バリエーション山行同人

藪岩、沢等を中心としたバリエーションルートを中心とした山行を志向しています。

戸隠西岳P1尾根(2017.10.27-28)

2017-10-29 20:31:58 | 尾根

台風到来直前の晴れ間を利用し、戸隠西岳P1尾根を登り、西岳を縦走し、八方睨から戸隠神社奥社へ下るコースに行ってきた。本コースは登山地図上では破線コースで、現地も鎖場や道標が多くあり一般登山道の範疇であるが、バリエーションルートの雰囲気を備えた変化の有る山旅を堪能することができた。

早朝発の北陸新幹線はくたかにて長野駅に降り立ち、外国人観光客であふれる善光寺門前を辿るバスに揺られ、飯綱高原を経て戸隠高原に降り立った。

▼朝9:40に鏡池入口バス停に降り立つ。平日なので辺りは比較的閑散。

 

▼バス停から舗装路を40分ほど歩くと鏡池。写真でよく見る風景だが、訪れたのは初めて。やはり絵になる。左端からP3、P2、P1。右の鋭鋒は本院岳。

 

鏡池そばの「どんぐりハウス」という喫茶施設にて、快く水を分けていただき、今夜の稜線上での幕営と翌日の行程に備えて、多めの7リットルの水を担いで歩き始めた(冬に向けた担荷訓練を兼ねたつもり)。

▼尾根道に出るまで数度の渡渉(うち1回は脱靴を強いられた。下記写真の地点)や酷い泥濘、倒木に悩まされた。

 

谷沿いの急斜面を登り、採草地と呼ばれる高原状の草地に出た。

▼晴れ渡った空に紅葉と戸隠西岳稜線が映える。

 

▼右の岩峰の奥にP1がある。左はP2。

 

▼P1尾根から紅葉地帯を見下ろす。

 

▼P1尾根からの本院岳ダイレクト尾根

 

▼P1尾根の後半は急傾斜の壁に鎖が掛かる場面が増えてくる。

 

▼P1峰。小広い平地になっていたが、露岩が多かった。

 

▼P1から西岳方向に1分ほど下った辺りの稜線南側に数張は張れそうな幕営適地を発見。周辺のブッシュも利用し丁寧な耐風対策を施した。

 

▼翌朝、西岳手前から見た本院岳ダイレクト尾根。右のキレットの鋭さが凄まじい。

 

▼西方には白馬、五竜、鹿島槍など北アルプスの白い連なりが壁のように見えていた。

 

▼辿りしP1尾根を振り返る。ダイレクト尾根ほどではないが、鋸歯が顕著。

 

▼西岳本峰(2053m)

 

▼稜線には所々ザラメ状の積雪があって滑りやすく難儀した。鋭鋒の本院岳ピークへの登路がくっきり。

 

▼本院岳(2030m)。山頂は笹原に囲まれていた。南側のダイレクト尾根方向を見下ろそうと思ったが、急傾斜で下を望むことはできなかった。

 

▼本院岳から八方睨(奥の鋭鋒)までは標高差200mくらいの上下があり、意外に時間を要した。八方睨の直下は胸を突く急登。

 

▼八方睨(1900m)から見た高妻山

 

▼八方睨から見下ろした蟻の戸渡り

 

▼戸隠神社奥社の参道に沿って杉並木道の緑のラインがよく分かる。

 

▼蟻の戸渡りを超えて振り返る。昔は風化しやすい砂混じりの尾根だったような気がするが、今はすっきりした露岩で、至る所に鎖があり、前回来た時に馬乗りになって越えた刃渡り部分は東斜面に鎖によるトラバースが可能になっていた。

 

▼手前から、本院岳ダイレクト尾根、P1尾根、鬼無里の一夜山(独立峰)、後立山連峰

 

▼百間長屋

 

▼戸隠神社奥社。ご朱印を求める参拝者が行列をなしていた。奥社社殿は工事中だった。

 

▼巨木の並ぶ杉並木

 

▼奥社門前にて戸隠蕎麦を堪能した。この日は朝から曇天で寒い一日であった。この頃から冷たい雨が降り出し、温い蕎麦にしようか冷たい蕎麦にしようか迷うほどであった(結局、辛味大根おろしざるそば 1,030円に)。15:17発のバスで長野駅へ向かい、新幹線で帰京。

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八日見山 龍頭神社 例大祭(2017.10.21)

2017-10-23 18:42:56 | その他

手頃なバリエーションルートの宝庫である両神山、二子山の麓にある集落「埼玉県秩父郡小鹿野町河原沢」に龍頭神社はある。境内は元小学校の校庭ということもあり小広く、綺麗な公衆トイレもあることから、山行前に度々利用させていただいていた。以前から、歴史を感じさせる本殿やその前の狛犬(新旧の2組あり)の姿に見入ってしまうことが多かったが、地元の氏子さんの方々の信仰を中心とした神社であることから、社務所など周辺に人影を見ることはなく、一度、本社の年中行事の様子を見学したいと思っていた。この度、秋の例大祭(10月の第3土曜日)は台風が近づくあいにくの天候であったが、一人で訪れることにした。

西武秩父駅から小鹿野町役場前を経由してバスを乗り継ぎ、坂本行きのバスを「尾ノ内渓谷入口」(昔は無かったので、小金平と橋詰の間に新設されたものと思われる)で降りる(珍しい乗客だったのか、バス運転手から途中でどこまで行くのか尋ねられる始末)。

▼境内下に設置された石碑。尾ノ内沢ルートの入口でもある。

 

▼10:30着のバスで到着したが、10時に祭典は始まっていたようだ。

 

▼社殿では、氏子代表と思われる数人の長老の方々と複数の神主による祭祀が行われていた。

 

