交換日記あるいは備忘録

神のみ前に 清く 正しく 愛深く♪(未整理。。のものが ごちゃごちゃと)

暗闇イヴェント

2007年12月26日 | 舞台
 

ダイアローグ・イン・ザ・ダーク(暗闇での対話)
「学校の放課後」~冒険編~
http://www.dialoginthedark.com/

わたしが行ったのは10月ですが すべて終了しましたので 備忘録のまとめを。。。

これは 街の中に真っ暗な会場を用意して その中で 暗闇を体験する というワークショップです。 1989年 ドイツのアンドレアス・ハイネッケ博士のアイデアで生まれ 世界各地で開催 日本では1999年から行われているそうです。

今回の会場は 廃校になった旧赤坂小学校。 テーマは「放課後」

ワークショップは8人が1グループ。 それに 一人 視覚障害者の方がアテンドとして入ります。 大体90分のワークショップです。

定刻に集まってくる参加者。

暗闇で落とし物をすると 会期終了後まで探しに行けないので 手荷物はすべて預けます。 携帯 蛍光性の所持品など無いかどうか確認して 入場。

まず 暗闇に慣れる部屋 に通されます。 ここは 外の世界と 中の暗闇との間にある部屋で 照明を消した途端に暗くなりますが うっすら灯りが漏れているので 段々 目が慣れてくると 人の姿も見える様になります。 ここで 自己紹介やら何やら。。。

興味深かった説明は 周りに何があるんだろう? と 手を伸ばす時は 手の甲を外側に向けてください という。 これだと 何かに突き当たった時 腕は自分の方に折れてくる。 これが 手の平が外側に向けてあると 誰か他人に突き当たった時 なんとなく 相手を押してしまう格好になる。

そして 分厚いカーテンをくぐって 暗闇の世界へ。 ここから先は けして目が慣れる事がない 漆黒の闇です。 鼻をつままれても分からない? 最初の内は 離れて 置いていかれては という不安から みんなお団子になってくっついて前進してるんですが 前の人が立ち止まったので突き当たってしまったりすると 自分も止まる。 それから 前の人が 音もなく そろそろ動き出してしまうと その気配をつかまえそこなうと いつまでも そこに じっと立っていたりする。 ふと 思いついて 手を伸ばすと そこには誰もいない。 あわてて また よちよち 気分は匍匐前進。

アテンドの方が 「ここは どこでしょう?」 暗闇の中で 顔を見合わせ(多分?) 困っていると

「床はどうですか?」
「固い。。。」
「体育館?」
「あ。なんか踏んだ。」
「柔らかい。」
「マットレス?」

どうやら そこにマットレスがあるらしい。 そのうち ボールまで見つかりました。 振ると 中に何か入っているらしく音が鳴ります。

「音の鳴るボールなので キャッチボールをしましょう。」
「え~!?」
「転がすんですよ。」(ホッ)
「ボール欲しい人は いますか?」
「あっ!」
(何っ!?)
「誰も欲しいって言ってないのに 転がしちゃいました。」

ボールどこへ行ったんでしょう。 アテンドの方が拾ってきてくださいました。 ここ 暗闇なのにっ。

そこで しばらく遊んだ後に 杖のある場所に来たので 皆 1本ずつ 杖を持ちます。 鉛筆を持つ様に杖を持ち それで 自分の周囲をさぐりながら歩くらしい。 

階段があったので 一段一段 ゆっくり下りて 進んでいくと

「なんか 下が柔らかくなりましたよ~。」
「土みたい。」
「水の音がする?」

どうやら 近くに池がある様です。 小鳥の声まで聞こえてきます。 手を伸ばして触ってみると 通り道に 笹やら 樹木があるんですが この暗闇。 造花かしら。 ワークショップ中のアテンドの方から(参加者は みんな その周りに お団子になっている) 離れて 周りの壁はどうなってるのかな~ この部屋はどのくらいの広さなのかな~ と 歩いて行ってみると 壁につきあたる。 みんなの声が 遠くに聞こえると なんか さみしい~。 あわてて そろそろ 戻る。

学校なので 音楽室もあります。 いや 入った時は そこが音楽室 とは分からず しばらく その辺を触りまくって 何があるのかな~ とやっていて やっと分かるんですが。 日常生活で こんなに 一生懸命 入った部屋で ここはどこかしら ここには何があるかしら? と 調べて回ることって あんまりありません。

「これは 何でしょう?」
【ガタッ】
「あ~~! 机だった~。」(机をひっくり返してしまった参加者がいる)

