「県間移動自粛」という名の縛りに何となく従い、「解除」が発令され、それにも何となく従って、2月に訪れたばかりの滝子山西面を流れるズミ沢を今年の初沢に選んだ。まずは諸々の束縛から解き放たれた気分をのんびりと味わいたく、そして気分次第で沢の傍を辿る登山道へのエスケープが容易な沢というのが今回の選定理由だ。今回も電車のみの利用でバス利用の不要なプランとした。
▼7:35に笹子駅に到着。
▼駅前の巨大な笹子隧道記念碑(甲府から移設されたもの。桂太郎筆)を見学
▼ついでに駅前の笹子餅を購入。迷ったが、5個入り500円の方を選ぶ。遡行直前に食したが、突き立ての餅が柔らかでいつもながらの美味。
国道20号線を東に進み、中央本線、中央道を越えて、山道に入る。途中、南稜に向かう寂尚庵の分岐を経て舗装林道を進む。ここを辿るのは久しぶりだが、随分、林道が整備された印象だ。
▼道証地蔵から右下の沢に降りる。
▼通常、下部の沢は割愛することが多いようだが、最初の橋から遡行を開始。
▼2条の沢。この日は水量が多く、釜に腰までつかって中央に取り付く。
▼この日は初心者がいたので積極的にロープを出して安全を期する。
▼途中、登山道が横切る。
▼シャワークライムになりそうな沢は巻いた。
▼最初の核心部「大滝」に到着
左岸の水流の無い小ルンゼを辿って、右上部から緩やかに左上するバンドに沿って滝の落ち口に向かうものと考えたが、この日は水量がとても多く、上部の状況がよく分からない。
▼ヒョングリの滝の様に水流が大きく跳ね上がっていた。
▼まずは空身で偵察。右上部に残置ハーケンを見つけるも、左上するバンドのヌメりが甚だしく、また中間支点が取れないことから今回は通過が困難と判断し、ここで引き返すことにした。
後ろ髪を引かれる想いだが、また近いうちにトライしよう。
大滝から少し下ったあたりで、右岸上部に登山道を想像させるような雰囲気があったため、樹林帯の泥壁をやや強引に登る。少しして、左上にトラバース気味に進むと、道標が見え、無事、登山道に合流できた。
▼今回の遡行終了地点
この後、登山道を下り、あっという間に遡行開始点に戻った。笹子駅からの上り電車の時間調整もかねて、帰りは笹一酒造の売店で土産を買うなどして、ホンの僅かだが、流通経済に貢献した(?)。16:09発の普通電車で帰京。行きも帰りも電車は時節柄か空いていた。