二本足の學者を目指して

賢を見ては齊しからん事を思ふ

【人生に就いて】

2024-05-12 18:36:24 | 文學、精神、そして魂

【人生に就いて】

自分を大事にしないものに就いては、自分のはうから捨てゝ了ふに限る。自らの時間は有限だし、運氣の總量なんてものもあるだらう。努力や才能は當然必要だが、この世と云ふのは運も人生を左右する。捨てゝ了つた大きなスペイスに、大きくて新たな自分の爲の運氣を呼び込まう。

最近、矢鱈、自分の力ではどうしようもない事に就いて考へる。若い頃は根據のない自信とでも云ふものがあり、樣々な事に挑戰出來る。地方の無名高校出身の僕が、早大にはひらうと決心したのも、根つこには、根據のない自信とやらが存在してゐた。そして、早大に合格した事ぐらゐが、僕の人生に於ける成功體驗だらうか。

と云つても、之はいはゞ社會的な成功體驗である。精神的な成功體驗であれば、僕には數多ある。讀書をとほして、樣々な先生方に會ふ事が出來たからだ。それが僕の財産であるが、歳を經て、樣々な出會ひを經驗して、人生をそれなりに歩んで來ると、人間の限界とでも云ふものを痛感するやうになる。そして、運氣と云ふものや、延いては祈ると云ふ事に就いて思ひが至る。それは最初は日本的な現世利益を望むものかも知れないが、後にはさう云ふ領域を脱するかも知れない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【私が「らんまん」を樂しめ... | トップ | 【「#中原中也記念館」をたづ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。