キーボードがあったので 猫踏んじゃった を弾く。 他にも おもちゃ楽器が沢山~。 

テルミンはありませんでした。

階段をぞろぞろ上る。 どこまで 上るんでしょう。 左右のてすりが頼りです。 一段一段 よちよちと行列になって上っていると アテンドの方が 「ちょっと 左側を失礼します。」と とっとっとっと 上へ上って行ってしまう。 まるで 目が見えているみたいです。

アテンドの方は 視覚障害の方なので 普段から こういう生活なんです。 こうなると アテンドの方が視覚障害者 ではなくて 視覚障害の無い参加者が 五感障害者(?)の様です。

階段を上って行った先の部屋は どうやら 美術室らしい。

「あ。キャベツ。」
「え? キャベツ?」
「キャベツ! キャベツ!」
「持たせて。 キャベツ!」
「これは 林檎ですよ~。」
「りんごー。りんごー。わたしも りんご触るー。」
「いい匂い~。」

大騒ぎです。 

「大根もありますよ~。」
「大根! 大根!」
「はい。大根。」
「大根 戻したいんですけどー。」(机の周りにみんな群がっているので 戻せないらしい)

今日は 小学校の用務員さんは お休みの日らしいので 用務員室に入ってみました。 そこに 椅子が積んであるので 一人 椅子を一つ持って 丸くなって座る! と言っても 部屋の構造が分からないし なんだか みんな ごちゃごちゃ丸まって座ってみました。

「随分小さな円ですね。もうちょっと広がりましょう。」

アテンドさんが おしぼりを見つけたので それを手渡しで 順繰りに回すと ちゃんと全員に渡ったので どうやら 丸くなって座っているらしい。

「誰も 真中にいる人はいませんね?」

このアテンドさん みんなを笑わせるのが上手なんです。 ディズニーランドの カヌーを漕いでいるお兄さんみたい。 家に帰ってきてから 頂いたパンフレットを見ましたら どうやら わたしのグループを担当したアテンドさんは アテンドのチーフだった様です。 どうりで☆

おしぼりが 順繰りに手渡しされていくと ぱしゃぱしゃの音が 伝わっていくので 面白い。

次に アテンドさんは ジュースも見つけてくれました。 グレープフルーツジュースと ウーロン茶。

「グレープフルーツジュースがいい人~。」「は~い。」「は~い。」「は~い。」

この頃になると 耳の良い方は 参加者の名前や声を覚えてしまっていて はい だれそれさんはグレープフルーツジュースで と 数えてくれます。(人にぶつかったりした時など 自分の名前をなるべく会話の中で名乗る様に と言われる。「あ。すみません。ようこです。」みたいに)

「暗闇に入ってから どのくらい時間が経ったでしょう?」
「30分くらい?」
「いや もっと短いでしょう。」
「1時間かと。。。」

正解は56分でした。 え~ もう そんなに時間が経ちましたか と びっくりです。

アテンドさんの時計は 文字盤や針を指で触れる時計なので 暗闇でも時間が分かるのです。 退屈な会議の時にも便利だそうです。

なんだか そこでは すっかり まったりくつろいでしまいました。 こんなに暗いのに 上を見上げても 星が見えないのが 不思議な感じです。

いよいよ 外の光の世界に戻る訳ですが 急に暗闇から光の中に出ると まぶしくて目が痛くなるので 明るさに慣れる部屋 というのが 間にあります。 さきほど 暗闇に慣れる部屋 があったのと同じです。 ここでは ちゃんと 距離感持って みんな椅子に座ります。 さっき 暗闇の中では 殆ど押しくらまんじゅう状態でお団子になっていたのに。 

暗闇の中で いろいろとゲームをした中で「21までの数字を数える」というのがありました。

「1」「2」「3」。。。。と 8名の参加者+アテンドが 順不同で 口に出して 数えていきます。 2名以上が 同時に 同じ数字を口に出したら また 1からやり直しです。 これが 意外と難しい。 よくて13までしか数えられませんでした。 21まで行く事があるんですか? と 聞きましたら あるらしい。 次は自分が声を発しようと 思っている時は 気をつけていると その息づかいが分かるんだそうで だぶらない様に 数えて行く事ができるんだそうです。

どうやら その気配をつかまえそこなってしまったらしい。 このゲーム 明るいところでもできるかしら。



という訳で 大変面白かった。 わたし 暗闇イヴェント 3回目なんですが 一度も恐いと思った事がありません。パンフレット見ても「誰しも不安になります。」と書いてあるのに。

ホラー映画もこわくないし 夜の墓場もこわくないし 暗くなっただけで恐い人 というの(が どうやら普通らしいんですが) 謎です。

みんなは 本当に暗闇がこわいんでしょうか。 それとも 回りに合わせて こわいふりをしてるんでしょうか?

いや 別に イヴェントにケチをつけたいのではなくて ただ 不思議なんです。
それに 恐くなくても 暗闇はとっても面白い。