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読書日記

好きな本とアレについてつらつら

レディ・ヴィクトリア

2016年03月26日 | BOOK

珍しくこのわたくしめがミステリづいてます。いえ、深い理由があるわけではないのですが、めぐりあわせと申しましょうか、ぶっちゃけ本がないからでありま。
つーか、ないわー。謎解き本ばっか。
で、そんな消化本みたいな中でも比較的当たりだったのは、やはりコチラがヴィクトリアものだったからでしょうな。
さるイギリス貴族の後妻になったアメリカ女性が、未亡人になった後、隠棲して謎解きをしているのを、依頼者などの主人公視点でかわるがわる語っていくわけですが、まあヴィクトリアものですし。まずまず。特筆すべきはメイド——労働者階級の女性の目線から物語を語らせているところが新鮮かもしれません。
一話めはレディス・メイドと呼ばれる、比較的上級のメイド、二話めは家事オールマイティこなす雑役女中、とまあ、今まで私が読むモノの中ではあまり語られてこなかったメイドたちの日常が書かれていて、そこが興味深かったです。つらい中にも彼女らなりの生活があって、素直に感嘆しました。
で、主人公のヴィタ、ことシーモア子爵未亡人ですが、側近がなかなかにクセモノでよかったです。素はとてもカタギとは思えない執事とか、機械かいと思うような鉄面皮侍女とか。
事件に主眼を置いたお作なので、登場人物の描写はさして強烈ではないですが、育てていってほしいなぁと思います。
や、巻を重ねられたら、ですが。

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セーラー服と黙示録

2016年03月14日 | BOOK

女子校、寄宿舎モノ、バチカン出てくる、その三拍子そろいで購入を決めました。ミステリと銘打ってあったのに、そちらはムシで。
で、人死にがキライだし謎解きにも興味がないので、トリックや真相を明らかにする場面はつつっーと読み滑って読了。おそらく、このお作の読み方としてだいぶ間違っているのでしょうが、まあそれでもおもしろかったです。
3人の小娘がそれぞれ殺人の犯人や手段や動機を解明する偉才なので、彼女らによって先輩2人の死の真相が明らかになっていきます。つーか、そういうのすっとばして読んでいく私には、はじめっからあの人しかいないよねー、という感じで、なんともミステリマニアにどつかれそうな読み方しました。
でも、3人小娘の人物設定はテッパンだし、先輩2人もシスターも謎の美少年司祭も、そらもうこれでもかとばかりにときめきポイントが用意されているので、謎解きなんかうっちゃっても十分楽しめるのですよ。
小娘トリオが私的にはよかったです。薩摩オゴジョもいいけど、影しょってる秀才や天然に見えて実はいちばん強かなカワイコポジとか、3人が3人とも楽しめる素材でした。なんですか、最後に秀才がいろいろ取引してましたが、その辺りの詳細は次巻から明らかになっていくのでしょうか。
何にせよ既に次巻が出ているので、早速読んでみたいと思います。

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瑠璃龍守護録シリーズ

2016年03月09日 | BOOK

まあ、結構長いシリーズでした。でもちゃんと終わったのでよしです。
何よりそれがいちばん大事ですからね。お金払って読んでもらう大原則だと思います。
実は主人公カプにはちっともときめきドコロがなくて、どっちかってーと作者さまお気にの虎光くんたちとか、役鬼のたぬきとかに楽しみを見出していました。役鬼とか半仙のぶっとびっぷりというか変態ぷりも好きです。つきぬけてていいわー。
ヒロインがどうにも慶の赤毛の女王様を彷彿とさせてくれて、せめて緋色の髪はやめておけばよかったのになぁと残念でした。や、性格はちがうのでしょうがね。もうちょっと彼女独自の魅力があるとよかったかと。あからさまに作者さまの愛情虎光カプにもってかれてる感があってかわいそうです。
次作はどうなるか分かりませんが、できれば主人公に愛を集められるといいのになぁと思います。そういうのが見てみたいですね。

