明るい室内と打って変わって、とっぷりと日は暮れ、「もの」の形は闇に溶け込み、時折、走る車の音とライトの眩しさばかりです。
それでも、レオの姿を求めて、眼をこらします。夜の闇のいたるところにレオが潜んでいるように思われ、今にも手が届きそうに感じられる一方で、もう、レオが果てしなく遠くなり、どこにも存在しないような虚しさとが交錯しました。
ドアをロックして、夜闇の中に飛び込みました。懐中電灯と鈴のついた猫じゃらしを振り回しながら、レオの名を呼び、走りました。しばらくすると、涙目の充血した目に、それでもレオの姿を見落とすまいと大きく開いた目に、汗が入り、猛烈に痛みます。懐中電灯や街灯が滲んで見えるので、それでも眼を必死にこじあける・・・
遠慮がちに猫を探していることなどを、たまに出会う近所の住人に話しては、次の瞬間は、狂人のように走り回りました。息など切れません・・・、地の果てまでも、走ってゆけそうです・・・。
夏休みの高校生と思しき男の子が赤信号のまま、道を渡って、こちらに近づいてきました。
「迷い猫を探しています。茶色い猫を見かけたら、教えてください。」と頼むと、道の向こう側に女友達二人を残した男の子は、うんざりしたように
「猫なんて、家に勝手に戻ってくるでしょ?僕の友達んちの猫も2日くらいしたら帰ってきましたよ」
「もし見かけたら、で結構ですので」と言ったところで、女の子たちが道を渡ってきました。「何の話?」・・・「猫だってさぁ」
決定的に無駄な時間を使ってしまった悔しさで、また走り出しました。
40分ほど走り回った後、やっと思いついて、wooさんに電話しました。
一人よりも二人で探そう・・・その方が、きっと・・・。
一時間ほどして、私の走る足元が覚束なくなった頃、wooさんがものすごい形相でやってきました。wooさんはすぐ、近隣の人から、「その猫かは分からないけど、9時頃、あの大きな坂道を一匹で登って行ってたよ」と聞きだしてきました。
上り坂の住宅街を、疲れて動きの鈍くなった私と裏腹に、wooさんは猛烈なスピードで走りだしました。
二人で何度か、大きな坂道と、周辺の小道を往復した後、今度は暗い、鬱蒼とした野鳥公園に向かいました。(続く)
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きっと今は、猫おばさまの横で、
お腹いっぱいご飯食べて
爆睡しているのですよね?
お家に居たとか。。。そうであって欲しいなぁ~。
今日のレオはどうしていたのか、まだ詳しく聞いてませんが、明日、様子見に行ってみようと思います。
でも、最悪の事態にならず、ほっとしました。