平成三十年十月三十一日（水）理想なき日本國（加筆修正）

　理想なき日本國

　先日、何とはなしにAMラヂオをつけて見ると、慥か安倍首相の所信表明演説に對しての批判とかで、立憲民主黨の枝野幸男の發言が、番組冒頭に流されてゐた。曰く、「憲法は權力（者）を縛る爲に」云々。この發言を冒頭に流すと云ふ事は、このラヂオの系列が、そのやうな憲法觀のやうなものを持してゐると云ふ證左であらう。廣島のRCCが流してゐた番組だから、恐らく、TBS系列だと思はれるが、TBSにせよ、朝日新聞にせよ、否、マスコミの殆ど總てが、左記した誤れし憲法觀を持し、夫れを報道によつて、國民に押附けようとして久しい。

　が、憲法（Constitution）とは、「a body of principles to which a country, state, or organization is governed」（「Oxford American Dictionary & Thesaurus」）であり、いはゞ、國家の在り方を定めるのが憲法であり、それは、誤解を畏れずに云へば、國家の理想を表明するものであるとさへ云へる。

　その點、福田恆存曰く、その前文を含めて「詫び證文」「御免なさい憲法」に過ぎない日本國憲法とは、到底、まつたうな憲法とは云へない。このやうなまつたうならざる憲法と新字・現代假名遣と云ふまつたうならざる表記を採用してゐるが爲、日本國民の殆どが、非合理的、沒理想的になつて了つてゐる。

　それに何より、日本國憲法は惡文である。この惡文を幾ら改正した處で、格調高い存在にはなるまい。中には自主憲法の制定を主張する者もゐるが、彼等は如何なる文章を綴る心算か――内容以上に文章は姿が大事なのだが、その大事を心得てゐる者は、今の日本には殆どゐまい――。さう云ふ事を考慮するだけでも、吾國の憲法に就いては、大日本帝國憲法を復元し、改正するのが次善の策と云へるが、何故、最善ではなく次善であるかと云へば、復元はいゝとして、改正の際、現代の日本人の手が加はれば、格段に條文の格調が低下して了ひさうだからである。

平成三十年十月二十九日（月）奧出雲行きの續き――朱華園（廣島縣尾道市十四日元町）で中華そばを持歸り

　奧出雲行きの續き――朱華園（廣島縣尾道市十四日元町）で中華そばを持歸り

　きのふの日歸りした奧出雲行きの記事の續きである。奧出雲の稻田神社で蕎麥を食べた後は、廣島へ直接歸らず、尾道へ向ふ。尾道の朱華園で中華そばを持歸るのが目的である。お店に著いたのは、三時半過ぎだつたので、店に行列は出來てゐないが、店内はそこ／＼席が埋つてゐる。客が少い時間帶とは云へ、流石有名店である。中華そば（600圓）を家族の人數分、持歸るが、私に關しては二人前頼む。店で食べるばあひも、持歸りのばあひも、茲では先拂ひである。持歸りだが、麺は一人分づつに分けてあるが、スープや夫々の具は、一纏めにしてあつた。之は頼めば、夫々、一人分づつに詰めて貰へるのだらうか。私は二日に分けて、二杯の中華そばを家で食す。久し振りの朱華園だが、矢張り旨い。

二日目の中華そば。チャーシューが一枚餘分にはひつてゐた。

麺

一日目の中華そば

麺

奧出雲は稻田神社のお蕎麥屋さんで買つた山菜おこは

平成三十年十月二十八日（日）きのふの晝食――姫のそば ゆかり庵（島根縣仁多郡奧出雲町稻原 稻田神社境内）で横田小そばのそば御膳と奧出雲の山菜そば

　きのふの晝食――姫のそば ゆかり庵（島根縣仁多郡奧出雲町稻原 稻田神社境内）で横田小そばのそば御膳と奧出雲の山菜そば

　奧出雲に稻田神社と云ふ神社があり、茲は、ヤマタノオロチを成敗した素盞嗚命の妻である稻田姫を祀つてゐると云ふ。その神社の社務所に上述の蕎麥屋さんがあるので、訪れてみた。タイトルのとほり、横田小そばのそば御膳と奧出雲の山菜そばを註文。蕎麥は地元産の材料が使はれてゐるみたいだが、そのジャンルとしては出雲そばと考へて差支へないのであらうか。出雲そばは、信州そばとは異なり、田舍そばと同樣、麺は黒つぽく、太めで、噛み應へがあり、かをりや味が濃いのが特徴で、信州そばのやうに啜るのではなく、よく噛んで味はふものである。田舍は信州そばと同樣、蕎麥つゆにつけて食すが、出雲そばの割子は、蕎麥に直接、藥味を乘せ、つゆをかけて食す。そば御膳には、全國的にも高評價されて來てゐる仁多米の御握り他が附いた。山菜そばの山菜は、地元で採れたものゝみを使つてゐると云ふ。