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セント・ラファエロ妖異譚

2016年02月26日 | BOOK

読書のおともの再開が、これという時点で、ワタクシの読書の偏向具合というか閉ざされっぷりがまるわかりですな。
しかし、他のご本が読めないんだから仕方ない。これでもがんばった方ですよ。
で、えーと、ワタクシ的にははあそうっすかてな感じの3冊でした。
やはり、一段落ついたところにあれこれ付け足すのは、まあへびのあしというか過ぎたるはというか……むにゃ。
まあ、旦那のスーパースターっぶりとか、ユウリのとらえ方とかがていねいに捕捉されている分には、セント・ラファエロファンには良い一作だったのかもしれません。
ただなー、悪魔の申し子様がびみょーにいい人めいていて、正直そこはヒきました。 そこここに出没しているアシュレイらぶの方々のご意向が反映されているのでしょうが、やっぱ本編とは重ならないなぁと。双子みたいな印象のお作でした。
ああああ、あとロウの欧州での再登場だけはマジかんべんしてください。いかにも出そうでものずくイヤです。
つーか、そんなん出すくらいなら、パスカルとかルパートとか出してくださいまし。もー、彼らのシモンいじりっぷりにだけは心癒されました。いいわぁ。今シモンおもちゃに遊べるのなんてナタリーしかいないからさびしくって。 アタクシ旦那本命でものすごく好きですが、旦那のスーパースターぶりというより、いじましさに哀れを覚え、その不屈ぶりに憐憫の情がわいて愛しいので、絶賛いじり役募集中です。
や、実をいうとウラジーミルがいっちばん再登場熱烈希望なのですけど。
あー、ほんと4月の新刊どうなることやら。楽しみなような、怖いような…。


のようなことを書いて保存したはずなのに、なぜかタイトルだけで、後日チェックしてびっくりしました。すいません。アヤしげな記事になってしまって。あー、なんか消えるよなぁ。おかしい。

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ひとめあなたに…

2016年02月11日 | BOOK

なんか、まるわかりですね。そうです。読んでません。てーか読めないのですよ。新作関係は。石田さんかてやっとやっと。うえーん、ミラージュだって出ているのに。

で、あっため直しばっかりです。でも、いいのですよ。ココロ和む。どんだけ殺伐とした内容でも。
やー、最後の日に何したいかなぁと。
新井さんに関しては、コバから入ったので、少女小説ラインの発想から気軽に読んだのですが、のっけからどん退きしました。この話。
まあ、主人公設定はいたって普通。女子大生とその恋人が軸です。ただ、恋人が癌に侵されて、自暴自棄になり、別れ話になった、というだけで。
そこへ外的要因として、一週間後巨大隕石が地球に落ちてきて滅亡するという驚天動地な設定が用意されます。
女子大生は何するかというと、会いに行くわけです。鎌倉在住の恋人のところまで。
で、もちろん交通機関なんか麻痺してるわけですから、自分の足だけが頼りで、行く先々で様々な出会いを果たします。ちょっとロードムービー風味。おしまいには無事? 恋人のもとへたどり着くわけですが、そこに至るまでの出会いから、彼に会いたいという思いを募らせる圭子――主人公の女子大生に、なんつーか小娘の私は共感できなかったのでした。
まあ、今でも共感できるかというとハテ、というくらいイロコイフラットなわたくしですが、でも小娘時代よりは、圭子チャンの心情を理解できはするようです。
というか、夢見てしまいますね。私自身じゃなく、そんなふうにどうしても会いたいと思える人がいるつながりを。たとえば旦那と真珠とかね。もちろん御大と末も。つくづくコンビスキー。ヤマイヤマイ……。
読み直した中で印象に残ったのは、やはり最初のお話でした。そ、そっかぁ。食べちゃうんだぁ、と。うーん……ある意味、究極の愛かもね、と。カニバリズムというより、突き詰めてったらおなかに収めるってなるのがすげぇなあと感心しましたよ。初読の際も印象に残りはしたのですが、その時はリアル受験生だったので受験勉強に勤しむ真理ちゃんに感情移入してたので。ぜってぇヤダ、と思いましたもん。
新井さんはブラックなものもイロイロ出してらっしゃるので、その辺り読み直そうかなと、今回思いました。以前は楽しく読めなかったけど、おしまいの日とか今読み直したらまた違った風味になるのかしら。ふむ。
とまれ、早く新作が読めるほどに心的回復を果たすことを切実に望んでいますよ。とほほ。

