Megumi さんからの頂き物☆
監督:アルフレッド・ヒッチコック
マキシム:ローレンス・オリヴィエ
マリアン:ジョーン・フォンテイン
ダンバース夫人:ジュディス・アンダーソン
1940年 アメリカ
英国富豪と結婚したヒロインが 館で一緒に暮らすのですが 先妻レベッカの美貌と 夫のレベッカに対する深い愛 屋敷のそこここにいまだ残るレベッカの幻影に苦しめられて。。。というストーリーの筈です。
レベッカ が タイトルにもなってる割には 存在感が希薄です。(映画の説明を読むと けして 希薄な訳ではないみたいなので 見るわたしが悪いのかもしれませんが) レベッカの幻影が この映画を支配して 絶世の美女☆ という妄想を膨らませる。。。みたいな印象は 不思議とない。 夫の前妻に対する深い愛 も 他人からうわさ話の様に聞かれるばかりであるし レベッカの幻影は 主に 館をとりしきるダンバース婦人の 変質者の様な異様な執著 として登場します。
まともな人が うっとりと レベッカの思い出を語り ヒロインが 自己嫌悪にうちひしがれる みたいな場面はなく ひたすら ダンバース夫人の脅迫めいた言動がおそろしい。 ふとふりかえるとダンバース夫人。 こういう場面は 本当におそろしい。
ある意味 この映画の主人公は ダンバース夫人です。 その狂気と 存在感。 ダンバース夫人にくらべれば ヒロインは 美しいには美しいけれども やることが小市民的です。 レベッカとて それは同じで 最初の内こそ謎の美女 だったけれども ダンバース夫人の存在感の影に薄くなり マキシムがレベッカの思い出を語った時 遂にはいたって普通のつまらない女 になってしまった。 そして 最後のクライマックスでは ほんと ダンバース夫人一人で持ってった という印象。
こういうラストを見ると ヒッチコック監督は 人間の明るい側面というものを信じ愛していたんだなぁ と いつも思います。 同じ スリラーでも 狂気が狂気のまま突っ走って 救いもなく終わり というのは無い。 常に 精神は 正常でまともな人間の側に 置いてあります。 ヒッチコックを 人々が理解できる間は まだ 人間社会も大丈夫だろう と思う。