横田小そばのそば御膳（蕎麥つゆは同行者の御盆にあり）

割子そば一段目

割子そば二段目

割子そば三段目（撮影するまへに一口食べて了つた）

天日干しした仁多米コシヒカリのおむすびと手作り漬物

地元野菜や山菜を使つた日替はりのお惣菜

季節のスープ（鹽麹のスープ）とデザート

蕎麥湯

奧出雲の山菜そば



メニュー

割子そばと釜揚げそばの食べ方

社務所である店内にて


典子女王殿下御結婚記念の品

稻田神社

素盞嗚命

稻田姫

平成三十年十月二十六日（金）先日のランチ――ヴォーノ（廣島市中區幟町）でパスタランチ

　先日のランチ――ヴォーノ（廣島市中區幟町）でパスタランチ

　何年まへにオープンしたか覺えてゐないが、オープン當初から通つてゐる店である。自他共にトマトラーメンが有名と云はれてゐるが、私は、長年、晝時のパスタランチを食べてゐる。日替はりのパスタにパン、サラダ、コーヒーにデザートが附いて、現在は850圓（パスタは普通盛のばあひ）。パスタランチの普通を註文。當日はスパイシービーフパスタだつた。

パン

サラダ

日替はりパスタ（スパイシービーフパスタ）

ホットコーヒー（お店の奧樣が淹れて呉れるコーヒーはかをりよく美味）

デザート（デザートは自家製。當日はアイスクリーム）

平成三十年十月二十四日（水）「解放」や「自由」とは政治的に何を意味するか

　「解放」や「自由」とは政治的に何を意味するか

　先日、保守速報と云ふまとめブログのコメント欄を讀んでゐたら、「そろ／＼大日本帝國に戻らうか」と云ふやうなコメントが書かれてをり、その批判として、「さう云ふ事になれば、中國のみならず、アメリカをも敵にまはす事になりますよ」、「地政學的に考へれば、さうなります。そんな事も分らないのか」と云ふ書込があつた。前者は、自ら保守派と自稱する者、後者は左翼のやうであつたが、さう云ふ後者の批判に對して、何ら知的に反論出來ないのが、保守派の爲體と云へる。

　大日本帝國、アメリカ、支那と云ふ事になれば、戰前、戰中を考慮する必要があるが、日本が強ければ、論理的にアメリカを敵にまはす事は必定であらうか。荒木和博に「靖國の宴――戰つて散つた男たちのおとぎ話」（高木書房）と云ふ小説がある。之は、靖國に吾國の英靈（戰中、日本人として戰つた朝鮮人を含む）のみならず、今日の韓國や北朝鮮の軍人、そして太平洋戰爭で散華したアメリカの軍人もが、魂となつて訪れると云ふ文學だが、其處で以下のやうな事が語られる。戰前、戰中、アメリカには、極東アジアに強い日本（大日本帝國）が存在する事によつて、アジアの秩序が保たれるとするストロング日本派と、強い日本を脅威と捉へる日本脅威論派とが存在してをり、最初、前者の考へを持する共和黨が政權を握つてゐたが、大不況で該政權が倒れ、後者の考へを持する民主黨が政權を握つて了つた事が、日本にとつての、そしてアメリカの日本派にとつての不運だつたと云ふ。詰り、支那はいざ知らず、アメリカに於ては、強い日本を肯定する思想も存在して來たと云ふ訣である。

　それでは、強い日本が（アメリカから）期待される極東アジアに於ける役割とは、如何樣なものであらうか。荒木信子は書いてゐる。

　更に言ふと、日韓併合時代、朝鮮半島は内地ばかりでなくソ聯、中國からも影響を受け、共産主義者の活動の場、工作の對象となつてゐたのを、日本の治安當局が嚴しく取り締まつて押さへ込んでゐた。日本の敗戰で朝鮮が解放されるとなつたとき、治安の最高責任者である總督府警務局長が憂慮したのは、共産黨政權の樹立であつた。一九四五年時點で既に、それほど朝鮮半島に赤化の危機があつたことを米國は理解してゐなかつた。
　荒木信子「我々は安倍首相に日本を託したがトランプ大統領に託した覺えはない」『時事評論石川　平成30年10月20日號』所收