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おこぼれ姫と円卓の騎士―再起の大地―

2016年02月02日 | BOOK

あー……ほんとに久しぶりの通常色です。すいませんでした。ほぼ半月……いや、もっとか、一部の方々にしかワケワカンネェ読書にきとは名ばかりの記事が続きました。ちっとも元通りではないのですが、それでも長期戦覚悟でこちらもやりつつ、あちらもがんばるさというところです。なんかある意味自分の健康状態愚痴ってた日々が懐かしいです。ニンゲン、何とかなるものなのですね。ふふふ。
いろいろ置物化していますが、とりあえず現代日本や男性主軸のあたりは、アチラに引きずられないように避けといて、少しずつこちらもペースつかんでいく予定です。

カンケーない話はさておき、やっぱ名前カタカナ、できれば女の子メインがよかろうと、満を持したらレティになりました。すごいな。でも安心して読めるオンナノコものとなると、深山さんか石田さんしか思い浮かばない。
前巻に引き続き、砂漠の地での疫病モノとなりました。うううう砂砂しい。でもおかげでするする読めました。
ヘルムート兄ちゃんがもっと出張ってくれるかと思っていただけに、ちと拍子抜けの感は否めませんが、まあ兄ちゃん火種を抱え込んでいったので、火種をどう扱うか楽しみにしています。……って、兄妹の断裂とかはマジヤメテね。や、ありえないと思うけど!!!!(大声&握りこぶし)
出番と言えばデュークすらも削られていて、あれれな感じでした。まあ自覚しているとなれば、これくらいじゃないと困ると思いますが、前巻がわりかし甘めだったので、今巻はまた離したなーという印象を持ちました。
つーかさ、クレイグにしろアストリッドにしろ離されてて、レティ孤軍奮闘という読後感。火種が出過ぎ。レティの器量を見せつける大切なターンだったのでしょうが、第1席から第3席までもがこれでいいのかいと正直思ってしまいました。アタシが兄ちゃんで元気なら、即すげかえてるわ。大事な妹にムシどころか火種くっつけてそばにいないナイツ・オブ・ラウンドなんて。というか、今回のていたらくを耳にして、レティ帰国後「ちょっと体育館裏まで顔かせや」状態の兄ちゃんズとレオンが見たいです。グイード兄ちゃんとか冷徹に怒ってくれそう。
何にせよ、引き続き最大級の警戒ちぅの私にとっては、束の間の安らぎとなりました。感謝。

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欧州妖異譚11 ブラックウィドウ

2016年01月02日 | BOOK

もういっそこのまま、欧州については正式には触れずにおこうかなーと考えつつ、アザゼル以来流していたのですが、ブラックウィドウでの他の方々の感想があまりにハテナなので、アタシもしかして何か間違った読み方してるかしらと不安になり、いちおう書きとめとくことしました。
つーか、今頃読んでいるあたりでダメダメですな。ハイ。

