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バリエーション山行同人

藪岩、沢等を中心としたバリエーションルートを中心とした山行を志向しています。

両神山系 辺見尾根(一位ガタワ~辺見岳~大谷~三合落(「両見山」)~四阿屋山)(2017.5.3-4)

2017-05-06 07:28:18 | 

これまで両神山周辺のバリエーション尾根を多くこなしてきたが、本峰から四阿屋山に向かって南東に伸びる長大な尾根(「辺見尾根」と称する記事が多い)は、その長さからなかなかトライする機会が無かったが、藪が繁茂する前の最後のチャンスと考え、今回、トライすることにした。まずは、本山行の概観をまとめると以下のようになる。

・長大な尾根全体を通じて、痩せた岩尾根が続いており、樹木がそれを隠している。また枯れた幹や不安定な砂礫壁も多く、ホールドやスタンスを慎重に選ぶ必要があった。持参したミニバイルが大活躍。
・稜線に沿って、数多くの岩峰がコブのように連続しており、地図上で見るよりもはるかにアルバイトを強いられた。岩峰に突き当たるたびに、稜線通し、右巻き、左巻きの何れを採るべきか、その都度、偵察。荷物が重かったので、都度、荷物を置いて往復。時間を要した。
・キレット状に尾根が途切れているところや巻くために側壁側に安全に下降するために、4回ほどの懸垂下降実施(30m8mmロープ持参)。
・岩稜は上部(1日目)が中心であったが、2日目の両見山手前にも、狩倉尾根の横八丁を思わせるような微妙な痩せ尾根岩稜が有り、緊張した。
・季節的には、数種類のツツジが満開、尾根の下部では山桜吹雪でよかった。新緑は下部の方が中心で、GW以降ではさらに遠望が難しくなり、ルーファイが困難になりそう。 
・当初、この長大な尾根を「下るか上るか」迷ったが、下って正解。稜線上での炊事や暑さに備えて、清滝小屋で計4Lの水補給などによる久々の重荷などのため、あまり歩行ペースが良くなかったため、おそらく上りを採っていたら、清滝小屋でもう1泊必要だったかもしれない。また、最終ピークの四阿屋山から辿りし尾根を全て遠望できたのも達成感を感じられてよかったと考えます。 
・疎林の間から見える次のピークを目指して、コンパスや地図で方向を確認し、進むが、急に尾根が途切れることが数回。支尾根と思って見送った稜線が、実は迂回して次ピークとつながっていることも数回あった。次ピークとの間の鞍部を樹間から確認できるかどうかが成否の分かれ目。
・尾根がブロードになる箇所は少なかったが、四阿屋山へ向かう最後の尾根が分岐する地点の特定にはやや苦労した。その尾根の途中にテープ類が無かったが、長い距離に渡って東進していることから、尾根の特定には自信を深めた(他にこのように長い東西尾根は地図上に無い)。しかし、「これを登ったら四阿屋山」と思って上がった小ピークには何の山名票も無く、一瞬「尾根を誤ったのか」と意気消沈。深い谷を隔てた向かいにもう1つピークが有るのを確認し、少し藪漕ぎして進むと鎖場(久々の人工物)を発見し、四阿屋山ピークに達することができた。
・テープ類は、少しだけあり。他には、林業関係の赤テープと、地面に刺さったプラスティック製の赤杭も参考にはなったが、これは結果論。常に、地図とコンパスが手放せない。今回は好天に恵まれ、樹間から何とか遠望が利き、ほぼ現在位置を把握しながら進むことができた。

 

▼三峰口駅から小鹿野町営バスを乗り継いで、日向大谷に到着(9:00)。埼玉県警の陽気な(?)警官の出迎えを受けた。

 

▼清滝小屋で水補給の上、ハーネス、ヘルメットを身に着け、小屋後方に見える鞍部(一位ガタワ)を目指す。

 

▼一位ガタワへの道はかつて一般道であったが、現在は廃道。ロープ柵を乗り越え進むが道形は残っていた。

 

▼一位ガタワ。かつて、白井差から本峰への一般道があった頃以来の来訪。

 

▼この先、辺見岳までの間に、個性豊かな石仏が続く。歴史を感じさせる。



 

▼さっそく藪の中から岩稜の実態を現わし始める。ここをクライムダウン。

 

▼樹間から南北2峰を持つ辺見岳。南峰を通過したが、山名標など一切なし。

 

▼しっかりした幹を選んで懸垂下降。

 

▼計画ではもう少し先に行きたかったが、標高1290m付近の狭い樹間の稜線上に幕営(しかも傾斜あり)。18:00

 

▼翌朝5:30に出発。一部区間に林業関係者が付けたものと思われる赤リボンが参考になった。際どい箇所を巻いて振り返る。。

 

▼赤リボンが「このルンゼを詰めて稜線に上がれ」と言っている。

 

▼赤リボンは南へ下ってしまったので、赤い境界杭なども参考に進む。

 

▼大谷1195mの三等三角点

 

▼今回、初お目見えの山名標(瞽女ヶ岳北峰;ごぜがたけ)

 

▼瞽女ヶ岳北峰からの天武将尾根(天理岳のピーク)、二子山方面。

 

▼瞽女ヶ岳南峰からの下降では、落葉に埋まった微妙なトラバースを強いられた。

 

▼辺見尾根で多く見られた典型的な岩稜の姿

 

▼樹間から両見山(右端)へ連なるピーク群

 

▼両見山1115mの三等三角点(本来は、三合落(さんごうつ)という山名が正しいらしい)。
  この後、鹿除けネットに沿って下り、相撲場(本来は、住居場=すまいば)と呼ばれる平坦地から左にトラバースし、
  四阿屋山に至る稜線に移る(珍しく尾根が広いため要注意点).

 

▼ようやく着いた狭い山頂の四阿屋山(16:30)

 

▼四阿屋山から、辿りし稜線を振り返る。

 

▼四阿屋山の直下の鎖場を下って、ほどなく両神神社奥社で山行の無事を感謝。この後、長い階段下降に苦しんだ後、薬師の湯で汗を流して帰京。

 

 

 

 
 


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