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茶室のマジック ~ 体験しましょう!

2023年02月13日 | 五感を開く茶室
五感を啓く

 五感(視覚、聴覚、体感覚、味覚、嗅覚)は、私たちの潜在意識に直結しています。

そのうち嗅覚がもっともプリミティブな感覚といわれているのは、鼻の奥は、脳に直結しているからです。

他の感覚、視覚や聴覚、体感覚は、一旦大脳新皮質という理性や知性をつかさどる「考える脳」に伝わり、そこから大脳辺縁系や間脳へと伝わります。

大脳新皮質は、理性的な思考や、批判、判断を行いますから、ストレスも発生します。

一方、嗅覚はダイレクトに「動物脳」といわれている大脳辺縁系や間脳に伝わります。

ここは脳の中心部にあり、感情・性欲・内分泌系の調整などを行います。

また、自律神経の中枢部で、リラックスやストレス反応をつかさどっています。

香りの嗅覚への刺激は、より本能に近いところにダイレクトに働きかけることで、

内分泌系、神経系、代謝系、免疫系に緩やかに作用し、

生命力や治癒力を向上させてくれるのです。


 そして、香りを嗅いだ後の脳波は、α波になることが知られています。

α波は、リラックスした時、瞑想しているときに現れる脳波で、リラックスしながらも集中しているときに見られる脳波でもあります。

香りは私たちの疲れた脳を休めて、そしてバランスを取ってくれます。

  


                       

 聴覚について、日本人は、特異な感覚を持っているようです。

一般的に左脳には、言語中枢があり、言語処理を行いますが、
風の音や川のせせらぎなど非言語は右脳で処理を行っている。というのが

定説ですが、日本人または日本語が母国語の人だけは違っていて、

虫の声、雨音などの非言語の部分も左脳で行っている。


つまり非言語も言語の一部として処理している。というのです。
                      (角田忠信『日本人の脳』)


日本語には擬音つまりオノマトペが非常に多いです。

オノマトペとは、ものの音や声などをまねた擬声語
(ざあざあ、じょきじょきなど)、

あるいは状態などをまねた擬態語
(てきぱき、きらきらなど)をさすことば。
                  (日本大百科全書 『ニッポニカ』)

コオロギが鳴く音は、「リーリー」だったり、
風は「ごうごう」や「ヒューヒュー」だったり。


それはあたかも自然現象や日常の事柄を言葉としてとらえている、

つまり、彼等とも会話しているということにならないでしょうか。


 日本のお話をたくさん書いた、小泉八雲は、英訳するときこのオノマトペに苦労したそうです。

怪談ではおどろおどろしい音は、欠かせませんものね。

私は一度あるアミューズメントパークで音だけのお化け屋敷体験をしましたが、真っ暗の中で聞く、正体不明の音は、本当に怖かったです。

想像力が掻き立てられるからでしょう。最後まで聞くことができなかった、

意気地無しです。


そんなすごい感性を刺激する音を、利休居士は湯の沸く音を五つに分類し名前を付けたことは先に述べました。

ただお湯が沸騰している音をそんなに細かく分類して、

さらに名前まで付ける、つまりそれらの微妙な変化を聞き分け、

その違いを言語として受け取っていたのではないでしょうか。


自然現象や日常茶飯事のことやものとも対話していたとしたら・・・、

とても素敵なことだと思います。


音だけではありません。

私たちは、すべてのものやこととコミュニケーションできる、

あらゆることからメッセージを受け取ることができるのです。


そんな風に捉えるとなんとこの世は、にぎやかで、豊かで、変化に富んだところなのでしょうか。

 茶室では、亭主と出会うまでは終始無言です。

 非言語のコミュニケーションを行います。

言葉は便利なコミュニケーションですが、言葉に頼り、言葉に振り回されしまう経験はよくあることです。

  その言葉を使わないと、私たちは、視覚を遮断したときのように、

非言語つまり、言葉以外のコミュニケーションを行い始めます。



 茶室にお客様が全員入室したら、最後の客である「お詰め」は、
はっきり音を立てて、戸を閉めます。

「これで皆そろいました。」ということを亭主に知らせるためです。


また、お茶をいただいたときも、『ずうっ』という音を立ててお茶を吸いきります。

音を立てて頂くというのは、西洋式のマナーではとんでもないことですが、
ここでもお茶の作法は、あくまでもユニークです。


そんな風に言葉を使わないメッセージでのコミュニケーションは、

とても本能的なやりとりです。


私たちは動物としての本能を持っています。

言葉が人類の歴史に登場する以前、私たちは、ずっと非言語のコミュニケーションだけを使ってきました。

言語表現以前、人類誕生から何万年もの間私たちは、

ずっと非言語のコミュニケーションを行っていました。

それに比べれば、言語の歴史はほんの数千年です。


私たちは、本来は、非言語のコミュニケーションのほうが、

得意なのかもしれません。

そしてそれはより原初的で、本能に近いところでやり取りしているのだとしたら、

茶室で行われる、非言語で行われるコミュニケーションによる人と人の結びつきが、

より親密な関係を醸成してくれるのは、納得がゆきますね~。



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体験茶会やってます~

お問合せは、 こちらまで~
  





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