今でこそ、桜木町といえば横浜のシンボル的な所になり、みなとみら
い21は週末ともなれば人、人、人。みなとみらい21あたりは、あ
の頃は造船所なんかがあったなぁ。
S31年頃の桜木町駅前あたりは、殺風景な所だった。大きな建物も
ないし、駅もなんか暗かったなぁ。現在の桜木町駅は、その頃の場所
からちょっと横浜寄りになっていると思う。
駅を出て右の市電通りを渡ると、桜木町デパートというのがあった。
デパートといっても、2階建てで細長いものだった。高校生の時、そ
この某不二家でバイトした時は、ほとんどが飲み屋さんだったけど。
駅正面には大岡川があり、あの辺りには大勢の港湾労働者がたむろし
ていた。ニッカボッカにラクダ色の腹巻き、地下足袋姿で、沖仲仕の
仕事を求めて集まり、手配士がトラックで来て人数分を乗せて横浜港
の方へ走り去っていた。
あの頃はコンテナ船もなく、貨物船は沖合いに停泊し、はしけで船に
渡り人力作業で荷物の積み下ろしをしていた。話しに聞くとかなりの
重労働だったそうだ。
そんな時代だった。