　成程、その「時點」で「米國は理解してゐなかつた」訣だが、朝鮮半島に對する危機感と云ふ事であれば、半島からの距離を考へても、日本とアメリカとでは、緊急的な緊張の度合が異なる。それにしても、政治學的、地政學的に考慮すれば、極東アジアに強い日本（大日本帝國）が位置する事で、共産主義を抑へる事が可能となると云ふストロング日本派のアメリカ人がゐた事、嘗ての共和黨政權が、事實、さうであつた事は慥かである。

　一體、「解放」と云ふ時、それは國家レヴェルでの、共産主義勢力への國や地域の「解放」であり、「自由」とは、共産主義を取締る事からの「解放」による「自由」に外ならない。左翼が主張する、戰後の（～からの）「解放」や「自由」とはさう云ふ事である。「戰前、戰中の日本が不自由であつた」と云ふのは、單に共産主義者にとつて「不自由」であつたに過ぎず、云ふ迄もない事だが、大日本帝國も議會制民主主義を採用してゐた近代國家であり、戰後になつて、初めて日本に自由や民主主義が齎された訣ではない。

　NHKの朝ドラ「まんぷく」でも、憲兵が登場したが、彼等も基本的に共産主義や共産主義者を取り締まつてゐたに過ぎない。

平成三十年十月二十三日（火）先日の晝食――高田（廣島市南區段原）で蕎麥大盛のお晝セット、日本酒熱燗、酒の肴

　先日の晝食――高田（廣島市南區段原）で蕎麥大盛のお晝セット、日本酒熱燗、酒の肴

　先日も書いたが、廣島で蕎麥と云へば、段原の高田と決めてゐる。幸ひ、ネットでは有名でないのだが、店を訪れる毎に客が増えてゐるやうな氣がする。餘り有名になつて欲しくないのが本音である。

　相變らず、心地よい喉越しの蕎麥で、ほんのりかをりも感じられる。蕎麥つゆも私好みの關東風、廣島の人には濃いと感じるかも知れないが、私には之がちやうどいゝ。炊込ご飯も香の物も美味。

　たゞ、日本酒を熱燗で飮んだが、餘り批判的な事は云ひたくないが、リーズナブルな酒と云ふのは、醉ひ易いやうに思ふ。譬へば、鮨處ひと志で飮んだ而今は、簡單に醉ふ事がなく、心地よく飮める。日本酒の取揃へに拘らない店では、ビールを頼んだはうが無難だらう。酒の肴は、高田の知られざる名メニューである。

お茶のかはりに蕎麥湯が出される

日本酒熱燗と酒の肴


酒の肴

蕎麥大盛お晝セット

炊込ご飯

蕎麥大盛

藥味と蕎麥つゆ

香の物と蕎麦つゆ

平成三十年十月二十日（土）趣味としてTOEIC公式問題集の最新刊を購入

　趣味としてTOEIC公式問題集の最新刊を購入

　最近、TOEIC公式問題集の最新刊が發賣されてゐたみたいなので、先日、趣味として解いて見ようと思ひ、購入した。

　TOEICのテスト自體は、長いあひだ、受驗してゐないし、今後、受驗する豫定もない。とは云へ、最後に受けた時の印象からすれば、TOEICも囘を重ねる毎に難化の傾向にある。英語の文章自體が、やゝむつかしくなつて來てゐるし、何よりも、リスニングの際の音聲のスピードが速くなつて來てゐるやうに思ふ。公式問題集のCDを普通に聽いてゐたのでは、本番のテストには對應出來ない。音聲をiPod等にインポートし、オーディオブックにして、倍速で聽いて、トレーニングしない事には、テスト本番のスピードにはついて行けないだらう。

　公式問題集であるが、3に比べ4は、總てを解いた訣ではないが、Part1、2はさして難易度に變化が感じられず、Part3に就いては、文章の内容が難化し、スピードも上がつたやうに感じた。

　今後、受驗する豫定はないと先述したが、この先の事など誰にも分らないし、公式問題集を英語トレーニングの教材として採用して、惡い事はない。少し許り、碎けた英語表現が見受けられるのは、氣になる處ではあるものゝ。

