第１５９話 人間というもの

そうです。前号でお話ししましたように　人間は自我意識という意識が中心になって生きており　自分がより満足できるように生きようとするなら　上手に肉体意識と魂意識の間で選択をすることです。

つまり人間は魂意識と肉体意識の「はざま」で　生きているわけです。

なので　もっと楽しさを感じたい　充実感を感じたい　難しく言うなら　もっと真実を感じたい　善を感じたい　美を感じたい　そして愛を感じたい・体験して学びたい　というなら　魂意識の方を選ばないと　何事もうまくいかない仕組みなのです。

今のように孤独に生き続けるなら　他人の多くが自分に意地悪く見える世界に生き続けたいなら　人に腹が立ってばかりの世界に生き続けるなら　寂しさから抜け出せないままでよいなら　まさに今のように　肉体意識を選び続けるしかないのです。

しかも肉体意識は自分がわざわざ選んでつながっているのではなく　人間が無意識であるとき（つまりボーっとしている場合）自動的に肉体意識だけとつながる仕組みにできているのです。

これが大事なポイントです。肉体意識は意識の中では波動が最も低く　しかもその中に入っているものは幼いころに親から仕込まれた古い価値観が主体ですから　何事もうまくいかないわけです。つまり親を怒らせないためにはこうしなくてはいけないなどという考え方が主に入っているのです。

なぜそうなるのかいえば　それが人間が学んで成長するためのベース　すなわち親の考え方を出発点とする仕組みだからです。そのほかに入っている考えは古い世間の考え方が多いのです。

それに対して魂意識の方は　天文学的に波動が高いのです。つまり価値観がとても高いのです。どんな場合でも　このことをどう考えたらよいか　どう行動したらよいかを即座に教えてくれる意識です。個人差がありますからしばらく考え続けていると自分の中に答えが浮かんでくるという場合も多いのですが。

つまり人間が魂意識の存在というものに気付かない限り　そして意識して魂意識を選ばない限り　ほんとうの意味で幸せにはなれない　そういう「仕組み」なのです。

これはあなたが悪いせいではなく　劣っているからでもありません。あくまでただ単にそういう仕組みに創られているせいなのです。しかし逆に言えば　魂意識の方を選んで学び成長していけば　それが出来る仕組みなのです。

そしてだんだん充実した人生が送れるようになっていくのです。魂意識の役目は人間の自我意識を成長させることなのです。（もちろん魂意識はそれだけじゃなく　もうひとつ　魂意識自体がこの地球で体験したいこと　つまり魂だけの世界では体験できないこと　例えばすべてが善だけの世界では体験できないことを　ここで人間というものを使って体験（例えば悪を）している　ということをぜひ知っておいてください。自我意識はそういう意味で魂意識に協力しているのです。そのかわり魂意識のおかげで成長させてもらっているのです。）

この世では頭の良い人悪い人の差があるように見えるし　人間的に優れた人劣った人の区別があるように見えますが　真実はそうではなく全員がまったく平等　同じレベルなのです。

ただこの世では平等でないように見える仕組みにしてあるというだけです。

ただその自我意識が　この人間の学びのゲームをいつ始めたか　つまり今までの人間経験の回数が多いか少ないかだけにより　そのような「見え方」に差が生じているのです。もちろんそれだけじゃなく　今世では「こういうタイプの自分」になって体験してみようと決めたきたということもあります。しかしその場合でも全員が平等であることに変わりはありません。

ですから今の自分がどのような自分であれ　それに不満を持ったり責めたり委縮したり逆にごうまんになったりする必要はまったくないのです。

多くの人は　それを知らないために一喜一憂しているのです。

そしてただ自分を責めることが多いのです。私も含めて・・・。

そして実は　そのような見かけ上の差があることも　人間の学びのためには役立っているのです。貢献しているのです。だから自分の「あるがまま」を認めて受け入れるだけでよいのです。それが成長の重要なカギになります。

真実は　私たちは魂としては　もともと全部でたった一つしか存在しないのです。元は一つのものから分離しているものなのです。

地球だけについて見ても　現在地球に居る７０億の人間に匹敵する以上の数の魂に分離して　そして手分けして個々に異なる人生を歩み　学び成長しているのです。そして結果的にシェアしているのです。

私たちの人生はそのうちの貴重なひとつの人生です。一つの貴重な情報なのです。自分がどんなに不満足な人間であろうと　どんなに不満足な人生であろうと　それらのひとつひとつが　魂意識と肉体意識のはざまで揉まれながら　他の魂と異なるいろいろな人生を体験しているのです。

なぜ生きるのか。ただひたすら魂意識の存在に気付いて　少しでもそれと共に生きていけばよいのです。決して希望を失ってはいけないのです。

（続きます）