最も影響を受けた人。

好きなアーティストやら好きな曲やらいろんな友人やら、
いろんなものから影響を受けて今の自分ができているんだなぁと、いつも思うんですが、
私が一番影響を受けているのは、父親だと思う。

と言っても「父の背中を見て育った」的な、尊敬の気持ちというより、
なんていうか、友達もしくはライバル的な感覚がある。

うちの父の特徴としては、とりあえず音楽が好き。
小さい頃、土日は爆音でYMOのRydeenを聴いていた記憶がある。
曲名を知ったのはずっと後だけど、何かがツボにはまって気が付いたら覚えてた。
私と弟がエレクトーンを習い始めた小学校の頃、いつの間にか中森明菜やら竹内まりやのスコアを買ってきて弾き語りをしてた。
中森明菜のセカンド・ラブは、数年前に初めて曲名を知りました。
ギターもしばしば弾き、25歳の時にオリジナル曲でコンクールに出ていたことを最近になって知りました。

いつの間にか私もTWO-MIXというデジタル全開なアーティストにはまり、
それからDir en grey、Laputa、FANATIC◇CRISISというヴィジュアル系全開へと。
傍目には完全におかしい世界へ行ったと思いますが、それも全く否定せず、むしろ聴いてみたいから一枚貸してと言われたくらい。
まあ、一枚しか言われませんでしたが（笑）
でも出張みやげでDir en greyが表紙の雑誌のバックナンバーを買ってきてくれたり、ある意味変わってると思う。
あの頃は東京は都会だからどこでもバックナンバー売ってるのかと思ってたけど、今考えれば、そんな訳ない（笑）
父親とのてきとーな音楽談義というのは、幾つになっても楽しい。
今でも「今度○○見てくる！」「○○がCD出したらしいよ」みたいな話は、とりあえず父親に言いたい自分がいる。

そんな父親、最近Pefumeにどっぷり。
しかし爆音でPerfumeをリピートする父を見てると、ある意味血筋だと思う（笑）
爆音を気持ちよいと感じて好むところ、しっかり似てるなぁ～。


そして父の趣味というのは、音楽をはじめとして、広く深い気がする。
私がはまって話題にした、パソコン、楽器、車、、、などなど、全部きっちり返してくる。
広く深いのか、私の興味がやはりピンポイントに父と合っているのか、その辺は謎だけど。


ライバル感覚というのは、高校生くらいから密かに抱いていて、
うちの父親、意外と学校の成績は良かったらしいし、大学も就職もちゃんとしてるんで（笑）
今となっては、これは負けない！みたいな気持ちが湧き上がることはないけど、
かつてはやたらと、今に見てろよ～って気持ちになってました（笑）


大人になって、やたら理屈っぽいとことか、父のしょーもないとこに似てる自分に気づいて嫌気が指すことも多々あり、あんまり尊敬の念というのはないんですが（爆）、
3月の地震の時、こういうことがありました。

実はあの日の朝、祖母（＝父の母）が亡くなりました。

私は死に目に会うことができませんでしたが、病院と勤務先が近かったので仕事を休み、葬儀の準備をするべく、祖母の家がある宮古市へ向かいました。

宮古で葬儀の段取りがひと段落し、これから親戚をまわって葬儀のお知らせをするか、と父と二人で出かけた矢先に地震がきました。

宮古出身の父の判断は速かったです。
これは津波が来る、自分は祖母の遺体を置いて逃げる訳にはいかないが、お前だけはすぐ帰れ、と言われました。
私は半信半疑で内陸へ向かって出発、その後、あの津波・・・
家は決して海の近くではありませんが、あのとてつもない津波。
もし家の近くまで来たら、父は果たして祖母の遺体を置いて逃げることができるのか？とても不安でした。

数日後、父と一緒に帰ってきた母の話がとても印象に残っています。
家に津波は来なかったけど、室内はぐちゃぐちゃで停電のため、夜は近くにある県の出先に避難したそうです。
そこで非常食の配布が行われたけれど、父は、自分はここに勤務している訳じゃないけど県の職員で内部の人間だからと、受け取らなかったそうです。
確かに、地震直後にコンビニで買った冷たいお弁当は持っていたらしいけど、
こういう時って、いくらでも貰えるものは貰っておこうという気になってしまうと思うんです。
極限まで追い込まれているわけじゃないのに、悪い未来を予想しすぎて自分で自分を追い込むというか。
買占め現象がいい例だと思うんです。

この話を聞いて、とても父を誇らしく、自分もそうありたいと思いました。


今日はそんな父の55回目の誕生日。
父は、父親を早くに亡くしており、この前母親も亡くなったため、血のつながりのある親類は姉ひとり。
最近は二人して、両親を見送ったから、もういつ死んでも大丈夫とか言う姉弟（爆）
そもそも昔っから、長生きはしたくないと言っている父ですが、
いつまでも、友達のような、たまーに誇らしい父親でいてほしいです。


（mixiより）