某メーOーやOゃんOるで、シモンがユウリから離れるなんてとか、みんな大人になるとか惜しんで書かれてる方がいらっしゃいましたが、アタシは読後そうかなぁと首捻りました。
なぜかといえば、あのシモンが、自らの意思でユウリのそば離れる、もしくは別行動する時は、決まって自分か自分の周囲が危険にさらされる危険性が潜んでいる状況だったからです。今までは。
英国妖異譚でも、ベルジュ家に危害が及びそうになったときは、さっさと渡日を勧めてますしね。
でもって、今後については、旦那が唯一絶対的信頼をおくアンリをユウリの許に配しているあたり、まあ後ろぐらいとこ満載での、今巻のあのご無沙汰宣言につながると思うんですよね。
アシュレイが不穏なこと口にしてましたし、くだんの退魔の場面では、蛇の尻尾が記憶したのは、状況からどう考えてもシモンの魂の方じゃないかなぁと考えられます。
ですからあれは、ユウリを遠ざけるための方便なんじゃないかと思いました。まあ、作者様がおっしゃるとおり、約1年間ひきずってきたユウリ不在の後遺症の影響もあったにはあったでしょうが、どうにも不自然な感じがしましたよあの発言。
で、予測してみると、この後は秘密結社絡みの、対ベルジュ家問題に発展していくんじゃないかなと思いました。欧州、というタイトルにも合致してきますし。おそらくバチカンとかも交えての、悪魔黒魔術関係のお話へと移行していくのではないでしょうか。当然ユウリはアシュレイあたりから事情を聞き出し、頭から突っ込んでくでしょうし、そこでようやっとアザゼル以来のメインテーマに立ち戻っていけるのかなぁと。
まあ、個人的希望が多分に入っておりますが。
そして、ゼイタクついでに言わせてもらえば、旦那の輝ける種族としての特性発揮も期待してますし、うつつを離れたユウリを引き戻すような、それこそ「宿命」感じさせるような活躍もしてほしいです。

何にせよ、次巻以降は今までより比較的意欲をもって手に取れるのではないかと期待しています。

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おこぼれ姫と円卓の騎士 -女神の警告-

2015年12月27日 | BOOK

砂砂しいのはキライですので、今回はしぶしぶという感じで。つーか、ううーん、砂漠に行ってしまうとダメなのですよ。もー、湿潤気候をこよなく愛する輩なので、ヘルムート殿下がいなければきっと次巻まで寝かしとく気満々でした。
砂嵐の中、第2と第3席は離れ離れになり、肝心の第1席とサバイバルするレティが、女の子で面はゆかったです。うーん、まあ、前々あたりからいよいよ恋愛色入り始めたなーと覚悟はしたのですが、あんまり甘くない方が嬉しいなぁ。おこぼれ姫に関しては、甘味要素を期待して読んでいるわけではないので、さらっといってくれるの希望です。
で、ワタクシ的に何が今回のメインかと申せば、もう明々白々ですがヘルムート兄ちゃんです。やっと長兄のターンでブラボー。
カリスマに満ちた優秀過ぎる第1王子、そのくせ長兄気質満載で弟にも妹にも大甘のおにいちゃんが、当初から好きでした。つーかどっかすっとぼけたグイード殿下とセットで。うふふ。
優秀過ぎる後継者のくせに、きっと政敵のグイード殿下のこともレティのこともかわいくて仕方なく、そんでもって全力で弟妹達を守ろうとする大黒柱的気質がたまりません。早くレティが即位しておおっぴらに弟妹達らぶを標榜できるようになるといいね。
行方知れずになっときながら、スキルゼロから始めたジャガイモ皮むきで生計の道を得て、しっかり生活しているその適応力にもときめきました。アタシ異世界に冒険するなら同行者はルシファと決めていますが、ヘルムート殿下でもいいなぁ。
最後に病を得てしまい、以下次巻てなってますが、果たしてレティがどうやってお兄ちゃんを回復させるのか固唾をのんで見守ります。大地の剣を授与するのはやめてほしいんだよな。でも、理想としては、兄ちゃんにはナイツ・オブ・ラウンドの10席になってほしいので(無論11席はグイード殿下でラストはレオン)、それもありなのだけど、できる限りレティにはご先祖様の遺訓を守って、大地と鋼鉄だけはもっていてほしい。
まあ、そんなもんイランつーくらい、円卓たちが大活躍してくれればいいのですけどね。

