ファボーレ東宝で行われた『SPIRIT -スピリット-』の試写会に行ってきました。 今回の試写会はチューリップテレビの主催で行われました。アナウンサー?の男性が壇上に上がり、簡単な挨拶のあと『シネマキング』という番組を知っているかなどの質問がありました。金曜の深夜に放送されているらしいのですが、私はその存在を知りませんでした。こんどちょっと見てみようかな、と思ってます。 日本では知られていませんが、モデルになった『霍元甲-フォ・ユァンジア』という方は中国では伝説の人物のようですね。これまでも多数、映画やドラマ化されていて、アクション役者の登竜門的意味合いもあるようです。試合後病死したのは事実のようですが、いろいろと憶測があったようですね。それらを脚本化したのが本作『SPIRIT -スピリット-』です。 『霍元甲』は亡き父の道場を引き継ぎ、天津一を目指すべく度重なる試合を連勝し続けていた。やがて最強の称号を手に入れたとき、その傲慢さから家族が狙われ、彼は悲劇のどん底に突き落とされる。 癒すことのできない傷を負った彼は天津を離れ流浪するが、少数民族の村で行き倒れてしまう。助けられた『霍元甲』はその村で暮らし始めるが・・・ 主人公『霍元甲』が今のアメリカにダブって見えました。物語の前半、力の論理に固執し天津一を目指す主人公。そのため悲劇を招いてしまう姿は、世界一の軍備を備え異文化に自らの論理を持ち込み、9・11で傷ついた大国の姿に重なります。力の論理は憎しみの連鎖を生み出すしかないのでしょう。 世界史に疎いので、鑑賞後時代背景についてちょっとだけ調べてみました。舞台となった異種格闘技戦が行われたのは1910年、遡ること15年日清戦争終結が1895年、更にさかのぼると、アヘン戦争勃発が1840年と、この頃中国(清)が西洋に飲み込まれていく時代だったんですね。(ちなみに明治維新の遠因のひとつがアヘン戦争であることは周知の事実) この作品は言うまでも無く「ジェット・リー」のアクションが売りになっていますが、彼の動きに衰えを感じたのは私だけでしょうか。劇中悟りにも近い心境のなか、野原にて型を演舞するシーンがありますが、その姿に『少林寺』で見せた美しさ、『英雄-HERO-』での華麗さ、『リーサル・ウェポン4』で見せた速さはありませんでした。 見終わった後、なにかが物足りない印象が残ってしまいました。何が物足りなかったのかずっと考えていたのですが、そのひとつは前半部の掘り下げの浅さではないかと思いました。 何故、主人公は武術=力にこだわったのか、その辺を深く掘り下げていない為、対比という面で弱くなり、後半、真の武術に目覚めた彼の行為に感情移入できなかったのだろうと感じました。 印象に残っているのは本作の主演「ジェット・リー」がインタビューで、『武』という字の本来の意味について語っていたことです。 『武』という漢字は使われ方のイメージから戦いをイメージしますが、漢字の成り立ちとしては『矛』を『止』めるの組み合わせとのこと。『矛』とは太古からある槍のような武具のことであり、これを『止める』という事は、戦わないということをあらわしているのだそうです。つまり武術を極めるということは戦わなくても済む術を学ぶことであり、本作の主人公はそれを体現していた人物であり、それを念頭に彼は演じていたのでしょうね。 物語でもほんとうの意味での武術が語られていきます。武術とは戦いに勝つことが目的ではなく、己に克つ事。その精神は日本の武士道にも相通ずる考えだと思います。「中村獅童」演じる『田中』が『霍元甲』と心を通わすことが出来たのはむしろ当然だったのかもしれません。 評価 星 みっつ 公式サイトはコチラ ・SPIRIT@映画生活 このエントリを気に入ってくれた方はポチッとヨロシク SPIRIT(スピリット) 特別版 ジェット・リー 近代映画社 ジェット・リー関連 中村獅童関連 |
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凄いワイヤーアクションをしてました。
興奮しました。
中村獅童との対決も良かったと思います。
そうそう、カットの話は某掲示板で仕入れてきた情報です。
40分とも45分とも言われていますね。
確かに前半の掘り下げが浅かったのがちょっと残念でしたが、随分満足して帰ってきました!
リーのアクションが少し衰えたということですが、私は2本目なのであまり違いも分からず感動しました~(笑)
私が気になったのは、どっちかというと後半、「なぜ再び戦うか」という部分ですが。
ジェット・リーの動きには確かに若い頃のようなスピードと切れは無いですが、円熟の深さのような物が出てきたと思いました。
TB張り逃げ失礼しました<(_ _)>
カットシーンが気になりますね~
DVDには何かの形で残るでしょうか…
アクション作品とされるところに、やはり描写が少し希薄に感じるところがあるのでしょうかねえ。
あんまり期待してなかったのもあって、結構満足しちゃいましたけど。
あたしはこれ、李連杰の最高傑作だと思いました。
獅童クンも、おいしい役でしたね。
またよろしくお願いしますね。