横浜ユーラシア文化館で開催されている『博士の愛した中国陶磁』展を見てきた。ちなみに早大生は学生証を提示すれば入場無料になる。
博士とは、會津八一と江上波夫氏を指す。パンフレットの説明書きを引用する。
書家にして歌人、美術史の研究者である會津八一と、東洋史学者であり歴史学を越えて広く人類史をテーマとした江上波夫。二人の博学の士が収集した陶磁器類には、古美術品のコレクターとはまた異なる研究者のまなざしが感じられます。両者の収集品に會津八一記念博物館が収蔵する富岡重憲コレクション(旧富岡美術館収蔵品)の名品を加えて、博士達が愛した中国陶磁の数々から、5000年にわたる陶磁器の変遷を展観しその美と技をご紹介します。
早稲田大学會津八一記念博物館の収蔵品では、富岡コレクションは言うまでもないが、八一が集めた唐三彩、古瓦等が展示されていて見ごたえがあった。会津コレクションの青磁、女人像、陶枕等を見ていると、秋艸堂の小さな電飾の元、丸眼鏡の奥の目を細めながら、それらの古物を愛玩していた八一の息遣いが感じられるようである。
八一の書では、「学規」、「おほてらのまろきはしらのつきかげをつちにふみつつものをこそおもへ」、「吾心在太古」、「はるたけしにはのやなぎのはがくれにはとふたつゐてねむるひぞおほき」が展示されていて、八一ファンにとっても見ごたえがある。
これが本展覧会に出展されている「学規」であるが、幾たび見ても、「心のふるさと」ともいうべきものを感じる。