試練でした(笑)。
知恵を絞って試行錯誤とはまさに今回のことですね~。
スポーツ店さんから、
「コレにコレ、やってみて?」
と依頼されたのが、
「ウインドブレーカー」。
あらたな壁として最大の問題は「撥水加工」が施してあるということ。
普通のTシャツ印刷屋さんは、こういったウインドブレーカーなどの印刷を恐ろしく嫌がる・・・つまり、引き受けないという話を聞いたことがあります。
なぜなら、撥水加工によって「通常のインクでは定着がとても悪い」からです。
定着が悪いということは「強くこすったり」「洗濯をくりかえしたり」に耐えられないということですから商品としてアウトです。
「通常のインク+硬化剤」でも可能なのかもしれませんが、商品としての補償値が低すぎるのです。
ということで、まずは「超撥水素材対応」のインクを探して試してみることからはじめました。
「特別」っていうのは価格も高いもんですね。通常のインクの3倍!!
しかしながら購入したインクの謳い文句に、
「スポーツウエア、アウトドアウエアなどの超撥水布に優れた密着性を持つ画期的なインク」
とあり、これならいけるだろう!と。ひとまずクリア。
第2の問題は、「裏地(メッシュ)がある」ということです。
Tシャツのように刷り台の上に置いたのでは、印刷面の生地がずれてしまします。
今回は、2色刷りなのでそうそうずれてもらっては大変です。
社長は版とウエアと刷り台の前で、「ああでもない、こうでもない」と考えて考えて、おもむろに印刷面を固定する装置?を作り、「これならずれずに2色刷りできる!」という確信を?得たのです。
とはいえ、緊張です。
依頼されているウエアは1着のみ。けっこうなお値段のプライスタグが付いています・・・。
「失敗したよ~。」ではすまされません!
それでも、熟慮に熟慮を重ね、試行を重ねてきた社長です。
「よし!やってみよう!」となったら、思い切りは男前っ!
さてさて・・・・
結果は、大成功です!!
「あっぱれ」をあげます(笑)
黒と赤の2色が寸分のずれもなくぴったりとおさまりました。
よくよく見てみると、中のタグにも注意書きがありました。
噛み砕いて言うと「プリント部分はもろいので扱い方によってはとれたりはがれたりするかもしれません」という文言です。
ウエアの右の胸は刺繍なのですが、左そでのブランドロゴはプリントなのですね。
比べて見たかんじでは、既成のプリント部分に引けを取らない定着の感じで一安心です
(いつもながらの自画自賛です・・・)。
とはいえ、まだまだ課題も残ります。
このような案件が10枚、20枚と多数のオーダーが入った場合、再び悩むと思われます・・・。
今回は1枚でしたので、裏地のメッシュがずれないように何か所も固定して生地をパーンと張り、刷り台に設置してからインクの準備をして印刷することが可能でした。その印刷前の工程に時間がけっこうかかってしまうので、何らかの対策をしなければ準備の間に版が乾いてしまうと思われます。
満足いく仕上がりになってとてもうれしい半面、価格設定や多数のオーダーの際のことを考えると、満面の笑み・・・とはいかない社長なのでした。
けれども今回の案件、私的には「たいへんよくできました。」のハンコを社長のおでこに押してあげたいと思います(笑)。