事業仕分け 【ＰＣＢ廃棄物対策推進費補助金】評価者のコメント

11名で評価して、来年度の予算計上は見送り １０名、予算要求通り １名。やはり評価者コメントの中に「算出見積が不明瞭」「制度設計やり直し」もある。国が計上見送りで、都道府県はどうするのか？

行政刷新会議ホームページより
http://www.shiwake.go.jp/data/pdfs/671.pdf

行政刷新会議
ワーキンググループ Ｂ
事業番号 Ｂ-１１ ＰＣＢ廃棄物対策推進費補助金
評価者のコメント
● 中小企業によるＰＣＢ廃棄物の処理を加速化する方策を見出すまで、毎年の国費による基金積立ては停止すべき。
● ＰＣＢ処理を予定通り処理することは当然としても、毎年２０億円を積み立てるべき今日時点での合理性は認められない。見積りである５６０億円があくまで見積りにとどまる以上、しばらく積立てを見合わせても支障はないのではないか。国が止めたら将来の地方の支払いが危うくなると
いう点については、国と地方で事前に協議すればよいのではないか。
● 算出見積りが不明瞭であり、また、中小企業のＰＣＢ保有分を早く処理する方法も確立されているとは思えない。ＰＣＢ処理が速やかに終了するようやり方を再検討すべきである。それまでは基金で対応し、新たな予算計上は見送るべき。
● 処理に必要な５６０億円の妥当性について検証を要する。ＰＣＢ処理の全体スキームを見直し、（スピードアップのため）、２０億円造成の是非を再検討すべき。ひとまずは予算計上を見送り、再度検討をすべき。都道府県との調整には配慮が必要。
● ＰＣＢの焼却処理は中小企業の保管分をまず処理すべきである。そのために、基金を使って補助金を出すことはやむを得ないが、補助率の工夫が不可欠と言える。中小企業が早期にＰＣＢ廃棄物を出せば、補助率が現行の７割から特別に９割になるように期限を設けて受け付ける、といったような政策対応が求められる。当面の積立目標値が見えない以上、現在の基金残高を効果的に使ってＰＣＢ処理速度を上げなければ、炉寿命等で後年度負担が増える。
● 現状の基金残高３４１億円（H21 年度末残高）で十分なのか、本当に５６０億円必要なのか、明確になるまで積立ては停止し、ただちに予算を見直すべき。ロードマップの進捗も不十分。
● 必要額、年々の積立額を見直すべき。
● ＰＣＢ内蔵機器保有の中小企業の保管在庫をいかに処理していくのか、そのスケジュールの把握と基金からの拠出予定額をしっかり認識すること。一方、業者の負担も台当たり30％ある事実認識は必要である。
● 事業計画のゴール設定がされ、残り必要な額も見通せる上に、基金の残高も341 億円ある。
国庫からの補助額の見直しをすべき。一旦、予算計上を見送り、制度設計をやり直したほうが良い。その際、処理がスピーディーにいくように制度を変えるべきである。
● 基金の助成は都道府県との取り決めもあり変更は難しいことは理解する。むしろ平成28 年までに達成できなかった場合の後年度負担のスキーム作りと、達成を担保するための手段が必要。
行政刷新会議「事業仕分け」
● 国の出す分については国債利息が必要なので、後回しすべき。必要時に手当すべき。

ＷＧの評価結果
ＰＣＢ廃棄物対策推進費補助金
中小企業におけるPCB 廃棄物処理の加速化が見られないままでの漫然とした積み立てについては、予算計上は見送り
① 国の事業として廃止 ０名
② 来年度の予算計上は見送り １０名
③ 予算要求の縮減 ０名
a. 半額 ０名
b. 1/3 程度を縮減 ０名
c. その他 ０名
④予算要求通り １名
とりまとめコメント
　PCB 廃棄物処理と対策は当然必要であるが、漫然と基金を積み立てている状況はいかがなものかという問題意識から議論がなされた。各評価者の結論は、廃止0名、予算計上見送り10 名、予算要求縮減0 名、予算要求通りが1 名であった。予算計上見送りという方が多いが、中小企業におけるPCB 廃棄物処理を加速化する方策を見出すまでは基金積み立ては停止すべき、必要なときに手当てすればいいのではないか、必要額560 億円という金額についても見直したらどうか、都道府県には配慮が必要といったコメントがあった。
　以上を踏まえて、本WG としては、中小企業におけるPCB 廃棄物処理の加速化が見られないままでの漫然とした積み立てについては、予算計上を見送るべきという結論とさせていただく。

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