スパイカメラ

ある日、級友の三平がこっちこい、こっちこいって手招きすんだよねぇ。

 

ちなみにこの三平君は、名前じゃなくてあだ名なんだけど、苗字がなんだったのかま

ったく思い出せない。友人達とは苗字で呼び合っていたので、３０数年ぶりに初めて

やった同期会の時も、顔を見たらすぐ誰々と苗字が出たんだけども。

 

団塊世代の人だったら、三平といえばすぐ思い浮かぶと思うけど、林家三平からのあ

だ名。別にしゃべりがおもしろという訳でもなく、ただ単に髪の毛が天然パーマだっ

たから。

まっそれはともかく、三平が手のひらをパッと開くと、そこには小さいカメラがあった。

 

縦３ｃｍ、横４ｃｍぐらいだったかなぁ。よく月刊の少年雑誌にスパイカメラなんて名

前で通信販売していたやつかも知れないねぇ。

 

あんな小さなカメラでも、写真が撮れると言ってたけど。フィルムサイズは、どんなや

つだったんだろうか。三平のやつ、好みの女性徒の写真でも撮っていたのかもなぁ。

そんな時代だった。