そんなさまざまな 気づきを与えてくれた制服ですが、
客室乗務員の訓練所では、着こなしの他に、制服には厳密な規定があり、
それはその職業の職権と職域を表すということも学びました。
もちろん制服を着ていると、一目でサービス要員つまりお客様をお迎えする側だ
とわかります。
何かあったときには、この人にお願いすればいいということも。
そして、そしてもちろん、コックピット(操縦室)クルーなのか、
キャビン(客室)クルーなのか、担当業務もわかります。
そして機長は、ジャケットの袖口に四本のラインがあるものを着用しています。
この方がこの飛行機の機長です。
すぐにわかります。三本線の方は、副操縦士、そのほか、機関士というような規定がありました。
そういったラインや名札、デザインのディティールによってその職権と職域が明示されているわけです。
それらは、職場でのその人の 権威と責任範囲 を表します。
権威というと私たちは必要以上に恐れ、権威に飲み込まれるのではないか、
権威を誤用してしまうのでないか、と権威を避けてしまいそうになります。
しかし、確かな自信と信頼に基づいた権威は、物事を先に進めてくれます。
本来権威は力や、強制ではなく、自発的に同意・服従を促すような能力関係をいいます。
威嚇や武力によって強制的に同意・服従させる能力・関係である権力とは違うのです。
特定の分野などに精通し、 専門的な知識を有す人 を~の権威といったりします。
あるときバンコックのホテルのコーヒーショップで、日本の紳士が新聞を読んでいました。
どこかでお見かけしたことのある方だとは思いましたが、
次の日の朝、ショーアップ(フライトの前には、同乗者が集まって行うミーティングのために集合すること)したときに、アッと気付いたのです。
その日の フライト・キャプテン だったのです。
前日は、プライベートでリラックスなさっていたのでしょう。
でも一旦制服に袖を通し、着帽するときりりと 仕事モードに変換。
自然な権威と威厳をもったキャプテンのブリーフィングが始まりました。
そんな風に人は、制服を身につけた時とそうでないときは、違って見えます。
制服にはパワーがあります。
そのパワーをもらって、制服を身につけることで
私たちは違ったエネルギーを発しているのかもしれません。
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