しっかし、瞬きしてる間に年末に。ううん。何も読んでいない。年末年始は読書したいですなぁ。
……テレビも私を呼んでるが。

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神様になりまして、ヒトの名前を捨てました。

2015年11月26日 | BOOK

ミラージュ再燃から始まって、黒髪の歩く災厄だの、アラフォー間近の元軍人の皇后さまだの、人タラシあーんど主従萌えの収束地は、果たしてどこだろうと思っていたら意外や意外、びずろぐの石田さん新作でした。
デビュ作が代表作の典型で、石田さんの新作には若干期待薄ぎみワタクシでしたが、いや見事に予想裏切られましたね! 無論いい意味で。おもしろかったです。はい。
なんか、おもいきりラノベ仕様のタイトルでしたし、いかにもな設定でしたので、かなり及び腰で消化物件と割り切って読み始めたのですが、アタクシのストライクゾーンど真ん中をついてくる布陣に、正直喜びでどうにかなりそうでしたよ。
新作を首キリンにして待つようなお話が激減している昨今、期待していた展開が望めず、遠い目でななめ読みしなきゃならない某シリーズとか、編集部や読者の要求についつい妥協してしまい、かすかすの骨粗鬆症めいた内容の単発ものとかばかりになってしまっていたので、ほんっとーに久々に少女小説で心躍りましたよ。
お話は現代日本が舞台ですが、まあいわゆる退魔ものの範疇なのかな。土地神様の千鳥様とその愉快な側近の面々とのお話です。ネタとしては平氏の怨霊やら神世七代やら、そらもうアタシ大好物!と叫んでしまいそうなおいしそうなネタばかりですし、神様である守護とその側近たる守護代の関係性ももろ好みで、きゅんきゅんきゃふきゃふ言って、間をおかず再読しました。
またなー、登場人物が心憎いほどこちらのツボをついてくれていて。人タラシな当代千鳥さまは言うに及ばず、苦学生現代っ子の帯刀少年、筆頭側近である一の宮柏さん、大事なところはしっかり押さえとく先代様、そしてラスボス感満載の近畿エリア守護の東雲さま。
ん、もー。ほんとちょっと狙いすぎてくらい、わたし好みでそこかしこでウハウハいいました。
そしてなー。おしおきがいい。埴輪に土器て……何。何なの。おひざに乗せるのはそれなの。まにあっくすぎてときめきました。日本古代史万歳と叫びたくなりました。ああ、いい……。
他にも、リアルにおいしそうな各地方の美味の描写やら、お着物や都都逸のあだっぽさやら、ビバ日本満載の1冊でたまらんです。
早くも第二弾を待ち望んでおりますよ。烏ちゃんシリーズと違って、半年くらいで出てくれるんじゃないかなー、と期待してます。おこぼれ姫も大好きですが、ぜひぜひこちらのシリーズも続けていただきたい。握り拳で力説します!

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三千世界の鴉を殺し 19巻

2015年11月21日 | BOOK

半月以上ご無沙汰しました。生きてます。どーぞ。相変わらずあぷあぷいってます。年末までこのまんまらしいです。
そんなこんなでちっとも本を読めてないし、おまけにテレビも見ていません。せかいやきぅにダレカサンの声がするのぅと食事のわずかな時間に和むくらいで。ええ。

そんな中、何とか睡魔と闘いつつ、途切れ途切れに読み切ったのは、この季節になると出現する黒髪の災厄の王こと「やっちまったもんはしょうがねぇ」と豪語できるルシファの三千世界でした。やっぱいい男だよ。ある意味憧れるね。あの潔い姿勢。
仕事でいろんなもんにしがらみまくっている今だからこそ、余計にルシファの俺が後は何とかするぜ的姿勢によろめいてしまったらしいです。普段はそういうタイプに惚れることはあっても、よろめくことなどないというのに。
しかーし、最後の最後でメルクリウス起動させて、王手かけにきたぱぱがもってっちゃった感はありましたな。ぱぱの周到っぷりに息子は遠く及んでないという。
つーか、個人的能力高すぎで、危機管理能力も超人なので、出たとこ任せで何とかしちゃう習性が、先陣切るルシファには染みついているとしか思えない。未だにアラムートせんせの個人資料読んでないみたいだし、だからこそあの変態オレンジ人間の意図もつかめてないんだろうな、予感だけがきてるきてるきてるぅーな以下次巻。
まあ来年、またちと時期が遅れるにしろ読めるのならよしとしときます。刊行ペースは死守していただきたい。
あとは意外に萌えたのがミツガシラ少尉のできる男っぷりだし、憲兵隊長とスノーリさんたち常識人の嘆きを冷笑するライラの相変わらずの豪胆っぷりです。やー、ほんとライラ好きだわー。あの場面でライラからマルチのすげかえはないねと安堵したね。つーか、歩く災厄の副官が務まるライラは、きっと連邦軍の中でも屈指の有能副官と評価されているに違いない。O2あたりが人事査定も把握していて、ライラは超A級副官とかついてるに違いないよ。
って……ううぅ、また仕事のこと思い出したよ。アタシは評価なんてCやDでいいんだよ。ひっそり静かに暮らしたいんだよ。年と共に増える責任なんていらないんだよ。無能ってO2にむしろ断言されたいロクデナシですどーぞ。