▼いつ見ても立派な狛犬。その奥には古いが妖気を感じさせる昔の狛犬が鎮座。

 

▼秩父地方特有の大神信仰

 

▼今回はじめて拝見できた社殿の内部

 

▼橋詰集落へ登り、かつて辿りし西岳新道の登山口付近にも幟がはためいていた。

 

▼境内そばの尾ノ内沢に設置された「お旅所」。社頭に飾られていた神輿をここに移し、祭り囃しの奉納が行なわれるとの由。

 

午後の祭典も見学したかったが、バス便が12:40の次が16:30頃まで無いため、昼過ぎに失礼することにした。5月3日に山開きがあるので、是非参加をと、受付をされていた氏子の方から勧められたので、また機会を作って臨んでみたいと思う。帰路は、小鹿野町役場前でのバス待ち合わせ時間を利用し、JA直売所で好物の「しゃくし菜漬」を購入し、小鹿野町町営バスに乗って西武秩父駅に戻った。

 

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南ア 笊ケ岳(2017.10.7-9)

2017-10-10 08:23:21 | 尾根

バリエーション山行と銘打つのはやや躊躇する部分はあるが、アプローチが長いことからなかなかこれまで行く機会が無かったため、今回、トライすることにした。私自身、椹島に入ることすら、かなり久しぶりだ。

【1日目】
新幹線利用で静岡駅に向かい、レンタカーにて畑薙第一ダム下の臨時駐車場にて、(株)特種東海フォレストの送迎バスを待つ。

▼15:00発の最終バス。3,000円をドライバに前払いし、後で宿泊費に充当されるシステム。道中、運転手による景観案内(往復とも)は往年と同じ。
   このバスは今年導入された新車両で「赤石号」と言うのだそうだが、車両ナンバーを標高と同じにしたらしい(復路の運転手談)。

 

追加1,500円(寝具なし素泊まり=4,500円)で案内された「さわらじま登山小屋」。うち1棟は、コインロッカー(1日300円または400円)で我々も利用させてもらった。素泊まりの利用者は極めて少ないようで、我々のほかは1パーティーのみ。お蔭で、静かな夜が過ごせ熟睡できた。だが、食事つき宿泊棟との建物外観の印象の違いは大きく、例えると、それぞれ「捕虜収容所」と「独身寮」といった感じ。

▼「捕虜収容所」の方

▼「独身寮」の方

 

【2日目】
今日は、幕営用具を担いでいくものの、もし調子が良ければ、日帰りで椹島まで降りてくる予定。このため、未明の4:30に椹島を出発した。

▼千枚岳への道を分け、滝見橋を渡ってすぐの登山口。辺りは工事の資材を置き場になっていた。

 

つづら折れの急登を経て、尾根に出る。背後を振り返るが、樹影が濃く、なかなか背後の南アルプス主稜の巨山群の山容を確認することができない。

 

▼標高2000m付近に有った静岡県設置の標柱。辺りは、伐採跡の小広い広場になっていた(幕営適地)。

 

この後、6本の水の流れる沢を次々と渡っていく。この場合、カウントとしては、ほぼ同じ箇所にあると見なせる枝沢は数えない。このうち、2、3、4番目辺りの沢付近は、トラロープが随所に張られるなど、足場の悪い急登、急下降が多い。ハードな区間であることは相違ないが、2017年版の「山と高原地図」に記載の「非常にハード」かは人によって感じ方が違うかもしれない。

 

▼たぶん4番目くらいの沢(だったような。。。)。右にある踏み跡目指して渡渉する。

 

6番目の沢を超えて、小尾根を乗り越すと急に辺りが開け、上倉沢の源頭部にでる。沢は伏流になっており、この日は、渡河地点の上部と下部で水の流れる音がした。渡河地点周辺は新しいペンキ印が付けられており、迷う心配はなさそう。

 

▼中央奥に黄葉に彩られた、目指す笊ケ岳のピークを望むことができた。

 

▼広い河原を渡り、左岸の台地に上がる。

 

▼左岸の台地上にある幕営適地。我々はここに荷物をデポし、山頂を向かった。

 

最初は、涸れた小沢の源頭を進む感じであったが、程なくして、左側の斜面をつづら折れに登るようになり、標高をかせぐ。

 

▼白峰南嶺の縦走路に出た(10:30)。

 

▼山頂へ向かう尾根筋での紅葉。

 

▼無人の笊ケ岳山頂に到着(11:00)

 

この日は9時過ぎごろまでは晴れていたが、徐々に雲が出てきて、特に東の山梨県側はガスに覆われ全く展望が無かった(但し、無風)。一方、西側も、残念ながら、主稜の頂稜部に沿って雲に覆われ、期待した南アルプスの大展望は望めなかったが、山腹のまだら模様の紅葉黄葉は堪能できた。

 

▼笊ケ岳山頂から西側を望む。

 

この日の笊ケ岳周辺は全く静かで、山頂からの下りで、この日の朝、荒川小屋を発って、二軒小屋、転付峠を越えて、笊ケ岳までピストンし、椹島に降りるという単独のトレイルランナーと、2名の椹島ピストン者に会ったのみであった。我々は、デポした荷物を回収し、往路を戻ったが、途中、ビバークした。

 

【3日目】

▼翌朝8:15の登山口。

 翌朝、椹島に降り、10:30発のバスを待っている間、大倉財閥の足跡をたどる碑を見学したり、無人の写真館(200円)を見学するなどして余りある時間を費やす。復路は、計4台のマイクロバスを連ねて、駐車場に戻った。駐車してあった車に乗ってすぐの白樺荘(510円)でヌルヌルした温泉、食事をのんびり堪能し、その後、いろいろ有ったが、静岡駅に18:00前にようやく帰着することができた。

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