私の苦手な恩田さん節が炸裂するので手が出ていませんが、できれば常野のことをもう少し書いてほしいなあと願わずにはいられません。
不思議な、そしてもの悲しい、やさしい人たちが、どのように時をすり抜けていったのか。
できれば知りたいものです。
…えーと、何してたかといえば普通に生活してました。特に忙しいとかはなかったんですが、いつのまにか1カ月ほど消息不明に。はて。
本も読んだんですけどね。特筆すべきものはなく。ああー、置物増えたかも。
別にテレビの国に行ったきりでもなかったですし。そら新曲にウハウハしてはいましたが。
そんなびりっとしない如月の終わりごろに、さてなぜ童話。松谷さん。
いいんです。大好きなので。
言わずと知れた松谷みよ子さんの名作です。あかねちゃんとかのが有名でしょうが、こちとら教科書掲載作。
そうそう、初遭遇は教科書だったのでした。
現在はもう載っていないようですが、それで正解かもしれないです。だってオサナコゴロにも「コレ教科書に載せていい話なんだろうか」とどきどきしましたもん。(それはワタクシだけ)
いえ、紛れもなく超名作なのですが、通常、教科書に掲載されるお話というのは、どっか寓話めいたというか教訓くさいのが多いと私は常々思っていたのですよ。大きなかぶとかさ、スイミーとかさ、一つの花とかさ。
そんな中、どっちかというと小昏く、怪しさ満点のこのオハナシ、ワタクシかぶりつきで愛読しました。
茂吉というのんべえの鉄砲撃ちの怪異譚なのですが、ある日酒屋にいったところ、覚えのない酒代まで請求されます。あやうく店主と大喧嘩というところに、当の茂吉のつかいと名乗るわらし(小僧っこ)が酒を買っていくわけです。もちろん茂吉のツケで。
怒った茂吉に怒鳴りつけられ、わらしは跳んで逃げるのですが、逃げた場所がおばけのたまり場。そしてわらしの正体は茂吉の飼い猫だったという。ここがワタクシ大好きでして。おばけの描写がたまらん。
赤い火、青い火が「ぺかぺか」してるんです。ぺかぺか。秀逸な表現です。おどろおどろしいのに、どっかおかしみもあって、コドモゴコロにも、慄きつつもときめくという高等デレを発揮。
そして本作最高の見せ場が、おばけたちに茂吉死ぬべしと定められ、茂吉を呪い殺せと命じられた飼い猫ちゃんのセリフでした。茂吉の朝食膳を跳びこえろ、それ食べたら茂吉は死ぬから、と命じられた飼い猫ちゃん、なんと大勢のおばけたちを前に、いっぽもひかず否、と告げるのです。その言い方がまた何とも。
「おら、やんだ(いやだ)。おら、茂吉好きだもの」
ぐはー。愛らしい!!!!!
なんつー可愛らしさ。そして萌えの極み!
好きだもの、でおばけの恫喝大却下ですよ。らぶすぎて今でもめまいが。
まだ小娘にもなっていない、ちびっこワタクシをノックアウトさせるんだからそらもうすごい威力です。
そして怒髪天をついたおばけたちに、取り殺されそうになる飼い猫ニャンを、さっきまでおばけに震えあがっていた茂吉が、果敢に助けるのがまた。きゅんきゅんです。
無事救い出したニャンを、茂吉ったら、お前みたいな小僧っ子猫が、あんなおばけの仲間入りなんて到底早いとたしなめて連れ帰るんですよぅ。捨てないんです。連れ帰るんです。うふー。なんてらぶなの。
無論ちびっこですから、そんなきゅんとからぶとか、感じはしても言葉にはならなかったのですが、後日改めて読み返してみて、やっぱアタシ間違ってないわと確信しました。あれ教科書に入れてた某教科書会社の担当様に、深く感謝を捧げたい。
こんとあきでも触れましたが、実は児童書のなかにも深くひそやかに種は仕込まれていて、萌え因子に陽性反応をもつ者は、実はそんなちいさな頃から、敏感に己が性状を刺激されるのです。
びば児童書。