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炎の蜃気楼―昭和編―

2015年10月11日 | BOOK

連休中にと、別室の普段使いではない本棚の整理をしていて、ついうっかり手に取ってしまい、ほぼ2日間をつぶしました。……ヤバいですよ。相変わらず。蜃気楼は。
特に今回は手に取ったのが一番お気にの邂逅編だったのが災いして、そのまま幕末編、本編、とどんどん時代を下っていき、それだけで飽き足らず、完結まで封印しとくつもりだった昭和編まで……嗚呼。
といってもかろうじて1巻で食い止めました。つーかブレーキがかかった。美奈子嬢のおかげかいね。
昭和編は、出た当初から身構えまくりだったですよ。問題のトコ、というのが。
やっぱお二人の間に割って入った美奈子嬢に関しては、ワタクシものすごく拘っていたようで、巷の噂すら入れないようにする始末。そして早く終わってぇぇぇとひたすら念じていました。あとがきであとちょいとと目にしていただけに、なおさら無念。ばかばかアタシ。何で完結まで待てなかったんだ、つーか何で真皓き残響手に取ってしまったんだ…でもやっぱ大好きだったよ。初々しい5人サイコー。
さて、相変わらず景虎サマは景虎サマで、直江さんは直江さんでした。1巻は。ヨカッタ……。
しっかし直江さんて今回も坊なのね。どの時代でもエエトコのお子さんになる、というか。むーん。景虎サマがどっちかというと裏街道めいた境遇に身を置かれるのの真逆というか。お堅い職種につきそうなのばかりというのが、何ともあの方らしいです。医大生。
対して景虎サマは、またらしいというかこの上なくお似合いのバーテン。ううん、危うさはあの人の天性の魅力ですな。それこそエエトコの三男だったくせに。やはり人質人生が影響してんでしょうかね。
けど驚いたのはマリーさんこと晴家殿でした。歌姫……まあ三味弾きだったり音楽づいてはいたんですが、歌っちゃうんだ……と改めて感動。ああ、景虎サマとの同棲もどきも感動しました。
逆に心配なのはアタクシにとってはいつの時代もちーちゃんであられる長秀サマです。何か潜入まがいのことしてて、まだちらとも出てこんのですが、今回のお姿はいかに。クールビューティであることは疑ってませんが、できれば長髪がいいなぁ。速さんみたく。
終わりが見えているお話なので、阿蘇のクライマックスまで、正座して待機状態ですが、少しでも悲惨さが緩和されることを願ってやみません。んー、というか様々な時代一気に読み明かして思ったんだけど、やっぱ本編は格段に重くてつらいわ。黄泉風穴とかわだつみ楊貴妃とか、もう正視できないもの。火輪王国といいね。赤鯨にいたっては、それこそあとどれだけ…と残りを数えながら読まずにはいられないし。
だからこそそこへつながる昭和編が、少しでも痛くないといいなぁと切実に思います。うん、やっぱ邂逅編がいっちゃん好きだ。流転のとこはさすがに息をのんだけども。
あと、たった今気づいたのですが、ワタクシまだ本編をこちらで語ってなかったらしいですねぃ。検索かけたら邂逅編しか当たらなかった。
ええと、本編に関してはかなり拗らせている自覚があるので、まあいずれ機会を見て、というところですな。
第一幕末編かてまだ一段落とは言い難いものな。気長に待ちます。
あと、できれば、邂逅編のそのすぐ後くらいのが見たいです。ちっこい景虎サマとぱぱめいた直江さんがスキスキ。