平成三十年十月十九日（金）先日の晝食――中華そば國松（廣島市中區八丁堀）で汁なし擔擔麺大盛辛さ三倍カレー味

　先日の晝食――中華そば國松（廣島市中區八丁堀）で汁なし擔擔麺大盛辛さ三倍カレー味

　廣島式の汁なし擔擔麺は、旨いと云ふやうな料理ではない。偶に食べたくなる味で、食べれば癖になりさうだが、さうは云ふものゝ、私のばあひ、頻繁に食べると云ふ事もない。それでゐて、店自體は、毎囘、訪れると晝時には滿席で、行列が出來る事も珍しくない。上述のとほり、汁なし擔擔麺大盛辛さ三倍カレー味を註文。

汁なし擔擔麺大盛辛さ三倍カレー味

攪ぜて食べる

平成三十年十月十六日（火）先日の晝食――結喜庵（廣島市中區幟町）で野菜天ぷら附田舎蕎麥（？）

　先日の晝食――結喜庵（廣島市中區幟町）で野菜天ぷら附田舍蕎麥（？）

　私のばあひ、廣島で蕎麥と云へば、段原の高田だが、天婦羅と蕎麥が食べたいと思つた爲、上述の店を訪ねた。

　野菜天ぷら附田舍蕎麥を註文。料理が運ばれて來たはいゝが、以下の畫像を見て貰へれば分るやうに、これは本當に田舍だらうか、と思つた。天婦羅も蕎麥も旨いと思ふが、見て明かなやうに、之は田舍蕎麥ではあるまい。田舍がないならば、それはそれで田舍はありませんと云へばいゝと思ふ。それとも、之は私が（少くとも見た目からは）知らない田舍蕎麥なのだらうか（※一）。

　（※一）少し調べて見た處、田舍蕎麥の定義とは曖昧らしい。此方に據ると、「更科そばの對極にあるそばと位置附けられ、太めで黒つぽい麺で、色や香りも濃いのが特徴」だとの事で、之が私が懷いてゐる田舍蕎麥の在り方であるが、「田舍そばの定義は曖昧で、江戸のそばを『都會の洗練されたそば』、田舍のそばを『地方の無骨なそば』といふふうに、イメージでわけてゐるとも考へられてゐ」ると云ふ。後者のイメージからしても、今囘の蕎麥は、「地方の無骨なそば」とは云へないと思ふが如何。尤も廣島は地方なのだから、廣島でどんな蕎麥を出さうが、それは田舍蕎麥であると云はれゝば、それ迄だが、それなら、態々、「笙幻」、「更科」、「田舍」とメニューに記載する必要がない訣である。以前、博多の信州そばむらたで田舍を食べたが、リンク先の畫像を見て貰へれば分るやうに、之はまさに田舍蕎麥と云へよう。

野菜天ぷら附田舎蕎麥（？）

蕎麥


野菜天婦羅

蕎麥つゆと藥味

天つゆ

香の物

平成三十年十月十五日（月）先日の早めの晝食――覆麺智（東京都千代田區神田神保町）で鮟膽の鹽ラーメン

　先日の早めの晝食――覆麺智（東京都千代田區神田神保町）で鮟膽の鹽ラーメン

　ラーメン二郎三田本店の記事にも書いたが、最近の私はと云ふと、ラーメン以外のグルメを知つて了つた爲、さしてラーメンを有難がらなくなつた。學生時代の私であれば、がんこ總本家やラーメン二郎三田本店で緊張もしたが、今は流石にそんな事もない。上述の覆麺智は、がんこ系の店であるが、今囘、初めて訪れた。ネットでは「初見殺し」と云ふ言葉があるが、之は初めての人間には分らないルールや仕組の事で、それが分らなければ、自然、初めてとまはりにバレて了ふ事である。この覆麺智も、券賣機に「初見殺し」が存在し、金額を投入して、メニューのボタンを押したゞけでは食券は出て來ない。加へて、發券ボタンを押す必要があるのだ。その事が分らなかつたので、初めてと店主から認識されて了つた。後、どうにも私の（自分で云ふのもをかしいが）インテリ然とした身形が嫌はれた爲か、その店主からは邪險に扱はれたやうに思ふ（自意識過剩かも知れないが）。だから、他の客とは異なり、トッピングに就いて訊かれる事はなかつた。膽心のラーメンであるが、まあ、こんなものだらうと云ふ印象。店内には熱烈なファンもゐて、退店する際、店主に贊辭を呈してゐた客もゐたが、まあ、さう云ふ人もゐると云ふ事だらう。

鮟膽の鹽ラーメン