青少年なやみ相談室

相談室だより

相談室だより11月「音楽のチカラ」

2018年11月05日 11時55分23秒 | vol121~130

みなさんは、普段どんな音楽を聴いていますか?

ある曲を聴いた瞬間、短時間で気分や感情が変化した経験はありませんか?

 

音楽は、気持ちをリラックスさせてくれたり、逆にテンションをあげてくれたり、大切な記憶を呼び覚ましてくれたり、私たちのメンタル面に様々な影響を与えます。音楽の持つ不思議な力に、助けられたり、支えられたりした経験は誰にもあるのではないでしょうか。

科学的にも、音楽の効力は数多く研究されており、音楽を聴いたり、歌を歌ったりすることが脳や神経に幅広く影響を与えることがわかっています。また、医療や福祉の現場では「音楽療法」として、音楽を利用した治療法や支援法が実践されています。

 まずは、シンプルに自分の好きな音楽を楽しむことが一番なのですが、もっともっと音楽の力を効果的に活用したい、という方のために、以下のポイントをご紹介します。

 ①音楽の「癒し効果」を得るために

 自分の好きな音楽、その時聴きたい音楽を聴くこと。その時一番リラックスできる好きな音楽を聴くことで、副交感神経が優位になり不安や疲労感を軽減することができると言われています。また、音楽療法では、無理やり明るい音楽を聴くよりも、その時の気持ちと同じような音楽を聴くことが、メンタル面の回復や苦痛の緩和に効果があるとされています(同調効果)。

 ②作業や勉強に集中するには

 歌の入っている曲よりも、歌が入っていない曲を選ぶとよいといわれています。これは、人の声や言語に脳が活発に反応してしまうためで、クラシック音楽やインストゥルメンタルの曲が適してします。BPM60~80(1分間に60~80ビート)の曲が効果的とされていますが、自分の好きな音楽であれば、曲の速さにこだわらなくてよいそうです。

 ③スポーツやトレーニングの時には

音楽を聴くと、呼吸が楽になりつらさが軽減され、音楽なしの時よりも負荷の高い運動ができるそうです。音楽をかけるとエネルギー代謝・運動効率が上昇するという事実も確認されています。人間の心拍数(1分間に60~90回)より少し早いBPM100~120(1分間に100~120ビート)位の一定のリズムが良いとされています。

 

作業効率があがるという理由で職場内でBGMを活用する会社もあれば、販売意欲をかきたてるようなBGMを流している販売店もありますね。トマトにモーツアルトの音楽を聞かせると、トマトの発育が早く、糖度が2倍以上になったとの報告もあります。

音楽が生命体に与える影響については、数多くの研究がありますが、まだまだ謎が多く解明されていない部分がほとんど、というのが現状のようです。

 外にでたり、体を動かしたりするのが億劫になるこの季節。音楽をじっくり味わい、自分の状態に合った音楽を選んで、その「不思議な力」を試してみるのはいかがでしょうか。

 

参考:『音楽療法の理解 心と体の健康と音楽』日本バイオミュージック研究会編/『みんなで楽しく音楽を!』メルセデス パブリチェビク著

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