あなたの気配を・・

昼下がりのまどろみの中

足音を忍ばせ　背後から近づく

あなたの気配は　感じない




庭に憩う山鳥の羽音

葉陰で生まれる蝶のため息

沢山を意識しすぎて

あなたの気配を気づかない　




蟻は　永遠の営みを遅々として繰り返し

その列の行先に　

壮大な城壁をつくるという




あなたの囁きは　思い出の中で

ハレーションをおこし

記憶の一ページとなってしまう




自然の膨大な移り変わりの一こまを

感じて、感動して、

心を奪われるというのに

あなたの囁きは　夜のとばりの向こうへ

小さくなっていく




繰り返し　呼んでくれなくては

躊躇（ためら）わずに　囁いてくれなくては・・

ヒラドツツジ（赤）
花言葉　恋の喜び

心の殻

同窓会の通知が来ると

行かなければ　と　思い

行きたくない　と　思い




なぜか　大切なものを

無くしてしまいそうな危惧が

胸いっぱいに　広がる




小学校の同窓会　なら　まだいい

中学校の同窓会も　まだ　すこし平気だ

高校時代の　同窓会となると　

尻込みする気持ちが　強くなる




なぜ　・・

どうして・・

だから・・




大切にとっておきたい記憶が

壊れるときを　

壊される時を




壊してしまう時を

畏れる　私がいる




一緒に大人になり始めた　仲間たちとの

心の　ふれあいの記憶は

なぜか　密かにとって置きたい




わがままな気持ちを隠したまま

出かけることを　

許さない　私がいる




思い切って　心の殻を

破る勇気が　必要になる

クレマチス（白）
花言葉　精神的な愛、心の美しさ