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ばけもの好む中将4

2015年10月07日 | BOOK

相変わらずのおもしろさでした。12人の姉君たちの心強いことったら。いやはや宗孝くんは果報者であります。
特に5番目の姉上のリケジョっぷりがかわいくてときめきました。ご夫妻してかわいいなんて、そら頭中将もべったりなるわけですよ。きっと中将はご夫婦セットで好きなんだと思います。同じくリケジョとめぐり会えるといいね。
めぐり会うと言えば運命の出会いをしてしまったらしい東宮さまに腹抱えて笑いました。素敵。足蹴から始まる恋。それって受けたことない扱いへのドキドキと混同してないかと訊きたいですが、彼が幸せならそれでいいやね。で、ある日御所から十二の姉上に入内の宣旨がくだるわけね。東宮妃内定にぱぱは腰抜かすだろうなぁ。すげぇな何気に2代続けてお妃入れてんだから。できれば彼らにはまっとうに少女マンガな恋愛劇を繰り広げていただきたい。初草ちゃんと宗孝くんは、まっとうというよりかわいらしすぎて、アタクシには眩しすぎます。
気になるのが狗王ですよ。楽師の家柄にしては、なんつーかいろいろありそうで、渡来系なのかなぁとか、そしたら向こうでは結構やんごとなき家柄で、落ち延びた王家の末裔だったりしてとかここらもおいしくモウソウできます。弘徽殿の女御さまとの怪しげなやりとりが大好物なので、道ならぬ恋とかぜひカモンカモンであります。
しっかし安定の圏外ですね。中将さまは。残念ぷりが、最近はなんだか微笑ましくなってきました。カッコイイというより、永遠の少年て感じで。きっとこの人の奥さんは、ものすごくよくできたお人にしか務まらないだろうな。純粋無垢でありながら、本能的に母親役もこなせてしまう、…って、なんか宗孝くんままなんか思い浮かんだんですがワタシ。未登場の姉上がたの中からそんな人出てくれるといいなぁ。寂しすぎるよねぇ彼ばっかり。

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レアリア2

2015年10月01日 | BOOK

ちょうど1年ぶりの発刊ということで、はてどんな話だったかのうと1巻を引っ張り出してきて読み直し、そのまま2巻もまとめて読みました。
そして感じたことは2つ。
あー、やっぱ私この人のくどいくらいのどっぷりヒューマニズム好きだわということと、ちゃんと終わってほしいなぁということです。
できれば、今のペース維持でいいので、定期的に出して、そんでエンドマークつけてください。
中身は前巻に比べると、比較的静穏で、学校通い始めたり、ヒロインがバイト始めたりと生活感に溢れています。だから死神将軍も不吉な枢機卿もわりかし出番が少ない。わたし的には人心地な巻でした。
いえ、ネネ妃にとっ捕まったアリル皇子のこと考えれば、人心地なんてついてられないのですがね。
ただ、彼の場合不思議と窮地というのが想像つかなくて、さんざん心配かけといてでも最後は自力で戻ってきそうな感じです。だからあんまり心配していない。ミアちゃんが雄々しく救出に行かなくても大丈夫そうな。
というか、アリル少年はとっととネネ妃の企みなんて撃破して、ミアちゃんをめぐる恋の多角関係にしっかり目を光らせとかないといけませんな。書類上婚姻を結んだとはいえ、浮気最有力候補の初恋相手某枢機卿だけでなく、異母兄弟の対抗馬皇子、果ては敵国次期皇帝の同年齢のオトモダチまで加わって、ものすごい大混戦になっていそうですので。
レナートぱぱや親族関係はアリル少年を絶賛支援中ですが、いかんせん5歳若年は大きい。特にこの年頃にはね。
早くミアちゃんの体重を支えるくらいに成長できるといいと思います。つってもあと9か月だもんなー。厳しいか。

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いい加減な夜食

2015年09月26日 | BOOK

えーと、本屋さんでタイトルからグルメものかなぁと気軽に手に取ってみたら違いました。すいません。うらのあらすじもよく読んでなかったので、ヒロインが少年に見えちゃったんだよう。きっと天才シェフになるに違いないとかそんな…。すいませんでした。
読んでみたらがっつり恋愛もので、まあこれはこれで糖度補給に役立ちましたし、そこそこ楽しく番外まですべて読ませていただきました。巻ごとに趣が違って、さすがに2巻3巻あたりは苦笑を禁じ得ないとこもいっぱいあったんですが、文章的にはお上手なんでしょうね。ヨメシュートメも子育てもすべらずちゃんと完走しましたよ。
ですから、私はやはり1巻が断然好みです。バイト掃除婦があれよあれよと総帥夫人におさまっていくのを見て痛快でした。まあ、バイト掃除婦に異様に高いスペック持たせるのもどうかとは思ったんですが。旧家出身、帰国子女、そんでもって企業経営にもとんでもなく強いなんてフィクションにしてもすげぇ盛ったなぁと感心半分でした。ホステスのくだりやドイツのくだりなんかは興味深く読みましたし、盛りもりフィクションも楽しみましたけどね。ただ、関連した弁護士やら居酒屋ものはいいかなぁ。そこまで食指が動かんようです。いえ、読めばおもしろいんでしょうけど。
うーん、やっぱ私には異世界感満載のが読みやすいです。
ここんとこマンガばっか読んでいるので、そろそろ小説も本腰入れてあさらねばなりませんな。出てはいるんだけどなー。

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浪漫邸へようこそ3

2015年09月07日 | BOOK

ようやっと読みましたー。でも、だからといって億劫だったわけではありません。疲れて疲れて甘味を求めずにはいられないアタマになってから読みたかったのですよ。あと、次回作も待ちたくて。
や、安定の面白さでした。ちゃんとラスボス父ちゃんも出て来たし、伊織さんとこの家庭事情もカタがついてたし、さすがの調整力です。
でも最後は尚彦ぼっちゃん、もとい子爵にすべてもってかれてしまったなー。今巻でいちばんオトコをあげたのは尚彦ぼっちゃん。次点が時雄くん。
ちゃくちゃくとりんちゃんを嫁にするために当主の座を継承して捨て去ろうとしてんだから凄いです。おそるべきカイショの11歳。こんな弟いたらものすごいブラコンになりそうだ。
鞠子ちゃんは藤馬くんとくっつくだろうし、ミツさんはちゃっかりしのさんと所帯もってるし、正鵠さんと実巳くんは文学仲間として楽しそうだし、ああ、大団円だねぇと満足して本を閉じま——ハッ、そうそう。
大体は満足したのだけれど、2つだけ心残りが。
梨影嬢はぜったい下宿人のうちの誰か(できれば佐久間時雄君希望)とくっついてほしかったー。そして前も似たようなこと言ってましたが、貫さんの謎な過去が知りたかったです。貫さんにひきずられてったロクデナシ共は、果たしてどこへ連れていかれたんでしょうと考えると口元がむふむふしてしまいますよ。
ワタクシの希望としましては、貫さんは、若かりし頃は将来を嘱望された腕利きの警官さんで、警察機構にも、ひょんなことからつきあいができてしまった裏社会の渡世人さんたちにもアツい信頼というかアツい奉公愛を誓われていて、故あって退職したもと警察官さん。で、昔とった杵柄じゃないけど、木本は警察へ、吉田は裏社会へ連れられてって、舎弟?達が「貫兄さんのためなら喜んで!」とかって無駄に張り切ってオトシマエつけてくれてたりしたら、間違いなく小躍りします。
何はともあれ大正モノ堪能しました。次回作の平安モノも既にスタンバっていますので、また10月辺り極限に達した頃、甘味補給に走りたいと思っています。

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